ゴールデンステイト・ウォリアーズが5年連続でウェストファイナル進出
チームの得点リーダーが不在の中、スプラッシュブラザーズをはじめとした初優勝時のコアメンバーたちがステップアップ。試合後スティーブ・カーHCは、「最も満足のいく勝利の一つだった」と逆境を乗り越えた選手たちを称えた。
ゴールデンステイト・ウォリアーズが現地10日、トヨタセンターで行われたヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第6戦に118-113で勝利。敵地でシリーズをクローズし、2015年から5年連続となるウェスト決勝への進出を決めた。
カリーがMVPモードに
試合を通して1~3ゴール差を争う激闘となった第6戦では、ステフィン・カリーが33得点をマークしてウォリアーズを勝利に牽引する。
序盤からファウルトラブルに陥り、前半は無得点に終わったカリーだったが、第3Qにリズムを掴むと、第4Qに入ってから一気に爆発。同点で迎えた残り4分からスリーやレイアップを連続で決めると、さらに終盤のファウルゲームでもノーミスで8本のフリースローに成功。カリーは後半だけで33得点をあげた。
プレイオフキャリア最悪のパフォーマンスで戦犯確定かと思いきや、勝負所で覚醒して完全に無双状態。いきなり0から100に切り替わるような爆発力はカリーの最大の魅力の一つだろう。
ウォリアーズはカリーの他、クレイ・トンプソンが7本のスリー成功から27得点で活躍。トンプソンは前半だけで21得点をあげて、カリーがファウルトラブルでベンチに下がっていた時間帯のチームを支えた。
他には、アンドレ・イグダーラが再び高確率でオープンスリーを沈めて17得点、ケボン・ルーニーが14得点を獲得。さらにショーン・リビングストンが1月16日以来4カ月ぶりとなる二桁得点をマークし(11得点)、ドレイモンド・グリーンはプレイメイクや守備で大貢献して8得点、10リバウンド、7アシストとオールラウンドなスタッツを残している。
Strength in Numbersスタイル
カリーを先頭に、各選手がそれぞれの役割をほぼ完璧にこなした第6戦のウォーリアーズ。『Strength in Numbers』をスローガンに掲げていた3年前のチームを彷彿させるようなパフォーマンスで、特に終盤はカリーとグリーンのコンビプレイが破壊力抜群だった。
この日のウォリアーズは、第4Qだけでカリーとグリーンのピック&ロールを合計10回展開。そのうちの8ポゼッションで得点をあげた(19得点)。
阿吽の呼吸で見せるウォリアーズのピック&ロールに対して、ロケッツは完全にお手上げ状態だった。まず第4Q序盤は、グリーンが絶妙なタイミングでのスリップでロケッツ守備を混乱させ、その隙にカリーがレイアップでスコア。
次にロケッツがオンボールのカリーをトラップしようとすれば、カリーは瞬時にショートロール中のグリーンにパスを放ち、そこからグリーンが4対3の状況でプレイメイク力を発揮する。
終盤になってロケッツはようやくスモールラインアップのスイッチでウォリアーズのP&Rに対応しようとするが、するとカリーはPJ・タッカー相手に1on1から2ポゼッション連続でフィールドゴールに成功。
そして極めつけがこれ。残り1分を切ったところで3点ビハインドだったロケッツは再びトラップDでカリーを止めようとするが、ウォリアーズは完璧なカウンターで応戦。4on3の状況からボールを回し、決勝弾となるトンプソンのスリーに繋げた。
これらのエクスキューションは、いずれもデュラント加入前のウォリアーズが十八番としていたクラッチタイムのプレイだ。
敗れたロケッツは、ジェイムス・ハーデンがゲームハイの35得点をマーク。他には、クリス・ポールが27得点/11リバウンド/6アシストと今季ポストシーズン自己ベストなパフォーマンスで奮闘した。あえて敗因を挙げるとすれば、カリーがファウルトラブルでベンチにいた前半に主導権を握れなかったことだろう。
参考記事:「NBA」