76ersがホームでの第3戦に圧勝、シリーズ2勝1敗でリード
フィラデルフィア・76ersが現地2日、本拠地ウェルズファーゴ・センターで行われたトロント・ラプターズとのカンファレンス・セミファイナル第3戦に116-95で快勝。シリーズを2勝1敗とした。
この日の76ersは前半を64-53で上回って主導権を握ると、そのまま最後までリードを維持してラプターズを圧倒。第3Q終盤にカワイ・レナードの連続得点で8点差にまで迫られたが、レナードがベンチに下がった第4Q開始3分間で11-1のランを展開して早々と勝負を決めた。
▼エンビードがついに爆発
第3戦では、シリーズ最初の2試合で精彩を欠いていたジョエル・エンビードが33得点、10リバウンド、5ブロックとオールラウンドに大暴れ。他には、ジミー・バトラーの22得点、JJ・レディックの15得点を含め、スターター全員が二桁得点をマークしている。
シクサーズはチームディフェンスも素晴らしく、迅速なヘルプローテーションで3Pラインを封鎖し、ラプターズのオープンスリーを制限。ラプターズがクローズアウトをかわしてドライブを仕掛けようとすれば、エンビードが深く陣取ってリムを死守し、ラプターズのリストリクテッドサークル内のFG%を30本中13本の43%に抑えた。
第3戦の76ersで印象的だったのは、オフェンス面でのアジャストメントだ。
今季レギュラーシーズンではピック&ロールをあまり使ってこなかった76ersだが、この日はジョエル・エンビードをスクリーナーとしたプレイを多用。これまでのようにただエンビードをポストアップさせるだけでなく、バトラーとエンビードのピック&ロール、さらにはJJとエンビードのドリブル・ハンドオフなどから効率良く攻めていた。
エンビードがこれほど積極的にスクリーンを仕掛けにいった試合は初めてかもしれない。
TORはワンマンチーム化
惨敗したラプターズは、カワイ・レナードがFG22本中13本成功から33得点で孤軍奮闘。パスカル・シアカムは20得点をマークしたものの、第2戦と同じくエンビードとのマッチアップに大苦戦し、終盤にはフラストレーションからかブロックされた直後にエンビードの足を引っかけて転ばせ、フレイグラントファウルを取られるシーンもあった。
ラプターズは他に、ダニー・グリーンが13得点を獲得。カイル・ラウリーとマルク・ガソルはそれぞれ7得点とオフェンスで貢献できず、さらにベンチは合計15得点とこの日もまったくインパクトを残せずに終わっている。
また第3戦ではディフェンスで集中力を欠いた場面が多く、トランジションでボールを止めるのをうっかり忘れたり、ショットクロック終盤でバックドアカットを許してしまったりと、ケアレスなミスからの失点が目立った。
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「俺がディフェンダーとして育てたあのサージとはまるで別人だ!!しっかりしろよ!試合に集中しろ」
ディフェンスはまだいい。問題はオフェンスだ。今のラプターズは、レナードがフロアにいるかいないかで、得点力に天と地ほどの差がある。
今季ポストシーズン8試合における100ポゼッション当たりの得失点差では、レナードがフロアにいる時間帯(287分)に+19.6点を記録しているが、レナードがベンチに下がると(97分)-24.9点に転落。オフェンシブレーティング(100ポゼッション当たりの得点)は、レナードonの117.5点に対して、レナードoffが71.8点と信じられないほどの落差だ。この数字は、レブロン・ジェイムスが率いた昨季キャブスよりもスーパースターへの依存度が遥かに高い。
マジックとの第1ラウンドではまだバランスが取れていたが、ここ2試合はチームオフェンスがまったく機能しておらず、完全にレナードの1on1頼りのワンマンチームとなっている。
単純にオープンショットを外しているだけという部分はもちろんあるが、それ以上にシクサーズのディフェンス戦略に対して突破口を見出せていないのが事実。レナードが今夏FAになるラプターズにとっては、球団の将来を左右する大事なシリーズを勝ち抜く上で、ベンチユニットはもちろん、オールスターのラウリー、そしてベンチのデプスを犠牲にして獲得したガソルのオフェンス面での活躍が必須となる。
ボックススコア:「NBA」