ガソル兄弟がスペイン代表からの引退を宣言
ヨーロッパバスケ界の一つの時代が終わる。
8月3日、スペインは東京オリンピックの男子バスケットボール準々決勝でアメリカに敗北。試合後、10年以上にわたって代表チームを引っ張ってきたパウ・ガソルとマルク・ガソルの2人が、インターナショナルバスケットボールからの引退を表明した。
ガソル兄弟もそれぞれ試合後にTwitterで代表チーム引退を報告した。
▼マルク
「これでおしまい!」
▼パウ
「今日はいろいろな感情が入り混じった1日ですが、何よりも大きいのは深い感謝の気持ちです。心の底からありがとうと言いたい」
パウとマルクの“ガソル兄弟としての”インターナショナルキャリアは、日本で始まり日本で終わった。
2001年のユーロバスケットから代表入りしていた兄パウに対し、5歳年下のマルクは日本で開催された2006世界バスケ(FIBAワールドカップ)からチームスペインに参加。初めて兄弟一緒に出場した主要国際大会で、パウは21.2得点/9.4リバウンド、マルクは5.5得点/3.2リバウンドを平均。スペインを初の金メダルへと導いた。
同大会ではパウが準決勝で負傷して決勝戦を欠場するも、大会MVPに選出されている。
▼26歳のパウと21歳のマルク
その後もガソル兄弟は、オリンピックやワールドカップ、ユーロバスケなど数々のFIBA大会に出場し、大量のメダルを獲得。スペインバスケットボールの黄金時代を築き上げた。
以下、ガソル兄弟がオリンピック/FIBAワールドカップでそれぞれ獲得したメダル:
金メダル | 銀メダル | 銅メダル | |
---|---|---|---|
パウ | 2006年FIBA日本 | 2008年北京五輪 2012年ロンドン五輪 | 2016年リオ五輪 |
マルク | 2006年FIBA日本 2019年FIBA中国 | 2008年北京五輪 2012年ロンドン五輪 | なし |
ガソル兄弟の代表チーム引退報道を受け、かつてのライバルだった元アルゼンチン代表のマヌ・ジノビリはSNSで2人に祝福のメッセージを送った。
「おめでとう!パウとマルクは数えきれないほどの功績を残した。2人とも素晴らしい選手だ。彼らは一つの時代を築き、スペインを世界バスケのトップに押し上げた(僕は親善試合ですら彼らに勝てなかったよ)」
– マヌ・ジノビリ
▼パウ・ガソルのFIBAキャリアハイライト
▼マルク・ガソルのFIBAハイライト
スペイン代表チーム引退を決意したガソル兄弟だが、まだ2人ともプロ選手としてのキャリアを終えたわけではない。
ESPNによると、弟のマルクは来季も契約下にあるロサンゼルス・レイカーズに残留することを宣言。兄のパウの去就については今のところ不明だが、昨季ユーロリーグで所属したFCバルセロナに戻って現役を続ける可能性もある。
なおパウ・ガソルは、東京オリンピック中に開催されていたアスリート委員の選挙(参加選手が投票権を持つ)で、最多得票数(1888票)を獲得して当選。2028年のロサンゼルス五輪でIOC委員を務めることとなった。
ソース:「オリンピック公式」