TunaDrama
  • Home
  • ブログ
  • News
  • Video
  • FIBA
  • Twitter
  • Facebook
ギルバート・アリーナス
2014 9 21

ギルバート・アリーナス 短すぎたスターダム

アリーナス, ギルバート・アリーナス, コービー, フリースロー 4

※以下、米掲示板Redditのスレッド「What’s Eating Gilbert Arenas?」より抜粋:

かつて、ギルバート・アリーナスが世界で最もエキサイティングなバスケットボールプレーヤーの一人と呼ばれていた時代があった。

その頃のアリーナスは25歳。現在もまだ32歳で、ドウェイン・ウェイドと同じ年齢、レブロン・ジェイムスの3つ年上、コービー・ブライアントの4つ年下となる。

しかし今となっては、アリーナスがウェイドやジェイムスたちとバスケットを奪い合うことはない。モールに行ってもアリーナスのユニフォームは売られていないし、スニーカーショップで彼の新作シグネチャーモデルを目にすることもない。

そして、今のリーグに「第2のアリーナス」は存在しない。

アリーナスは生粋の点取り屋だった。敵と味方、両チームのコーチにとって悪夢のような存在。ショットクロック残り19秒でスリーポイントラインの3メートル手前からプルアップ・ジャンプショット…、そういった無茶苦茶なプレーも彼の得意技だった。

ある試合では、1度もフリースローラインに立つことなく、35本のシュートを放ったこともある。これほど自由奔放にプレーしたガードはこれまでに1人もいない。常識外れなことをまるでルーティンのようにやってのける、アリーナスはそんなタイプの選手だった。

だが、最大の正念場で“ルーティン”を決められなかったことにより、アリーナスは大きな挫折を味わう。

2006年、レブロン率いるキャブスとのプレイオフ敗退をかけたシリーズ第6戦。ウィザーズの3点ビハインドで迎えた試合時間残り2.3秒で、アリーナスは9メートル地点から同点のロングスリーを沈め、勝負を延長戦へと持ち込んだ。

オーバータイムはワンゴールを争う大接戦となり、残り15秒でウィザーズが1点リード。そこでアリーナスに2本のフリースローが与えられた。

もし両方決めれば3点差で勝利目前という状況だが、アリーナスは1本目を外す。そして2本目のフリースローを打つ直前、レブロン・ジェイムスが突然アリーナスに近寄り、胸をポンポンと叩きながら耳元でこうささやいた。

「これを外したら、お前らのシーズンは終わりだ」

アリーナスは2本目のフリースローも外してしまい、続くポゼッションでキャブスが逆転決勝ゴールに成功。レブロンの予言通り、この試合でウィザーズの2005-06シーズンは終わりを告げた。

その翌日、ベライゾン・センター(ウィザーズ本拠地)のジムには、朝早くからフリースローの練習に打ち込むアリーナスの姿があった。腰の周りを3回ボールハンドリングしてからシュート…。そのルーティンを何度も繰り返していたという。

Arenas was…

アリーナスは、試合中にボールに話しかけることがよくあった。試合中に中指を立てることもあった。ギャンブルがらみのトラブルで、あるチームメイトから「撃ち殺すぞ」と脅されたときは、「好きなのを選べ」というメモと共に、4丁の拳銃をその男のロッカーに仕込んだ。

他のNBA選手たちがTwitterを使い始める何年も前から、アリーナスはブログを活用して積極的にファンたちにメッセージを発信していた。

アリーナスは、ハーフタイム中にユニフォーム姿のままシャワーを浴びたりする変わり者だった。NBAで最も熱心な凄腕HaLoプレーヤー(FPSゲーマー)でもあった。

アリーナスは、「ギルバート」と名付けられた子供たちに少しだけ誇りを与えた。4ヵ月間で60回の信号無視を犯したこともあったが、レイカーズの本拠地で絶頂期のコービー・ブライアントを相手に60得点を記録したこともある。

アリーナスとコービーはどこか似ている。セルフィッシュで無謀なシュートが多く、自負心が人一倍強い。だが同時に、2人は鏡のように対照的でもある。

コービーにとってバスケットボールは食事であり、睡眠であり、呼吸であった。コービーは、ジョーダンやバード、マジックら過去の偉大な選手を熱心に研究し、自身のゲームのモデルにした。バスケットボールの歴史、そして選手を偉大たらしめる資質とは何なのかをよく理解し、その資質を自分にも取り入れようと努めた。

アリーナスは誰のスタイルも模倣しようとしなかった。

コービーのゲームが長年に渡り積み上げられたバスケの歴史を礎としているならば、アリーナスはスタジアムが発するエネルギーを燃料とした。コービーがマシンなら、アリーナスは無邪気な子供。コービーは他人にも一切容赦のない人間で、自らそうあることを望んだ。勝つために必要なことだと知っていたからだ。反対にアリーナスは、もっと自由気ままで、楽しむことを一番とした。

アリーナス コービー
Photo by Keith Allison/Flickr

コービーは勝者として名を残すが、アリーナスは違う。オーバータイムで2本のフリースローを外したときはまだ24歳だった。残念ながらその翌年には、左膝に選手生命を狂わす大けがを負うこととなる。

NBAにスリーポイント制度が導入されて以来(1979年)、23歳から25歳のスパンでアリーナスより多くの得点を記録した選手は、これまでにたった4人しかいない。マイケル・ジョーダンとエイドリアン・ダントリー、レブロン・ジェイムス、そしてケビン・デュラント。しかしこの4人と違い、アリーナスが殿堂入りを果たすことはない。

これからアリーナスがプロとしてNBAのコートに立つことは恐らくないだろう。もうレブロン・ジェイムスと熱い激戦を繰り広げる機会もなければ、シーズンがかかったフリースローを沈めるチャンスもない。偉大な選手になれる素質があったということを証明するチャンスは二度と来ない。

だが、アリーナスの束の間の絶頂期を目撃した人ならば覚えているはずだ。ドラフト2巡目指名のガードが、リーグの誰よりもファンたちを魅了していた時期があったことを。そしてレブロン・ジェイムスやドウェイン・ウェイド、コービー・ブライアントたちと肩を並べられるほどの選手だったということを。

メディア露出が極めて激しい近年のアスリート世代において、間違いなくアリーナスは最も見ごたえがあり、最も予測不可能で、最も革新的なプレーヤーの一人だった。しかし、レブロン、ウェイド、コービーたちがタイトルを巡ってリーグを圧巻していたころ、「0」番を背負ったスーパースターはすでに存在しなかった。

歴史的な給料泥棒で、常に実力を過小評価された選手。
自分勝手で、カリスマ的な人間。
天才的で、愛すべき愚か者。

※   ※   ※

ギルバート・アリーナスはいろんな意味でぶっ飛んだ選手だった。今のリーグだと、ジェイムス・ハーデンがスタッツ的にもパフォーマンス的にも一番近いかもしれない。

もしあの時に怪我さえしなければ…、何度もそう思わされたプレーヤーの一人である。

Image by Keith Allison/Flickr

ソース:「Reddit」

マイケル・ビーズリーがスパーズのワークアウトに参加 ステファン・カリーにみる「テイクオーバー」の神髄

Related Posts

ドレイモンド・グリーン フリースロー

ブログ

【ハイライト】ドレイモンド・グリーン、フリースローで奇跡の珍プレイ

ギルバート・アリーナス レブロン 乱闘

ブログ

元NBAスターのアリーナス、レブロンと揉めたスチュワートに忠告「ブダペストに飛ばされるぞ」

ギルバート・アリーナス コービー・ブライアント

ブログ

ギルバート・アリーナスがコービーの影響でコーチキャリア開始

ビンス・カーター 43歳

ブログ

ビンス・カーターが43歳の誕生日に今季初ダンク

特集

  • レブロンのバスケットボールIQの高さが良く分かる30秒間

    レブロンのバスケットボールIQの高さが良く分かる30秒間

    2017年6月12日
  • スパーズのポポビッチHC、通算勝利数でNBA歴代コーチ1位に「私個人ではなく我々の記録」

    スパーズのポポビッチHC、通算勝利数でNBA歴代コーチ1位に「私個人ではなく我々の記録」

    2022年3月13日
  • ステフィン・カリーがプレイオフ含むキャリア3P成功数で歴代首位に浮上

    ステフィン・カリーがプレイオフ含むキャリア3P成功数で歴代首位に浮上

    2021年11月15日
  • ルカ・ドンチッチが自己最多46得点、ミドルレンジが強力な武器に

    ルカ・ドンチッチが自己最多46得点、ミドルレンジが強力な武器に

    2021年2月14日
  • ジミー・バトラー、76er退団を選んだ理由と「ヒート・カルチャー」を語る

    ジミー・バトラー、76er退団を選んだ理由と「ヒート・カルチャー」を語る

    2021年10月1日
  • トニー・パーカーの永久欠番式典スピーチ

    トニー・パーカーの永久欠番式典スピーチ

    2019年11月23日
  • ビンス・カーターの引退とNBAのリアクション

    ビンス・カーターの引退とNBAのリアクション

    2020年6月27日
  • カワイ・レナードがフロアにいるとスパーズの失点が増えるのはなぜ?

    カワイ・レナードがフロアにいるとスパーズの失点が増えるのはなぜ?

    2016年12月31日
  • トニー・パーカー 「ありがとう、サンアントニオ」

    トニー・パーカー 「ありがとう、サンアントニオ」

    2018年9月7日

NEW

  • ウォリアーズ ユニフォーム 2022-23ウォリアーズが2022-23シーズンのユニフォーム2種類をお披露目
  • ベストプレイ 2021-222021-22NBAレギュラーシーズンのベストプレイ/ハイライトシーン10選
  • ビル・ラッセル 追悼レジェンドのビル・ラッセル訃報に新旧のNBAスターから多数の追悼メッセージ
  • トレイ・ヤング プロアマトレイ&デジャンテ、ホークスの新生デュオがプロアマリーグ試合で無双
  • ビル・ラッセル 死去ビル・ラッセルが死去、NBAを11回制覇したセルティックスのレジェンド
  • ザイオン・ウィリアムソン 体重ザイオン・ウィリアムソンの新契約、134kgを超えると減額の体重制限条項付きか
  • ドワイト・ハワード プロレス大ベテランセンターのドワイト・ハワード、プロレスラーへの転向も検討か
  • ケビン・デュラント セルティックスセルティックスがKD獲得に関心?ジェイレン・ブラウンをネッツにオファーか
  • スパーズ ユニフォーム 2023スパーズとキャブスが2022-23シーズンのユニフォーム公開
  • レブロン Drew League37歳のレブロンが11年ぶりに夏のプロアマ大会『Drew League』に参戦、42得点の大暴れ

ポピュラー

  • ウォリアーズが2022-23シーズンのユニフォーム2種類をお披露目
    ウォリアーズが2022-23シーズンのユニフォーム2種類をお披露目
  • 2021-22NBAレギュラーシーズンのベストプレイ/ハイライトシーン10選
    2021-22NBAレギュラーシーズンのベストプレイ/ハイライトシーン10選
  • レジェンドのビル・ラッセル訃報に新旧のNBAスターから多数の追悼メッセージ
    レジェンドのビル・ラッセル訃報に新旧のNBAスターから多数の追悼メッセージ
  • 【フォーブス誌調べ】歴代アスリートの生涯収入ランキング: ジョーダンが今なお1位
    【フォーブス誌調べ】歴代アスリートの生涯収入ランキング: ジョーダンが今なお1位
  • トレイ&デジャンテ、ホークスの新生デュオがプロアマリーグ試合で無双
    トレイ&デジャンテ、ホークスの新生デュオがプロアマリーグ試合で無双
  • カワイ・レナード、やっぱり手が巨大だった
    カワイ・レナード、やっぱり手が巨大だった
  • ザイオン・ウィリアムソンの新契約、134kgを超えると減額の体重制限条項付きか
    ザイオン・ウィリアムソンの新契約、134kgを超えると減額の体重制限条項付きか
  • ビル・ラッセルが死去、NBAを11回制覇したセルティックスのレジェンド
    ビル・ラッセルが死去、NBAを11回制覇したセルティックスのレジェンド
  • セルティックスがKD獲得に関心?ジェイレン・ブラウンをネッツにオファーか
    セルティックスがKD獲得に関心?ジェイレン・ブラウンをネッツにオファーか
  • シャックが巨大すぎて周囲が小さく見えてしまう写真14枚
    シャックが巨大すぎて周囲が小さく見えてしまう写真14枚

ランダム

  • ハーデン 59得点ハーデンが今季リーグ最多の59得点、八村はキャリア初のスリー成功!!
  • ニック・スタウスカス ニックネームニック・スタウスカスが一夜にして「ソース・カスティーリョ」と呼ばれるようになった理由
  • ヤニス・アデトクンボ 37得点ヤニス・アデトクンボがわずか21分で37得点獲得
  • サンズ ナゲッツ 第4戦フェニックス・サンズがナゲッツをスウィープ、11年ぶりのウェスト決勝進出へ
  • スパーズ 40勝スパーズが今季40勝目を獲得

アーカイブ

About

  • Home
  • Privacy Policy
  • About

NBAサイト&ブログ

  • Bulls Fan in Japan (シカゴ・ブルズのファンサイト)
© TunaDrama 2022
Powered by WordPress • Themify WordPress Themes