ビスマック・ビヨンボ、値引き契約でのラプターズ残留も検討か
トロント・ラプターズのビスマック・ビヨンボにとって、NBA5年目の2015-16シーズンはブレイクの年となった。
レギュラーシーズンでは、得点(5.5)とリバウンド(8.0)で自己最高の数字を平均。プレーオフでは、ECファイナル第3戦でリバウンドの球団新記録を樹立するなど、特にヨナス・バランチュナス負傷離脱後のチームでディフェンスの要として大奮闘し、そのエネルギッシュでハードなプレースタイルから多くのファンを獲得した。
ESPNによると、ビヨンボは来季のプレーヤーオプションを破棄して、この夏に無制限FAとなる見込みだ。ラプターズとしては何とかしてキープしておきたい人材だが、ポストシーズンでの活躍で評価が急上昇したため、複数のチームから高額オファーがあると予想されており、来季キャップスペースの関係上、ラプターズが再契約するのは難しいと考えられている。
そんな中、ビヨンボは5月30日に出演した地元ラジオ番組で、ホストから「来季もトロントに戻ってくるつもりはあるか?」と尋ねられた際に、「あるよ」と回答した。
「この街が大好きだし、僕たち(ラプターズ)にはまだやり残した仕事がある。去年の状態から、今年はイースタンカンファレンスファイナルに進出した。それを体験できたのは、すごく楽しかったよ。来季にもっと先まで進めれば、きっと楽しいはずだ」
さらにビヨンボは、「地元値引きオファー(ホームタウン・ディスカウント)」での再契約も考慮するつもりがあるとコメントしている。
「解決策はあるはずだ。このことは、僕のエージェント、そしてマサイ・ウジリ(ラプターズGM)にも言ってきた。適切な時期が来れば、この件に関してオープンに考えてみるつもりだとね。結局のところ、お金じゃなくて、楽しいかどうかなんだ。常にお金が一番というわけじゃない。確かにお金は大切だ。でも同時に僕はこう考えるよ、『どれくらい楽しめるだろう?』と。トロントは素晴らしいし、チームも素晴らしい。そして僕たちは試合に勝っている」
▼ビヨンボ、16得点/25リバウンド
『Sporting News』の記事によると、イースタンカンファレンスチームのGM数名は、今夏FAでビヨンボに年間1500~1700万ドル、もしくはそれ以上の高値がつくと予想しているという。今季はペイロールが最も少ないチームの一つだったラプターズだが(30チーム中24位)、来季はヨナス・バランチュナスとテレンス・ロスの延長契約が始まり、さらにデマー・デローザンとの再契約(恐らくチームの最優先事項)もあるため、サラリーキャップにほとんど空きがなくなる。
ビヨンボがどれほどのディスカウントを考えているのかはわからないが、デローザンとMAX契約を結ぶことを前提にすれば、ラプターズがビヨンボに与えられる最大のオファーは、ミッド・レベル・エクセプション(MLE)で約560万ドルだ。いくらチームに残りたいとはいえ、さすがに1000万ドルレベルの値引き契約に応じる可能性は極めて低いだろう。
それならば、デローザンと決別、もしくはバランチュナスをトレード放出してキャップスペースを確保するというオプションもあるが、果たしてビヨンボにそれだけの価値があるかどうか…。
参考記事:「Sportsnet」