ドレイモンド・グリーンの万能さが良くわかる守備ポゼッション
2016-17レギュラーシーズンの守備スタッツ(ディフェンシブレーティング=100ポゼッションあたりの失点)で、スパーズに次ぐリーグ2位の数字を記録したゴールデンステイト・ウォリアーズ。そのディフェンシブアンカーを務めるドレイモンド・グリーンは、今季DPOYの最有力候補に挙げられている。
プレーオフ第1~第2ラウンドでも8試合で平均2.6ブロック、2.0スティールと大活躍を続けているが、グリーンがリーグで最も影響力のあるディフェンダーとされる理由は、リムプロテクション力に加えて、ガードからセンターまですべてのポジションにスイッチできる万能さと、相手のオフェンスを読んで的確にローテーションできるバスケットボールIQの高さだ。
以下は、ポートランド・トレイルブレイザーズとの第1ラウンド第3戦からのワンシーン。スタッツには表れないグリーンの凄さが凝縮されている。
まずグリーンは、ローポストへのエントリーパスをガードするところから始まり、パスが通ると迅速にヘルプに飛んで、空いていたウィークサイドのゴール下までカバー。ブレイザーズがボールをスイングさせると、守備のローテーションを読んで、スリーポイントラインのC.J.マッカラムにクローズアウト。C.J.のドライブ/プルアップ・ジャンパーを阻止すると、最後はデイミアン・リラードにスイッチしてタフショットを打たせた。この1ポゼッションだけで、ほぼすべてのスポットをガードしている。
今季レギュラーシーズンのグリーンは、リムでのショットアテンプト(ゴール下5フィート以内でのショット)をガードした回数が1試合平均で7本。これはデアンドレ・ジョーダンやアンソニー・デイビス、アンドレ・ドラモンドらと並ぶ数字で、さらにこれらのショットの成功率をわずか44.0%に抑えた。
ゴール下でこれだけの存在感を放ちながら、ペリメーターでジェイムス・ハーデンやゴードン・ヘイワードらオールスタークラスのウィング選手にもスイッチできる機動力があり、そして攻撃的で感情的なジェスチャーとは反対に、冷静かつ的確に味方の守備位置や相手のオフェンスを読み、絶妙なタイミングでヘルプに入る能力がある。この万能さがあるからこそ、ウォリアーズは大きくロスターが入れ替わった今シーズンも、リーグトップクラスの守備力を維持することができた。
今季レギュラーシーズンのグリーンは、合計スティール数でジョン・ウォール(157)に次ぐリーグ2位の154スティールを記録。1シーズンに2.0スティール/1.4ブロック以上を平均した選手は、今季のグリーンの他に、歴代でわずか9人しかいない。
Via Reddit