ESPN:2021-22シーズンNBAのプレイヤーランキングTop21
2021トレーニングキャンプを目前に控えた現地9月24日、ESPNが2021-22シーズン版のNBA選手ランキングを発表した。
毎年恒例の同ランキングは、昨季までの成績や功績ではなく、来るシーズンの活躍度(プレイオフ含む)を予想してランク付けしたもの。ESPNのアナリストたちが、「レブロンvsヤニス」「ハーデンvsドンチッチ」「ヤニスvsハーデン」といった具合に各選手を総当たり形式で比較して順位を決めている。
以下、2021版のESPNランキングでトップ21位に入った選手たち(右の数字は昨季のランク)。なお、今季の大部分を欠場する見込みのカワイ・レナードとジャマール・マレーはランキングの対象から外されている:
21位~11位
- バム・アデバヨ(ヒート、13位)
- カイリー・アービング(ネッツ、25位)
- クリス・ミドルトン(バックス、35位)
- ドノバン・ミッチェル(ジャズ、18位)
- トレイ・ヤング(ホークス、29位)
- ジミー・バトラー(ヒート、12位)
- デビン・ブッカー(サンズ、17位)
- ジェイソン・テイタム(セルティックス、11位)
- クリス・ポール(サンズ、15位)
- ポール・ジョージ(クリッパーズ、20位)
- ブラッドリー・ビール(ウィザーズ、22位)
ポール・ジョージやトレイ・ヤング、クリス・ミドルトンら昨季プレイオフで大活躍した選手たちがランクアップ。
特にポール・ジョージは、過去数年のポストシーズンでパフォーマンスが安定せず、「パンデミックP」などと揶揄されることもあったが、昨季プレイオフではカワイ・レナードの負傷離脱後にクリッパーズのエース役を立派に務めてチームをウェストファイナルに導き、見事に汚名返上を果たした。
▼ポール・ジョージ、2020-21ハイライト
また、ワシントン・ウィザーズのブラッドリー・ビールも大きく順位をアップ。昨季のビールはキャリア最多かつリーグ2位の31.3得点を平均し、ウィザーズを3年ぶりのプレイオフに導いた。
その一方で、昨季プレイオフであまりインパクトを残せなかったジミー・バトラーやバム・アデバヨ、ジェイソン・テイタムは去年からややランクダウンしている。
10位:ジェイムス・ハーデン
- 昨季スタッツ:24.6得点、10.8アシスト、7.9リバウンド
- 昨季順位:9位
2017から2020まで3年連続でリーグ得点王に輝いたジェイムス・ハーデン。歴代屈指のアイソレーション・スコアラーと呼ばれるほどの点取り屋だったが、ネッツに移籍した昨季はプレイメイカーの役割に徹したため、2019-20シーズンから平均得点が10点ほど落ちた。
毎年思うが、ESPNのハーデンに対する評価が低すぎる気がする。
9位:アンソニー・デイビス
- 昨季スタッツ:21.8得点、3.1アシスト、7.9リバウンド
- 昨季順位:2位
昨季のデイビスはシーズン中盤から怪我に苦しまされ続け、プレイオフでも本来の実力を発揮できないまま第1ラウンド途中で負傷離脱。レギュラーシーズンでは、平均リバウンドとブロックでキャリアワースト、得点(21.8)でデビュー2年目の2013-14シーズン以降で最小となる数字を記録した。
デイビスの能力が最大限に活きるのはセンターポジションなのは間違いない。今オフのレイカーズはデアンドレ・ジョーダンとドワイト・ハワードのベテランビッグ2人をFAで獲得しているが、デイビスが5番に入るラインアップとどうバランスを取っていくのか注目したい。
8位:デイミアン・リラード
- 昨季スタッツ:28.8得点、7.5アシスト、4.2リバウンド
- 昨季順位:7位
昨季プレイオフでのデイミアン・リラードは、ダブルOTに及んだ第1ラウンド第5戦で55得点/11アシストをマークと、NBA史に残るパフォーマンスを披露した。
だがブレイザーズは、先発ガード2選手不在のナゲッツ相手にシリーズ2勝4敗で敗退。リラードがシーズン終了後に「今のブレイザーズで優勝を狙えると思えない」などと発言したことで、今オフはトレードの噂が飛び交うこととなった。
昨季ポストシーズンでは第1ラウンドで満身創痍のナゲッツに敗れたブレイザーズだが、シリーズ6試合での得失点差はわずか-8点。スターター同士の対決では競り勝ったものの、リラードオフのベンチ対決で大きく差を付けられている。
7位:ジョエル・エンビード
- 昨季スタッツ:28.5得点、2.8アシスト、10.6リバウンド
- 昨季順位:14位
昨季のエンビードは、得点(28.5)とシューティングスプリット(FG51.3%、スリー37.7%、FT)でキャリア最多の数字を平均。オールスターブレイクあたりまでMVP最有力候補とされていたが、3月半ばから膝の負傷で数週間離脱したため、MVPレースでニコラ・ヨキッチに大きく遅れを取ることとなった。
プレイオフでは半月板損傷の怪我をおしながらプレイし、イースト決勝第2戦でプレイオフ自己最多の40得点、13リバウンドをマーク。もし今季のエンビードが健康状態を維持し、レギュラーシーズン70試合以上に出場することができれば、MVPとDPOYの二冠を狙えるかもしれない。
6位:ニコラ・ヨキッチ
- 昨季スタッツ:26.4得点、8.3アシスト、10.8リバウンド
- 昨季順位:10位
2020-21シーズンのヨキッチは、72試合フル出場でナゲッツを47勝25敗のウェスト3位に牽引。シーズン通算スタッツでは得点リーグ5位(1898点)、アシスト3位(599本)、リバウンド5位(780本)の数字を記録し、ナゲッツの球団史上初、センターポジションの選手として21年ぶり、さらにダーク・ノビツキー(ドイツ)とヤニス・アデトクンボ(ギリシャ)に次いでヨーロッパ出身選手として史上3人目となるのMVPに輝いた。
得点/アシスト/リバウンドの3項目でそれぞれシーズンのリーグトップ5に入った選手は、ウィルト・チェンバレン以来初でNBA史上2人目だという。
5位:ステフィン・カリー
- 昨季スタッツ:32.0得点、5.8アシスト、5.5リバウンド
- 昨季順位:8位
2020-21シーズンのカリーは、63試合で自己ベストの32.0得点を平均し、2016年に続いてキャリア2度目となる得点王を獲得。プレイオフ進出は逃したものの、2021オールスターのスリーポイントコンテストで優勝した他(通算2度目)、1月3日のブレイザーズ戦で自己最多の62得点をマークするなど、個人成績の面でキャリア最高のシーズンだったと言えるかもしれない。
得点王、MVP、優勝の3つを複数回達成した選手は、ウィルト・チェンバレン、カリーム・アブドゥル・ジャバー、マイケル・ジョーダンに次いで、カリーが史上4人目の選手だ。
なお現在カリーは、キャリア通算スリー成功数で歴代2位。首位のレイ・アレンとの差はわずか141本なので、大きな怪我でもない限り今季中に新記録樹立は確実だろう。
4位:ルカ・ドンチッチ
- 昨季スタッツ:27.2得点、8.6アシスト、8.0リバウンド
- 昨季順位:4位
NBA3年目、22歳の若手ながら、昨季に2年連続となるオールNBAファースト・チームに選出されたルカ・ドンチッチ。ポストシーズンでは第1ラウンドで敗退するも、35.7得点(PO1位)、10.3アシスト(2位)、7.9リバウンドという驚異的なスタッツを平均し、カワイ・レナード率いるロサンゼルス・クリッパーズをギリギリまで追い詰めた。
今オフには、ルーキースケールからの延長契約としてリーグ史上最高額となる5年/2億700万ドルの契約をマブスと結んでいる。
3位:レブロン・ジェームズ
- 昨季スタッツ:25.0得点、7.8アシスト、7.7リバウンド
- 昨季順位:1位
今年で37歳、リーグ19年目となるレブロン・ジェームズ。昨季は中盤までMVPレースの先行集団を走っていたが、3月に足首を負傷して長期離脱を余儀なくされた。
普通ならとっくに全盛期を終えている年齢のレブロンが、今でもリーグ屈指のプレイヤーで居続けられるのは奇跡的なこと。キャリア通算得点では、歴代2位のカール・マローンまであと1561点に迫っており、今季中に追い抜く可能性も高い。
2位:ヤニス・アデトクンボ
- 昨季スタッツ:28.1得点、5.9アシスト、11.0リバウンド
- 昨季順位:3位
ミルウォーキー・バックスに50年ぶりの優勝をもたらした昨季のヤニス・アデトクンボ。
レギュラーシーズンでは2度目のMVPに輝いた2019-20と遜色ない支配力でバックスをイースト3位に導くと、プレイオフでは21試合で平均30.2得点/12.8リバウンドを記録してさらにステップアップ。優勝を決めたファイナル第6戦では、50得点、14リバウンド、5ブロックをマークする伝説的なパフォーマンスを見せ、満票でのファイナルMVPを獲得した。NBAプレイオフの試合で50得点/10リバウンド/5ブロックが記録されたのは、ブロックが公式スタッツとしてカウントされ始めた1973-74シーズン以降で初だという。
昨季ポストシーズンでのアデトクンボは、ファイナル第6戦の50得点ダブルダブルの他にも、第4戦での超人ブロックや第5戦での決勝アリウープなど、NBAファイナル史に残るファインプレイを何度も決めた。
1位:ケビン・デュラント
- 昨季スタッツ:26.9得点、5.6アシスト、7.1リバウンド
- 昨季順位:6位
2019年ファイナルでアキレス腱断裂の重傷を負い、翌2019-20シーズンを全休したケビン・デュラント。昨季開幕前は、怪我前のプレイを取り戻せるかどうか懐疑的な声も多く出ていたが、見事に完全復活を遂げた。
レギュラーシーズンはハムストリングの負傷などにより半分以上を欠場することとなったが、プレイオフには100%のコンディションで出場。特にイースト準決勝ではシリーズに敗れるも、第5戦で49得点トリプルダブル、さらに第7戦で48得点をマークするなど、ネッツのエースとして大活躍した。
▼数センチの差でカンファレンス決勝進出ならず
またデュラントは、今夏にアメリカ代表として東京オリンピックにも出場。リードスコアラーとしてチームUSAを五輪4連覇に導き、大会MVPを受賞している。
参考記事:「ESPN」