下位指名がロッタリー指名に勝るかもしれないNBAドラフトクラス3つ
NBAのドラフトでは、前のシーズンにプレーオフ進出を逃したチームが抽選で指名順を決めるロッタリー方式を採用している。リーグのスター選手たちが誕生するのは、大抵このロッタリー枠からだが(現在は1位~14位)、たまに下位指名の選手たちが上位指名たちを凌駕するようなドラフトクラスがある。
そこで、同じ年の下位指名チームとロッタリー指名チームが試合をした場合、下位指名チームが優勢になりそうなドラフトクラスをピックアップしてみた。
1986年ドラフト
ロッタリー指名 | 下位指名 | |
PG | ロン・ハーパー | マーク・プライス スコット・スカイルズ |
SG | ジョン・ウィリアムズ | ジェフ・ホーナセック |
SF | チャック・パーソン | デル・カリー ドラジェン・ペトロヴィッチ |
PF | ロイ・タープリー | デニス・ロッドマン |
C | ブラッド・ドーアティ | アルビダス・サボニス ケビン・ダックワース |
1986年のロッタリー組からオールスターもしくはオールNBAチームに選出されたプレーヤーは、全体1位指名のブラッド・ドーアティのみ(オールスター5回、オールNBAサードチーム1回)。
反対にこの年の下位指名組は、27位指名のデニス・ロッドマン(DPOY2回)と24位指名のアルビダス・サボニスが殿堂入り、25位指名のマーク・プライスがオールスター4回とオールNBAファーストチーム、15位指名のデル・カリーがシックスマン・オブ・ザ・イヤーに選出された。さらに22位指名で現オーランド・マジックHCのスコット・スカイルズは、1試合におけるアシスト数でNBA歴代最多記録(30アシスト)を保持している。
1986年ドラフトクラスは、選手のキャリア功績や知名度の面で、下位指名組が圧倒的に豪華だった。
2011年ドラフト
ロッタリー指名 | 下位指名 | |
PG | カイリー・アービング ブランドン・ナイト ケンバ・ウォーカー |
アイザイア・トーマス レジー・ジャクソン ノリス・コール |
SG | クレイ・トンプソン アレック・バークス |
ジミー・バトラー イマン・シャンパート |
SF | マーカス・モリス デリック・ウィリアムズ |
カワイ・レナード チャンドラー・パーソンズ トバイアス・ハリス |
PF | トリスタン・トンプソン マーキーフ・モリス |
ドナタス・モティユナス ケネス・フェリード 二コラ・ミロティッチ |
C | ヨナス・バランチュナス エネス・カンター ビスマック・ビヨンボ |
ニコラ・ブーチェビッチ ラボイ・アレン |
ドラフト当時は近年で最も不作の年とも言われていた2011年クラスだが、4シーズン経った今では、リーグのスタメンとして活躍できるハイレベルなプレーヤーを多数放出した豊作の年だったことがわかる。
ロッタリー組にはカイリー・アービングとクレイ・トンプソンがいるので、どちらのチームが強いかは意見が分かれるところだと思うが、選手層の厚さなら下位指名組が有利。カワイ・レナードとジミー・バトラーのウィングコンビを攻略するのはかなりのタフワークだ。
2000年ドラフト
ロッタリー指名 | 下位指名 | |
PG | キーオン・ドゥーリング | スピーディ・クラクストン |
SG | ジャマール・クロフォード | マイケル・レッド |
SF | マイク・ミラー | クエンティン・リチャードソン |
PF | ケニヨン・マーティン | ヒド・ターコルー |
C | ジョエル・プリジビラ | ジャマール・マグロア |
NBA史上最悪のドラフトクラスとして名高い2000年組。このクラスでオールスター出場を経験したのはケニヨン・マーティン(1回)、ジャマール・マグロア(1回)、マイケル・レッド(1回)の3人のみ。オールNBAチームに選出され、スターと呼べるレベルにまで躍進できたのはレッドしかいない。そして、この中で最も成功したキャリアを送ったのは、恐らくヒド・ターコルーかジャマール・クロフォードだろう。
2000年クラスは、下位指名が優秀だったというよりも、ロッタリーを含めて全体的にタレントレベルが低すぎた。よって、どちらかを選ぶとしたら、マイケル・レッドがいる下位指名組を取らざるを得ない。
▼マイケル・レッド、57得点 vs ジャズ(2006)
Image by Paulo Carrillo/Flickr
参考:「Reddit」