ステファン・カリーにみる「テイクオーバー」の神髄
・「take over」(他動詞+ 副詞)
意味: (力ずくで)奪う、占領する、乗っ取る
NBAの世界で「テイクオーバー」といえば、試合のあるポイントで特定のプレーヤにスイッチが入り、ファインプレーの連続で完全にゲームを支配すること。たった1人で敵を破壊する姿は最高にドラマチックで、4連続ゴールでも決めようものなら球場のボルテージは最高潮に達する。
マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアント、レブロン・ジェイムスなど、歴史に名を残すプレーヤーたちは、大事な局面で幾度となく試合をテイクオーバーしてきた。この能力は、スーパースターになるための絶対条件の一つといえるだろう。
ゴールデンステイト・ウォリアーズのステファン・カリーにもそのスイッチが備わっている。カリーのテイクオーバーは、今のリーグで誰よりもユニークかつスタイリッシュだ。
以下は、2013年プレイオフWC第1ラウンド、ウォリアーズ対ナゲッツ第4戦の映像。この日のカリーは、第3Qの終盤6分間だけで22得点を獲得する奇跡的なパフォーマンスを披露した。
動画1:40でみせたトランジションからのプルアップ・スリーなんかはどう考えてもバッドショットだが、なぜか入ってしまう!こうなると、どれだけ素晴らしいディフェンスで対抗しても止められない。
さらにカリーはその1週間後の試合でも、スパーズを相手に第3Qだけで22得点を挙げた。
レブロンのテイクオーバーは強烈なパワーで相手をねじ伏せている印象だが、カリーの場合はもっとトリッキーかつ予測不可能に相手を翻弄する感じ。バスケはチームプレー第一のスポーツだが、圧倒的なワンマンプレーもまた醍醐味の一つだ。
Image by Keith Allison/Flickr
Video:「YouTube」