リッキー・ルビオ、トレードで古巣ミネソタに復帰
現地11月18日、ミネソタ・ティンバーウルブズにとってビッグな出来事が2つあった。
1つは、同日に開催された2020NBAドラフトの全体1位指名で、ジョージア大学のアンソニー・エドワーズを指名。そしてもう1つは、元ウルブズ司令塔のリッキー・ルビオがチームに戻って来る。
ESPNによると、ドラフト開始間もなくにウルブズとオクラホマシティ・サンダーがトレードに合意。ウルブスは今年の17位指名権をOKCに送る見返りとして、リッキー・ルビオと2020ドラフト1巡目指名権2つ(25位と28位)を獲得した。
数日前に成立した別のトレードで、フェニックス・サンズからOKCへと移籍したばかりだったルビオ。
最初のトレードについては、事前に何も聞かされていなかったらしく、成立後にTwitterで「なんて商売だ 🙃」とさかさまの顔文字と共に困惑した気持ちをシェア。
さらにスペインのスポーツ紙『マルカ』のインタビューでも、「契約を交すということは、トレードも受け入れなければならない。でもやり方というものがある。フロントオフィスの責任者たちに理解してもらいたいのは、僕たちはプレイヤーであると同時に、人間でもあるということ」と苦言を呈していた。
The Athleticによると、ルビオは古巣ミネソタに復帰できることを喜んでいるという。
昨季のルビオは65試合で13.0得点、8.8アシスト(リーグ4位)、1.4スティールを平均。スリー成功率ではキャリアベストとなる36.1%を記録した。
同日のウルブズはルビオとエドワーズを獲得した他、OKCの25位指名権と自軍の33位指名権を使ってニューヨーク・ニックスから23位指名権を手に入れ、アルゼンチン出身のリアンドロ・ボルマロを指名。
さらに28位指名でワシントン大のジェイデン・マクダニエルズを獲得している。
止まらないOCK
クリス・ポールやデニス・シュルーダーの放出など数日前から超アクティブだったサンダーは、ドラフト当日も大忙しだった。
まずルビオのトレードでウルブズから手に入れた今年の17位指名権を使って、セルビア出身のアレクセイ・ポクセフスキーを指名。ポクセフスキーはボールハンドリングやパス、ジャンプショットなど器用にこなせる万能タイプの7フッターで、現地メディアによれば、サンダーが以前から目を付けていた選手だという。
なおウルブズとのトレードでは、サラリー要員の選手がサンダーに送られてくるが、それが誰になるのか今のところ伝えられていない。ルビオのサラリーを考えると、恐らくジェイムズ・ジョンソンになると思われる。
同日のサンダーは、他にも大きな動きを見せた。
ESPNによると、サンダーはフィラデルフィア・76ersとのトレードに合意し、アル・ホーフォードと2025年ドラフト1巡目指名権(軽めの保護付き)、2020年ドラフト2巡目指名権(34位)を獲得。その見返りとして、76ersにダニー・グリーンとテレンス・ファーガソンを放出した。
これでOKCが保有するドラフト1巡目指名権は、今年のを含めて今後7年間で16個:
- 2020:17位指名権(アレクセイ・ポクセフスキー)
- 2021:自軍(ロケッツとのトップ5保護スワップ権)、ヒート(保護なし)
- 2022:自軍(ロッタリー保護付き)、クリッパーズ(保護なし)、サンズ(トップ12保護)
- 2023:自軍(LACとのスワップ権)、ヒート(ロッタリー保護付き)
- 2024:自軍、クリッパーズ(保護なし)、ロケッツ(トップ5保護付き)
- 2025:自軍(LACとのスワップ権)、76ers(軽い保護付き)
- 2026:自軍、クリッパーズ(保護なし)、ロケッツ(トップ5保護付き)
これだけのアセットをどのようにさばくのか、サム・プレスティGMの手腕に注目したい。
また今回のトレードは、76ersにとってもWinだったと思う。
ドラフト1巡目指名権は大きな出費だが、動かすのが極めて困難とされていたホーフォードの高額契約(残り3年/8100万ドル)と決別し、同時に優勝経験豊富な大ベテランのダニー・グリーンを獲得した。
ホーフォードは超万能なビッグマンだが、ジョエル・エンビードとベン・シモンズをコアにする76ersのラインアップとは、あまり相性が良いとは言えなかった印象。ホーフォードがいなくなることで、トバイアス・ハリスも本来のポジション(4番)にフルタイムで戻れる。
新加入するダニー・グリーンは調子の波が激しく、不発な時はとことん不発だが、これまでに積み上げてきた実績が大きいので、相手チームのディフェンダーは常にグリーンのスリーを警戒する。例えシュートが入らない日でも、フロアにいるだけでスペーシングを改善できる選手だ。
参考記事:「ESPN」