アル・ジェファーソン、フライドチキン抜きダイエットとポストアップゲームについて語る
2013-14シーズンには平均21.8得点/10.8リバウンドとキャリアベストに近い数字を記録し、シャーロット・ホーネッツを4年ぶりのプレーオフへと導いたリーグ屈指のポストアップセンター、アル・ジェファーソン。しかし昨季は下半身の怪我などが原因で出場時間とスタッツが大きく減少し、ポストシーズン進出を逃すこととなった。
そこでジェファーソンは、来季に向けて以前のパフォーマンスを取り戻すべく、この夏は10kg以上の減量を目指して、食事制限付きの厳しいダイエットに取り組んできたという。ここ2ヵ月は大好物だったフライドチキンも一切口にしていないらしい。
「ポパイ(フライドチキンチェーン)のCMが流れるたびに、テレビのスイッチを切るようにしている」
– アル・ジェファーソン
その結果、2ヵ月で約9キロの減量に成功したとのこと。ジェファーソンはノースカロライナ州の地元紙『Charlotte Observer』のQ&Aインタビューで、ダイエットの目的と効果について語った。
「ダイエットは順調。20ポンド以上落ちた。減量について一つ言えることは、食事をきちんと制限できるようになれば、とても簡単になるということだ。糖分やでんぷん質の食事を断ち、体調を管理する。僕の場合も、食事制限に慣れたことで、減量がずいぶんと楽になった。それに僕はちゃんとした目的を持っていたからね。ダイエットは、膝への負担を軽減して、昨季よりも体調を万全にするためだ」
▼アル・ジェファーソンのポストアップ
またジェファーソンは同じインタビューの中で、希少な存在になりつつあるローポスト・スコアラーについてもコメントしている。
Q:ローポストでの得点スキルが失われつつあります。今では、あなたとグリズリーズのザック・ランドルフ、キングスのデマーカス・カズンズくらいでしょうか。若いプレーヤーたちがポストアップのスキルを習得しないのはなぜだと思う?
「皮肉なのは、ポストアップの衰退が僕の目の前で起こっていったということ。僕がデビューした頃のNBAは、まだまだビッグマンのリーグで、僕のポジションはパワーフォワードだった。だが4年目あたりから、シューティングが重視されるリーグへと変わっていった。僕はただ自分の最も得意なことをやり続けただけだ。僕は昔からずっとバスケットに背中を向けるポストアッププレーヤーだったから。だけど僕の周囲ではすべてが変わってしまった」
Q:ゴールから離れた位置で活躍したケビン・ガーネットの成功がローポスト衰退のきっかけになったと思うか?
「流れを作ったのはKGだと思う。だがそれを別の次元に高めたのはダーク・ノビツキーだ。その後、アンドレア・バルニャーニが1位指名でリーグ入りし、廉価版のダークになった。リーグのGMはシュートが打てるパワーフォワードを求めるようになったのさ」
Q:これはサイクル的なもの?いつか再びローポスト・スコアラーの時代が訪れると思う?
「この世の中自体がサイクルだ。昔の服装も時が経てばまた流行のスタイルになる。だから再びローポストのビッグマンがリーグを支配する時代が来ると思うよ。僕が引退してからずっと先のことになるかもしれないが、そう信じている」
Q:来季のホーネッツにとって最大の課題は?
「過去2シーズンにおけるホーネッツのアイデンティティはディフェンスだった。僕たちは優れたディフェンシブチームだったと思う。これからは、オフェンスをディフェンスのレベルにまで引き上げて、バランスの取れたチームになる必要がある。プレーオフで勝ち上がれるチームはバランスの良いチームだ。ウォリアーズやクリッパーズはバランスが取れている。ロケッツも攻守両方をこなす。僕たちもそんなチームにならなくてはだめだ」
昨季はディフェンシブレーティングでリーグ9位の101.0を記録したホーネッツだが、その一方でオフェンシブレーティングはリーグワースト3位の97.6。オフェンスの中でも、特にスリーポイント成功率がリーグ最悪の31.8%と致命的で、成績はイースト11位の33勝49敗に終わった。
今年のオフシーズンには、ニコラス・バトゥームやジェレミー・リン、ジェレミー・ラム、スペンサー・ホーズらを獲得し、シューティングとスペーシング面を補強。ホーネッツのスティーブ・クリフォードHCは、来季の戦略として、昨季同様ジェファーソンを攻撃の主力に置く一方で、これまでよりもボールムーブメントを大切にしていきたいとしている。
「コーチの意見には賛成だ。昨季は、僕がコートにいない時にボールが良く動いていた。減量が必要だった理由はここにもある。チームのボールムーブメントで、足手まといにならないようにするためだ」
– アル・ジェファーソン
Image by Keith Allison/Flickr
参考記事:「Charlotte Observer」