ロケッツのケビン・ポーターJr.がキャリアハイ50得点ダブルダブル
Gリーグでの修業期間を経て、3月からヒューストン・ロケッツの先発バックコートに昇格したケビン・ポーターJr.。現地29日に行われたミルウォーキー・バックス戦では、自己最多を大幅に更新する50得点、11アシストをマークし、チームを勝利に導いた。
この日のポーターJr.は、イースト上位チームのバックス相手に、41分の出場で9本のスリーを含む26本中16本のフィールドゴールに成功。第4Q残り20秒でのフリースローで、50得点に到達した。
ポーターJr.はまだ20歳(5月4日で21歳の誕生日)。ブランドン・ジェニングス(20歳52日)、レブロン・ジェームズ(20歳80日)、デビン・ブッカー(20歳145日)に次ぐNBA史上4番目の若さでの50点ゲーム達成となる。
また20歳の選手が10アシスト以上での50得点ダブルダブルをマークしたのは、今回が史上初だ(これまでの最年少記録はレブロンの23歳)。
「3本目のスリーを決めた時に、特別な夜になると確信したよ。そこからは自分次第だった。積極的に攻め続けるか、それとも消極的になってしまうか。僕はアグレッシブに攻め続けることを選び、チームメイトたちも後押ししてくれた。それが勝利につながった」
– ケビン・ポーターJr.
2019年ドラフトで全体30位指名を受けたポーターJr.は、その年のオフに2度のトレードを経て、クリーブランド・キャバリアーズからNBAデビュー。1年目の2019-20シーズンは10.0得点、2.2アシストを平均した。
2年目の今季は、オフシーズンでの不祥事によりチームから謹慎処分を受け、シーズン前半を欠場。さらにロッカールームでも問題行動(チームスタッフと揉めた)を起こしたと報道され、ドラフト2巡目指名権と交換という形で1月22日にロケッツへとトレード放出された。
高いポテンシャルを見せながらも、たった1年でキャブスに見限られたポーターJr.。ロケッツ移籍後も、つい最近にNBAが定めるコロナウイルスの安全衛生ポリシーに違反(クラブで夜遊び)して罰金処分を受けるなど、さっそく問題行動を起こしてしまっているが、その一方でオンコートでは予想以上の好パフォーマンスを維持している。
今季のポーターJr.は、23試合で16.7得点、6.7アシストを平均。まだまだ調子の波が激しい部分があるとはいえ、今回の50得点ダブルダブル(しかもドリュー・ホリデー相手に!)からも分かるように、将来的にオールスターへと進化する可能性を秘めているのも確か。
フランチャイズスターのジェイムス・ハーデンを失ったばかりのロケッツが、タダ同然のアセット(トップ55位保護付きドラフト2巡目指名権)と交換でポーターJr.のような有望な若手を獲得できたのは本当にラッキーだ。しかも、プレイメイクができる左利きのSGで、ストリップクラブに出かけて罰金処分を受けるとか、まさにハーデンの後継者に相応しい。
もし今年のドラフトで大当たりを引き当て、さらにポーターJr.とクリスチャン・ウッドらの若手コアが順調に成長すれば、ロケッツは予想よりも早く再建期を抜け出せるかもしれない。
ボックススコア:「NBA」