ヨキッチのトリプルダブルでナゲッツがラプターズを撃破
リーグのトップチーム相手に、ニコラ・ヨキッチのパスセンスが光った。
NBAでは現地3日、東西カンファレンス首位の頂上対決が行われ、デンバー・ナゲッツとトロント・ラプターズがスコシアバンク・アリーナで対戦。ナゲッツが106-103で接戦を制してウェスト1位の座を維持し、ラプターズの連勝を8で終わらせた。
この日の試合は、ラプターズが第4Q序盤の11点ビハインドから猛反撃を仕掛けて接戦に持ち込むも、勝負の決め手となったのは同点で迎えた残り時間7秒でのラプターズのミス。ナゲッツのタイムアウト明けのポゼッションで、ボールがインバウンドされる前にサージ・イバカがファウルを犯してしまい、ナゲッツにフリースロー1本とポゼッションが与えられる。
試合最後のポゼッションでアウェイ・フロム・プレイのファウルがコールされるのはかなり珍しい気もするが、イバカのプレイは間違いなくファウル。チャンスを手にしたナゲッツは、ヨキッチが3本のフリースローをしっかりと沈めて、勝負を決めた。
連勝を6に伸ばしたナゲッツは、ヨキッチが23得点、15アシスト、11リバウンドでキャリア18回目のトリプルダブルを達成。センターポジションの選手が15アシストを記録したというのは信じがたいことだが、ヨキッチにとってはこれですでに3回目だ(キャリアハイは17アシスト)。ヨキッチの他に15アシスト以上を複数回記録したことがあるセンターは、NBA史上でウィルト・チェンバレン(9回)しかいない。
この日もヨキッチはパスセンスの高さを存分に披露し、第2Qには芸術的としか言いようがないクロスコートパスを放ち、ジャマール・マレーのオーナースリーにつなげた。
このヨキッチのパスは、個人的に今季のベストアシストだと思う。最初にドライブを仕掛けた時点で、マレーのポジションとその後の動きを完璧に把握し、ターンアラウンドで切り返してトップにボールを戻すと見せかけてから、ノールック気味でコーナーへ絶妙なクロスコートパス。こんなアシストを出せるのは、ヨキッチの他にレブロン・ジェイムスくらいしか思いつかない。
歴代NBAでパスが抜群に上手いセンターと言えば、アキーム・オラジュワンやシャキール・オニールのように、ローポストでの得点力でダブルチームを引き付けてアシストを稼ぐというタイプが主だが、ヨキッチはコート上のあらゆる場所から、あらゆる種類のパスを放てる。これまでに見たことのないタイプのセンターだ。
敗れたラプターズは、カワイ・レナードがゲームハイの27得点をマーク。第4Q残り7秒には、全盛期のコービー・ブライアントを彷彿させるベースラインのフェイダウェイで試合を同点に持ち込むクラッチショットを決めた。
この日のレナードは、新契約を結んだばかりの「New Balance」のギアに身を包んでスタジアムに登場。靴はゲームシューズではなかったが、ジャケットがカッコいいと思う。とてもスパーズっぽい…。
ボックススコア:「NBA」