ユタ・ジャズが長年続いた「ノー・ヘッドバンド」の伝統を廃止へ
ユタ・ジャズでは、2019-20シーズンからついにヘッドバンドが解禁となる模様だ。
ジャズには昔から「ヘッドバンドを試合で着用しない」という暗黙のルールがあった。フランク・レイデンがチームを指揮していた1980年代に始まったとされており、それをジェリー・スローンが引き継いで一種の伝統となった。
レイデンとスローンの両コーチがヘッドバンドを嫌っていたわけではない。「ノー・ヘッドバンド」のポリシーは、ヘッドバンドを禁止すること自体が目的というよりも、チーム全員にお揃いの格好をさせて連帯感を強めるためだったとのこと。00年代後半にジャズで4年間プレイしたロニー・ブリュワーによると、スローンHCは「全員がヘッドバンドを付けるならOK」というスタンスだったらしい。
あくまで“暗黙のルール”だったとは言え、30年以上ずっと守られてきた伝統だけに、今オフシーズンにマイク・コンリーの移籍が決まった際は、来季以降のヘッドバンド着用についても少し話題になった。
コンリーは長年のヘッドバンド愛用者だ。ただ7月に行われた移籍後初の記者会見でヘッドバンドについて問われると、「まだ許可をもらっていない。(コーチに)聞くのがちょっと怖いね。もう少し様子を見るつもりだ。もし無理だったとしも問題ないよ」と半分諦めたようなコメントを残していた。
▼コンリーの2018-19ハイライト
それから2カ月、コンリーにとって嬉しい報せが球団から飛び出す。ジャズのクイン・スナイダーHCがソルトレイク・シティの日刊紙『Deseret News』の取材で、「マイクはヘッドバンドを着用すべき」と明言したのだ。
「我々が分析したところ、コンリーのシュート成功率がヘッドバンド着用時に高くなることを発見した。だから私はこちらから彼にヘッドバンドの着用を勧めたよ。ジョー・イングスルもヘッドバンドを付けるとシュートが良くなると言っていた。だからもしジョーもヘッドバンドを着用したいと言えばもちろん許可するし、その場合は私もヘッドバンドを付けるかもしれない」
スナイダーHCの発言は、長年続いた伝統の終わりを意味する。
「マイクと我々のフォーカスは、アンセルフィッシュになりしっかりとディフェンスすること。誰がヘッドバンドを着用しようが、5種類あるユニフォームのどれを着ようが、ドノバン(ミッチェル)が1人だけタイツを履こうが、我々のフォーカスは変わらない。チームにとって大切なのはそこだ」
– クイン・スナイダーHC
なおジョー・イングスルは、昨季に一度だけ頭部を怪我した際にヘッドバンド(包帯)を巻いてフロアに立ったことがある。
https://twitter.com/BleacherReport/status/1062185707387609090
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参考記事:「Desert News」