【FIBA2019】セルビアがアメリカに94-89で勝利、アメリカは7位以下確定
5~8位決定戦という予想外の形になったものの、大会前から多くのバスケットボールファンが望んでいたアメリカvsセルビアのマッチアップがついに実現。セルビア代表が94-89でアメリカ代表を破り、前回大会決勝でのリベンジを果たした。
12日に行われたセルビアとアメリカの試合は、セルビアが第1Qを32-7で圧倒して、そのまま最後までリードを維持。アメリカは第2Qを33-12で上回って猛反撃し何とか接戦に持ち込むも、第3Q終盤から第4Q序盤の間にスコアリングが失速して再び二桁点差を付けられ、主導権を奪うことができなかった。
▼ハイライト
セルビアは、サクラメント・キングスのボグダン・ボグダノビッチがゲーム最多の28得点、6アシストで大活躍。次のFIBA2019最終試合では、5位の座をかけてチェコ代表と戦う。
一方のアメリカは、ハリソン・バーンズが22得点、ケンバ・ウォーカーが18得点、クリス・ミドルトンが16得点とベテラン勢が奮闘。次はポーランドとの7位決定戦に臨む。
チームUSAのこれから
アメリカ代表にとって、ワールドカップで最終順位7位以下というのはチーム史上で最低の成績となる。
10年間にわたり絶対王者として君臨してきたチームUSAがこれほど弱体化した理由は、もともとキャンプに招待されていたアンソニー・デイビスやジェイムス・ハーデン、デイミアン・リラードらNBAを代表するスーパースターたちが揃って参加を辞退したためだ。
ただ今大会のロスターは全盛期のベテランスターだけでなく、若手層も少し物足りなかった。ワールドカップ前回大会の2014年、さらに前々回大会の2010年に比べると、25歳以下の若手選手のタレントレベルに大きな差があったように感じる。
- 2010年:ステフィン・カリー(22歳)、ケビン・デュラント(21歳)、ラッセル・ウェストブルック(21歳)、デリック・ローズ(21歳)、ケビン・ラブ(22歳)
- 2014年:ジェイムス・ハーデン(25歳)、アンソニー・デイビス(21歳)、カイリー・アービング(22歳)、クレイ・トンプソン(24歳)、デマーカス・カズンズ(24歳)
- 2019年:ドノバン・ミッチェル(23歳)、ジェイソン・テイタム(21歳)、ジェイレン・ブラウン(22歳)、マイルズ・ターナー(23歳)、デリック・ホワイト(25歳)、マーカス・スマート(25歳)
今年の雪辱を果たすため、チームUSAはベストメンバーかそれに近いスター軍団で来年の東京五輪に臨むだろう。そうなれば王座奪還は固いはずだ。
ただ問題はその先。2023年のW杯、さらに2024年のオリンピックでもこれまでのように覇権を維持できるかどうか。今のNBAの若手選手(25歳以下)を見ると、アメリカ組よりもインターナショナル組に勢いがある印象だ。
▼25歳以下のNBA若手スター
- インターナショナル:ヤニス・アデトクンボ、カール・アンソニー・タウンズ、ニコラ・ヨキッチ、ジョエル・エンビード、ベン・シモンズ、ルカ・ドンチッチ、クリスタプス・ポルジンギス、パスカル・シアカム
- アメリカ:デビン・ブッカー、ザイオン・ウィリアムソン、ドノバン・ミッチェル、ジェイソン・テイタム、ディアロン・フォックス、トレイ・ヤング
2018-19シーズンのNBAでは、MVP(ヤニス・アデトクンボ)、DPOY(ルディ・ゴベア)、新人王(ルカ・ドンチッチ)、MIP(パスカル・シアカム)の主要アワード4つを海外選手が受賞。そのうちオールNBAチームの半分がインターナショナル勢で埋まるような時代が来るかもしれない。
ボックススコア:「FIBA」