サンアントニオ・スパーズが今季ポストシーズン初勝利!!
マヌ・ジノビリの大切さを改めて思い知らされるような試合だった。
サンアントニオ・スパーズは現地22日、負けたらシーズン終了となるホームでのファーストラウンド第4戦で、ゴールデンステイト・ウォリアーズを103-90で撃破。ついにウォリアーズに一矢報いてシリーズを1勝3敗とし、2年連続でのスウィープ敗退を回避した。
この日のスパーズは、妻の喪に服しているグレッグ・ポポビッチHCに代わり、第3戦に続いてアシスタントコーチのエットーレ・メッシーナがチームを指揮。メッシーナはジノビリのユーロリーグ時代のコーチでもあり、2人は2001年にヴィルトゥス・ボローニャ(イタリア)のメンバーとしてユーロリーグ優勝を果たしている。
スパーズは序盤からウォリアーズにターンオーバーを連発させる好守備で先手を取ると、オフェンスではミスを最小限に抑えながら高確率でスリーを沈め、前半終了時で14点のリードを奪う。シリーズを通して3Pラインで完全放置されていたデジャンテ・マレーも積極的にロングレンジを放ち、前半だけで3本を成功させた。
▼パーカーも前半からアグレッシブにアタック
後半に入ると、ウォリアーズがいつものようにギアを上げて反撃を開始。ケビン・デュラントが第3Qにピリオド13得点で大暴れし、第4Q開始までにスパーズのリードを6点に縮める。
スパーズは第4Q中盤でついに2点差にまで詰め寄られ、ファンたちの間で今季に幾度となく味わった終盤メルトダウンの苦い記憶がフラッシュバックする中、勝負所で最年長のマヌ・ジノビリがステップアップ。ジノビリは試合ラスト6分間で2本のスリーを含む10得点をスコアすると、ラマーカス・オルドリッジも奇跡的なタフショットを2本沈め、残り1分20秒で再びリードを二桁に戻して、今季ポストシーズンの初勝利を決めた。
▼Ginobili!!!!!!!
▼オルドリッジもミラクルショット
スパーズは、オルドリッジがチームハイ22得点、ジノビリが16得点/5アシストでチームを牽引した他、ルディ・ゲイが14得点、マレーが12得点をマーク。トニー・パーカーも第3戦に引き続きドリブルで積極的にリムを攻め、16分の出場で9得点をあげている。この日は外のシュートが面白いように決まり(スリー28本中15本)、シリーズで初めて3P成功数でウォリアーズを上回った。
また序盤と終盤で素晴らしいディフェンスを見せ、試合開始5分で4スティールを獲得し、第4Qラスト5分間ではウォリアーズの得点をわずか4点に制限。合計で24オフェンスリバウンドを許してしまい、デュラントにも好き放題やられたが、他のウォリアーズ選手の活躍を最小限に抑え、特にクレイ・トンプソンに対しては上手くローテーションしてサイズでのミスマッチを極力なくすことができた。パティ・ミルズにドレイモンド・グリーンやケヴォン・ルーニーをガードさせる戦略も効果的だったと思う。
▼序盤はボールプレッシャーとパスレーン潰しが良かった
なおジノビリとパーカーは、この日の白星により、NBAプレイオフ史上で最多勝利数を獲得したデュオとなった。
▼プレイオフ最多勝利数コンビ
プレイヤー | Win | |
1 | ジノビリ&パーカー | 132 |
2 | ダンカン&パーカー | 131 |
3 | ダンカン&ジノビリ | 126 |
4 | コービー&シャック | 123 |
5 | ジョーダン&ピッペン | 117 |
スパーズはまだまだ“ジノビリ離れ”できない状態だ。来季も現役続行してほしいと願うばかりだが、この日の試合が最後のホームゲームになる可能性も十分にある。
一方で敗れたウォリアーズは、デュラントが34得点/13リバウンド、ドレイモンド・グリーンが9得点/9アシスト/18リバウンドで活躍。試合序盤はケアレスミスが多く、終盤はウォリアーズとは思えないほどピック&ロールやアイソレーションを多用していた。
シリーズ第5戦は、現地24日にオラクルアリーナで行われる。
ボックススコア:「NBA」