【ファイナル第5戦】カリーの37得点でウォリアーズが勝利、NBA制覇に王手
シリーズ2勝2敗のタイで迎えた現地14日のNBAファイナル第5戦は、ゴールデンステイト・ウォリアーズが第4Qの正念場でクリーブランド・キャバリアーズを圧倒し、104対91で勝利。40年ぶりとなるNBA制覇に王手をかけた。
ウォリアーズは第4戦と同様、アンドレ・イグダーラを先発起用するスモールラインアップで試合を開始。相手のターンオーバーやミスショットからファーストブレイクで連続得点を挙げる好スタートをみせた。主導権を奪われそうになったキャブスは、さっそくティモフェイ・モズコフをベンチに下げてラインアップを修正し、スモールボールでウォリアーズに真っ向勝負を仕掛ける。
J.R・スミスの連続スリーでチームに勢いが付くと、レブロン・ジェイムスがアクセル全開でゲームを支配しはじめ、前半だけで20得点、8アシスト、8リバウンドの圧倒的なパフォーマンスを披露。第4戦で絶不調だったスミスも、ハーフタイムまでに4本のスリーを沈めるクイックスタートで、14得点を獲得した。
一方のウォリアーズも、イグダーラやドレイモンド・グリーンらが奮闘して応戦。第2Q中盤で一時キャブスに7点差を奪われるも、ステファン・カリーやリアンドロ・バルボサが高確率でフィールドゴールを決めてすぐに追いつき、52-51の1点リードで試合を折り返した。
▼J.R.スミス前半
後半に入ると、両チームともオフェンスがやや停滞。キャブスは引き続きモズコフをベンチに置いたまま第3Qをスタートするも、レブロンとスミスが前半の好リズムを失ってフィールドゴール獲得に苦戦し、12分間で17点に抑えられてしまう。
同じく後半の出だしはいまひとつだったウォリアーズだが、第3Q終盤から徐々にシュートが決まるようになり、リードを6点差に広げてクォーターを終えた。
エース対決
キャブスの6点ビハインドで迎えた第4Qは、開始早々から再びレブロンに火がつく。第3Qはわざと力を抑えていたのか?と思わされるほど凄まじい勢いでフィールドゴールを積み重ね、最初の約4分間だけで10得点を獲得。キャブスは第4Q残り7分40秒で逆転に成功した。
試合の流れが変わりかけたところで、ウォリアーズはMVPのカリーがステップアップ。逆転を食らった次のポゼッションでステップバックスリーを決め、再びリードを奪い返すと、終盤の正念場ではマシュー・デラベドバの上から難易度の高いクラッチスリーに連続で成功。ラスト1分からのファウルゲームでも完璧にフリースローを沈め、チームを勝利に導いた。
▼レブロンとカリーのバック・トゥ・バック3P
第4Qは、カリーが17得点、レブロンが16得点を獲得するエース対決となったわけだが、勝敗を大きく左右したのはロールプレーヤーたちの差だった。
ウォリアーズは、まず第4Q序盤にハリソン・バーンズがカウントワンスローの豪快なダンク。
第4Q終盤には、イグダーラがスリーポイントシュート+アンドワンのプットバックを連続で決め、リードを3ゴール差に広げた。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
CLE | 22 | 28 | 17 | 24 | 91 |
GSW | 22 | 29 | 22 | 31 | 104 |
ウォリアーズは、カリーが今季ファイナル初の30点以上を獲得。13本中7本のスリーを沈めて、チームハイの37得点を記録するMVPに相応しい活躍をみせた。
▼ステファン・カリー、第5戦ハイライト
2試合連続のスタメン出場となったイグダーラは、14得点、8リバウンド、7アシスト、3スティールを記録。この日はフリースロー成功数が11本中わずか2本と、やや詰めが甘い部分もあったが、シリーズを通して安定したオールラウンド・パフォーマンスを続けるイギーを、ファイナルMVP候補の1人に挙げる声も結構多い。
他には、ドレイモンド・グリーンが16得点、9リバウンド、6アシストをマーク。ベンチからは、バルボサが13得点で勝利に貢献している。
レブロンは再びトリプルダブル
40得点、14リバウンド、11アシスト。1人の選手にこれ以上の活躍を求めることはできない。
過去30年のNBAプレーオフで、30得点以上のトリプルダブルが達成されたのは、わずか20回のみ。その内の8回がレブロンの記録となっている。40点以上のトリプルダブルとなれば、この日のレブロンの他に、チャールズ・バークレー(1993年WCF第5戦:43得点、15リバウンド、10アシスト、FG成功率72.7%)しかいない。
レブロンは試合後の記者会見で、「俺は世界一のプレーヤー。だから自信を持っている」と今ファイナルでの超人的なパフォーマンスについてコメントした。
他にキャブスは、トンプソンが19得点/10リバウンド、イマン・シャンパートが10得点をそれぞれマーク。ベンチプレーヤーでは、スミスが前半だけで14得点を挙げたものの、後半は1本もシュートを決められず、無得点に終わっている。
スモール
第5戦は、両チームとも大部分でセンターポジションの選手が不在という究極のスモールラインアップ対決となった。コート上の選手でレブロンが最もサイズの大きい選手という時間帯さえあったほどだ。
キャブスは、第4戦でキャリアハイ得点を記録したティモフェイ・モズコフがわずか9分19秒の出場。ウォリアーズは、フェスタス・エジーリが3分12秒で、アンドリュー・ボーガットは1度もベンチから出ていない。
試合開始から第4Qの中盤まで大健闘していたこの日のキャブスだが、クラッチタイムでは前の試合と同じく、選手たちがスタミナ切れを起こしていた印象。特にボックスアウトがおろそかになり、ディフェンスリバウンドを上手く確保できず、正念場でウォリアーズにセカンドチャンスを与えてしまうという致命的なミスが何度かあった。ウォリアーズは試合ラスト5分で、キャブスを19-7でアウトスコアしている。
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ボックススコア:「NBA」