ペリカンズがGMのデル・デンプスを解任
NBAがオールスター期間に入った現地15日、ニューオリンズ・ペリカンズがデル・デンプスGMを解任した。チームの発表によると、正式な後任が決まるまでは、特別アドバイザーのダニー・フェリーが暫定GMを務めることになるという。
現役選手時代にウォリアーズやスパーズでプレイした経験のあるデンプスは、2010年から8シーズン半に渡りペリカンズのGMを担当。その間にチームは311勝388敗で負け越している。デンプスの最大の功績は2012年にアンソニー・デイビスをドラフトで獲得したことだが、そこから優勝を狙えるロスターを作り上げることができず、最終的には10年に1人クラスのフランチャイズスターに愛想を尽かされる形となった。
デイビスは現地14日に行われたサンダーとのホームゲームで肩を負傷して退場。試合が終わるのを待つことなく、そのまま代理人のリッチ・ポールと共にアリーナを後にし、デンプスGMからはデイビスが早退したことについて何の説明もなかった。
ペリカンズのオーナー陣はこの一件でついに堪忍袋の緒が切れ、デンプスの解任を決断したようだが、デイビスがトレードを要求した時点で遅かれ早かれそうなっていたはずだ。現地メディアの報道によれば、デイビスが退団を決意した大きな理由の一つは、デンプスのGMとしての手腕を信頼できなくなったからだという。
▼ナーレンズ・ノエルとの接触プレイで負傷か
ドラフトからじっくりと若手コアを育成するのではなく、アセットを全放出してトレードで“ヤング・ベテラン”選手たちを集め、すぐに勝ちに行けるチームを作る。それがデイビス入団後のペリカンズの方針であり、デイビスがルーキーシーズンを終えたばかりの2013年オフからさっそく大きな動きを見せた(ドリュー・ホリデーとタイリーク・エバンスをトレードで獲得)。方向性としては間違っていなかったのかもしれないが、少し焦りすぎてしまった。
そして何よりも運がなかった。最初にデイビス/ホリデー/エバンスのコアを作った際は怪我に悩まされ続け、さらにデマーカス・カズンズとのツインタワーも、カズンズのアキレス腱断裂によりポテンシャルを発揮できないまま終了。しかもカズンズ獲得でトレード放出したバディ・ヒールドは、リーグ屈指の3ポイントシューターへと成長している。ヒールドはペリカンズにとってデイビス以降で唯一の1巡目指名選手であり、皮肉ながら今のペリカンズが最も必要としているタイプのウィングプレイヤーだ。
最近ではルカ・ドンチッチを獲得したダラス・マーベリックスが、かつてのペリカンズのようにドラフト指名権を放出しまくって即席のコンテンダーを作ろうとしているので、最悪の場合に同じ道を辿ってしまうのではと少し心配になる。
参考記事:「NBA」