トニー・パーカー: 「試合時間短縮よりもプレシーズンを半分に」
NBAが現地19日のボストン・セルティックス対ブルックリン・ネッツ戦で、ゲーム時間を44分に短縮した試験試合を実施した。
ティップオフから試合終了のブザーまでに要した時間は1時間58分。通常の48分ゲームよりも15~30分ほど短い。しかし試合に出場したネッツのジョー・ジョンソンは、「まったく違いを感じなかった。出場時間が変わらないのなら、特に意味はない」との感想を述べた。
試合時間短縮については、選手たちから否定的な意見がいくつか上がっている。レブロン・ジェイムスやダーク・ノビツキーらは「時間ではなく試合数を減らすべきだ」と主張した。
そんな中、サンアントニオ・スパーズのトニー・パーカーは、試合時間も試合数もそのままで、プレシーズンのスケジュールを短縮してレギュラーシーズンに使うべきだと提案する。
「どのみちスターターにはたくさんの出場時間が与えられるのだから、何も変わらないよ。それなら、プレシーズンを8試合から4試合に削り、余った2週間をレギュラーシーズンに充てればいい。この方が良いアイデアだと思う。だってトレーニングキャンプが始まるころには、すでにみんなちゃんと体の準備ができているだろ」
「だからプレシーズンを4試合にして、レギュラーシーズンの期間を伸ばせば良い。オールスターウィークの1週間オフはそのままキープで。そうすれば僕たちはちょっとした休暇を取ることができる。このアイデアが解決策だと思うな。だけど44分はノーだ。それでは何も変わらないよ。コーチにとっては少し違うだろうけど。控えの選手たちも出場時間が減るだろうし」
確かに、試合数を削減するよりも、シーズンスケジュールを伸ばす方が現実的なアイデアではある。リーグの収入にもそれほど影響がでない上に、きついバック・トゥ・バックを少なくすることで、選手たちの負担が少しは軽くなるかもしれない。
パーカーは、このアイデアをNBA選手会会長のクリス・ポールに掛け合ってみるつもりだとしている。
「去年のオールスターでこの件について話したんだ。オールスターの出場選手たちで休暇についてリーグに相談したら、3,4日の休みを入れてくれた。素晴らしいことだ。でもその一方で、バック・トゥ・バックの試合が増えた。だからプレシーズンを短くするべきだと思うんだよ。どうせトレーニングキャンプの時点でみんなの体は仕上がっているんだしね」
ただ、プレシーズン短縮に関しては問題点がある。すべてのNBAチームが“サンアントニオ・スパーズ”ではないのだ。
プレシーズンを減らしても、スパーズのようにシステムが完成されたチームには影響がないかもしれない。だが多くのチーム、特にオフシーズンで大きな動きがあった球団にとっては、ローテーションを調整したり、新たな戦術を試したりする大事なトライアル期間だ。
海外やDリーグからロスター入りを目指す選手たちにとっても、プレシーズンは人生の正念場である。
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参考記事:「Spurs Nation」