コービー怪我でもペイサーズ戦に出場、ジョージ・ヒル「ホームなのにアウェイ気分だった…」
コービー怪我でもプレイ。レイカーズ勝利。ペイサーズ「あれ?ここ、うちのホームだよね?」
やはり出てきたかというべきか。レイカーズのコービー・ブライアントが、左足首を負傷しているにもかかわらず、15日の対ペイサーズ戦に出場。第1Qをプレイしただけで、チームに貢献するような活躍はなかったが、それでも会場を訪れた観客を喜ばせた。
コービーがさがった後も、レイカーズは強豪ペーサーズ相手に大健闘。試合は接戦のまま、87対87の同点で残り1分30秒を迎える。均衡を破ったのは、レイカーズのドワイト・ハワード。ナッシュからのアシストをインサイドで受け、ワンスロー付きのレイアップをねじ込んだ。
このプレーで勢いづいたレイカーズは、そこから10-3のランで試合をクローズ。エース不在で厳しい試合が予想されたレイカーズだが、99対93でペイサーズを下し、アウェイでうれしい勝利を手にした。
1 | 2 | 3 | 4 | Total | |
レイカーズ | 16 | 30 | 22 | 31 | 99 |
ペイサーズ | 19 | 22 | 28 | 24 | 93 |
怪我を押し切り出場したコービー。12分の短い出場時間でも、ファンは満足した様子。試合終了後、スタジアムに訪れたファンとコービーとの間で、Twitterを通してこんなやりとりがあった:
@timcary thank you. That means a lot I couldn’t imagine going to see mj as a kid and him not playing eventhou he could have #countonfans
— Kobe Bryantさん (@kobebryant) 2013年3月16日
Tim:「今夜はプレイしようとしてくれてありがとう。まさか出るとは思っていなかったので、あなたの努力はうごくうれしいです」
Kobe:「Timありがとう。本当にうれしいよ。子供の頃にジョーダンの試合を観に行って、プレイできるのにプレイしてくれなかったなんて想像できないだろ」
自分をジョーダンと重ね合わせるあたりがいかにもコービーらしい。敵地のファンにも「みたい」と思わせる、それがコービーの人気だ。しかしこれはペーサーズの悩みのタネでもある。
ペイサーズの苦悩:「強くなったのに…」
近年のペーサーズは本当に強くなった。屈強なインサイドに能力の高いガード陣、相手チームのスコアを平均90点以下に抑えるNBA屈指のディフェンス力。レジー・ミラーが引退してからの10年で、今のロースターがベストなのは間違いない。イースタンカンファレンス2位という実績がそれを証明している。
にもかかわらず、ペイサーズの観客動員数は、なんとNBA全体で下から2番目。トップチームのひとつに数えられるほど強くなったのに、レジー・ミラーがいた頃のような熱狂的なファンサポートは少しも感じられない。特に15日の対レイカーズ戦では、この“ファン離れ”の現実が浮き彫りになっていたという。
コービー不在でホーム試合という有利な条件だったにもかかわらず、ぎりぎりで競り負けてしまいフラストレーションがたまっていたのか…。ガードのジョージ・ヒルは試合後に、「アウェイのようだった」と語り、ペイサーズファンのサポート不足に対する不満を漏らした:
※)以下は「Indianapolis Star」に掲載されたヒルのインタビューの抄訳:
ジョージ・ヒル:
「最低だよ。7割がレイカーズファンで、3割がペイサーズファンだった。僕らはちゃんと仕事をこなしてるつもりだし、コートの外でもやるべきことはやってる。何かをかえなくちゃいけないな。僕はこのチームに敬意を表しているんだ。僕らは何も問題を起こしていないし、地域とも触れ合っている。そして僕らは試合に勝ってるんだ。アウェイゲームのような気持になるなんておかしい。特に今日みたいな大事な試合で。とにかく今夜はそう感じたんだ。
ファンはシックスメンのような存在で、僕らは彼らのエネルギーを糧にするんだ。今日はエネルギーがなかった。僕らがターンオーバーすると歓声が聞こえる。シュートを外すと歓声が聞こえる。これには気が滅入ってしまう。だってホームなんだから。こんな風になるべきじゃない。
ペイサーズはイーストの下位チームじゃない。上位3チームのうちのひとつで、セントラル地区では首位。これは形になって表れるべきことだ。でも今はそれが表れていないし、今シーズン中はずっとそうだった。もうこれ以上球団として、プレイヤーとしてやれることは何もないと思う。後はコミュニティー次第だ」
これは悲痛な叫びだ。ペイサーズほどの有力チームにファンが集まらない理由はなんだろう。
不景気で試合を観戦する余裕がないから?それはどのチームでも同じこと。むしろペイサーズのチケットは、ヒートやニックスなど他の有力チームに比べかなり割安で入手できる。「Yahoo.com」のNBAブロガーKelly Dwyerによると、チケット代や駐車場代、スナック、飲み物代などもろもろ含め、家族4人で110ドル以内(約1万円)に収まったそうだ。ちなみに、以下の画像の席だとチケット代はたったの4ドル。
この安さにもかかわらず、スタジアムは半分埋まらない日が多いという。なぜだろう?やはり“スーパースター”がいないから?レジー・ミラー時代の熱狂的なインディアナファンたちはどこに消えてしまったのか…。
Thumbnail:「youtube.com/watch?v=lPr1FaH9NYA」