レブロン・ジェイムスがFAに
現役最高のプレイヤーを手にするのは一体どのチームだ?
『Cleveland.com』のJoe Vardon記者によると、レブロン・ジェイムスは現地29日、契約最終年を破棄してFAになる旨を代理人を通してクリーブランド・キャバリアーズに伝えたとのこと。現地7月1日からチームとFAの契約交渉が解禁となる。
キャブス移籍後のレブロンは、2015年と2016年の夏にもプレイヤーオプションを破棄してフリーエージェントとなっていた。その時はチームとすぐに再契約することを前提としたオプトアウトだったが、今回は違う。再びクリーブランドを離れる可能性も高い。
レブロンが今夏にFAとなるのは大方の予想通りだが、オプションを行使しなかったことで、次の契約先の選択肢がだいぶ絞られることとなった。
最有力候補は、ロサンゼルス・レイカーズ、フィラデルフィア・76ers、そしてクリーブランド・キャバリアーズの3チーム。レイカーズとシクサーズはキャップスペースに十分な余裕があり、キャブスはバード権利を持っている。
ヒューストン・ロケッツも候補の一つだとされ、クリス・ポールが勧誘活動をしているという噂が出ていたが、レブロンがFAになったことで、その希望もほぼゼロ。キャップスペースに余裕のないロケッツにとっては、昨季のCP3と同じように、レブロンがオプションを行使してトレード移籍というのが唯一のシナリオだった(ヒートやセルティックス、クリッパーズも同じ理由で脱落)。
今回のニュースを一番喜んでいるのは、恐らくレイカーズだろう。レブロンのオプション破棄が確定する前は競争相手が多く、争奪戦を有利に進めるために若手コアメンバーの大部分(イングラム、クーズマ他)を放出してでもカワイ・レナードを獲得すべきというプレッシャーがあったが、最有力候補となった今ではそこまで焦る必要がなくなった。
ポール・ジョージの去就が不透明なので(最近はOKC残留との見方が強まっている)、レイカーズが来季に“スーパーチーム”を実現したいのであれば、レナードの獲得はある意味必須だが、先にレブロンを押さえることができれば、スパーズとの交渉をかなり有利に進められるだろう。
一方のスパーズにとっては、「レナードを取れば、もれなくレブロンもついてくるよ」というのがトレード交渉のレバレッジになっていたと思うので、レナード放出で最大限の見返りを求めるならば、FA解禁前に動くべきだったかもしれない。今後はもう一つの移籍先候補である76ersに話を持ち掛けて、レナードへの入札額を吊り上げるしかなさそうだ。もしポール・ジョージがOKC残留を決断すれば、レイカーズも再び焦り始めるはず。トレードせずに関係修復を目指すのも選択肢ではあるが、ここ1週間での報道を見る限り、それは極めて困難だと言わざるを得ない。
レナードの代理人なり叔父なりが、76ersだけに限らず他のトレード先候補チームとの会談を許可し、怪我の具合や再契約の可能性について話し合える場を設けてくれれば、スパーズ的にもう少し選択肢が広がるわけだが、そういった話を一切聞かないのがすごくもどかしい。「セルティックスならば再契約を考える」、レナードがとそう言ってくれるだけで、状況は一変する。
Image by Erik Drost
参考記事:「Cleveland.com」