スパーズ大勝利の夏: オルドリッジ獲得、ポポビッチHCも2019年まで在職を希望か
現地4日、オールスターフォワードのラマーカス・オルドリッジが、サンアントニオ・スパーズに移籍する決断を下した。
Yahoo Sportsの報道によると、スパーズのオファーは4年/8000万ドルのMAX契約となる模様。オルドリッジは、移籍のニュースを自身のTwitterでも発表した。
https://twitter.com/aldridge_12/status/617366531958116352
「故郷のテキサス州に帰ること、そしてスパーズになることができて幸せだ。チームに参加し、家族や友達の側にいられるのはすごく嬉しい」
– ラマーカス・オルドリッジ
来季からチームメイトとなるトニー・パーカーも、LMAに歓迎のメッセージを投稿:
「オルドリッジを歓迎したい!彼がスパーズになるのはすごく嬉しいよ!!」
– トニー・パーカー
昨季のオルドリッジは、1月末に左手親指の靭帯を負傷しながらも71試合に出場し、チームハイの23.4得点、10.2リバウンドを記録。2014-15レギュラーシーズンで、20得点/10リバウンド以上を平均した3選手の1人だ(他はデマーカス・カズンズとアンソニー・デイビスのみ)。
さらに昨季はスリーポイントシュートの成功数/成功率も大幅に向上し、ストレッチフォーとしての成長ぶりを見せつけた。
▼オルドリッジ、2014-15シーズンハイライト
オルドリッジの移籍発表の直後、ラスベガスのブックメーカーは、来季のチャンピョンシップオッズで、さっそくスパーズをウォリアーズより上の2番人気に引き上げた。
スパーズは強くなる。しかもレナード、グリーン、オルドリッジのコアを固めたことで、来季優勝のチャンスだけでなく、ティム・ダンカン引退後もエリートチームであり続けられる将来も手に入れた。
ティアゴ・スプリッターを失ったのは惜しいが、オルドリッジにはディフェンス面でスプリッターの穴を9割ほど埋められるだけのサイズとスピードがある。
オフェンス面では、ポストアップやオフボールのカット、パスなど、何でもこなせるオールラウンドプレーヤー。必要があれば、センターポジションに入ることだってできる。最大の武器は、主に左サイドから放たれる美しいミドルレンジのジャンプショットだ。
▼2014-15シーズンのヒートマップ
NBAのデータによると、昨シーズンのオルドリッジはリーグで唯一300本以上のミドルレンジショットを成功させたプレーヤー。このシュートレンジの広さと、ダブルチームを引きつける能力から生まれるフロアスペーシングは、スパーズのオフェンスにとって大きなプラスになるはずだ。ダンカンもインサイドでより仕事がしやすくなる。
ごく僅かながら、不安要素もある。ブレイザーズ時代のオルドリッジはボールの保持時間が長いタイプの選手だったので、パス回しを重視する近年のスパーズと合わないと言えば合わない。
ただオルドリッジはバスケットボールIQが高く、ボールを持たなくてもスクリーンやカットなどでちゃんと貢献できるプレーヤーなので、難なくチームのシステムに順応できるだろう。
他にも、2選手のMAX契約でサラリーキャップを埋めたことで、ベンチの層がこれまでよりも薄くなってしまうという問題もある。すでに現時点で、スプリッター、マルコ・ベリネリ、アーロン・ベインズ、コーリー・ジョセフの4選手がチームを離れてしまった。スパーズ成功の大きな理由の一つだった「ロスターのコンティニュイティー(継続性)」が来季は幾分か失われることになる。
※「ロスター・コンティニュイティー」は、1シーズン前のロスターにいた選手たちがレギュラーシーズン中に記録した合計出場時間の割合。スパーズはこの数値が群を抜いて高く、過去5年で87.4%を平均している。毎シーズンとも可能な限り同じメンバーを揃えて、チームワークやケミストリー構築を最優先し、それが成功につながった。長年共にプレーして、お互いの特性や癖を深く理解し合うというのは、非常に強力な武器になる。最近のリーグでは、このコンティニュイティーが重要視され始めている。
確かに失うものもあるとはいえ、オルドリッジの加入は恐ろしいほどのアップグレードだ。パーカー、グリーン、レナード、オルドリッジ、ダンカンのラインアップは、考えただけで鳥肌が立つ。
▼この2人が同じチームでプレーするとか…
オルドリッジからブレイザーズファンへ
オルドリッジは移籍発表後、ポートランドの地元紙『The Oregonian』を通して、ブレイザーズファンたちに感謝とお別れのメッセージを送った。
親愛なるリップ・シティー、ありがとう!
この二言だけで、ブレイザーズやチームメイト、メディア、そして君たちファンが僕に与えてくれたチャンスに対する感謝の気持ちを表現することは到底できない。本当に恵まれた9年間だった。そしてすべての大切な思い出と一緒に、僕は生まれ故郷に帰る。
僕の決断はとても個人的なものだけど、軽い気持ちで決めたわけじゃない。みんなそのことをリスペクトしてくれるはずだ。次にポートランドに戻ってくるときは、違うユニフォームを着ることになる。でもブレイザーズのユニフォームで過ごした時間は、いつまでも心から大切にしていく。
ラマーカス・オルドリッジより
ポポビッチHC、引退はまだまだ先?
スパーズファンにとっては、もう1つ嬉しい知らせが。ESPNがリーグ情報筋から得たという情報によると、グレッグ・ポポビッチHCが現在の契約が終了するまでヘッドコーチを続けていく意向を示しているという。
ポポビッチHCは昨季のオフにスパーズと5年契約を交わしたばかりで、契約期間は2018-19シーズンまで続く。少し前には、ダンカンと一緒に引退する可能性なども報じられていたが、オルドリッジが加入したことで、チームの世代交代を最後まで指揮しようという想いが一層と強くなったのかもしれない。
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