ナゲッツ、フィル・ジャクソンが唱えた「強豪チームの条件」をついに満たす
「20敗する前に40勝に届くのが強豪チーム」(40 before 20)、これはバスケットボール史を代表する名将フィル・ジャクソンの言葉だ。1976年にNBAに加入してから43年、デンバー・ナゲッツは初めてその条件を満たした。
ナゲッツは現地22日、アメリカン・エアラインズ・センターで行われたダラス・マーベリックス戦に114-104で勝利。今季成績を40勝18敗とした。
▼ハイライト
シーズン序盤から怪我に悩まされ続けたナゲッツだが、現時点で王者ウォリアーズから1.5ゲーム差のウェスト2位。他の上位チームとは違い、1試合25得点を平均する超強力なスコアラーはいないが、ニコラ・ヨキッチを中心としたアンセルフィッシュなチームバスケで高いオフェンス力を誇り、選手層もバックスに負けないほど厚い。今季はオフェンスでリーグ3位、ディフェンスでリーグ11位の数字を記録している(100ポゼッションあたりの得点/失点)。
今季ナゲッツは間違いなく強豪チームの一角だが、レギュラーシーズン以上にスターパワーが物を言うプレイオフでどれだけ通用するかは未知数だ。ナゲッツはロスターの平均年齢が最も若いチームの1つで、ポストシーズンを戦った経験がある選手も少ない。
昨季のトロント・ラプターズや4年前のアトランタ・ホークスのように、層の厚さでレギュラーシーズンを圧倒しながらも、プレイオフではスターパワー(レブロン)にねじ伏せられ、シリーズ惨敗を喫するパターンに陥る可能性も十分にある。ナゲッツにとって(ウォリアーズにとっても)、第1ラウンドで最も避けたい相手は、レブロン・ジェイムス率いるロサンゼルス・レイカーズだろう。
レギュラーシーズンとは違い、プレイオフでは相手チームへの対応策をじっくりと練れる上、審判の笛も固くなる。得意のセットプレイやモーションオフェンスが行き詰った際、個人技で1on1から点を取りに行けるスコアラーがいないというのは大きな不安要素だ。
▼ヨキッチ
今のナゲッツは、オールスターのヨキッチを含め、ロスターの半分以上がドラフト2巡目指名もしくはドラフト外の選手で、ロッタリー指名はジャマール・マレー、トレイ・ライルズ、マイケル・ポーターJr.の3選手のみ(しかも新人のポーターJr.はまだNBAデビューしていない)。エリートとは真逆のチーム構成で、何だか応援したくなる。
ナゲッツがプレイオフでどんな爪痕を残せるのか楽しみだ。
ボックススコア:「NBA」