アイザイア・トーマスがレイカーズに移籍
「天が地よりも高いように、わたしの道はあなたの道よりも高く、わたしの思いはあなたの思いよりも高い」(イザヤ55:9)
https://twitter.com/isaiahthomas/status/961609042308288513
上の一文は、アイザイア・トーマスが2018年NBAトレードデッドラインの日にツイートした『イザヤ書』(旧約聖書)からの一節。イザヤは旧約聖書に出てくる預言者の一人で、英語の綴りはアイザイア・トーマスと同じ「Isaiah」だ。このツイートには、トーマスの心境が滲み出ている気がする。
NBAでは現地8日、クリーブランド・キャバリアーズとロサンゼルス・レイカーズの間でトレードが成立。キャブスはトーマスとチャニング・フライ、2018年のドラフト1巡目指名権を放出し、レイカーズからラリー・ナンスJr.とジョーダン・クラークソンの2選手を獲得した。
約7カ月間のリハビリを経て1月に復帰したトーマスは、キャブスでの15試合で14.7得点、4.5アシストを平均。FG成功率36.1%、スリー成功率25.3%と、シューティングスタッツがキャリアワーストに落ち込んでおり、オールNBAセカンド・チームに輝いた昨季のコンディションには程遠く、守備面でもチームの大きな弱点となっていた。今季のキャブスは、トーマスがフロアにいた時間帯の得失点差(100ポゼッション当たり)でマイナス15.1点という壊滅的な数字を記録している。
一方でキャブスに移籍したクラークソンは今季53試合で14.5得点、ナンスJr.は42試合で8.6得点、6.8リバウンドを平均している。
今回のトレードは、双方にとってウィン・ウィンだったと言えるかもしれない。
キャブスは、スクリーンやボックスアウト、繋ぎのパスなど裏方の仕事を的確にこなせるオールラウンダーのラリー・ナンスJr.を獲得。ナンスJr.はバスケットボールIQと身体能力が高く、ウィングからビッグまで複数のポジションにスイッチできる守備力もあり、強豪チームで限定的な役割を与えられてこそ一段と輝けるタイプの選手だと思う。ドラフト1巡目指名権を手放したのは痛いが、レブロン・ジェイムスの契約最終年に何としてもイースト王者の座を死守したいキャブスにとっては、戦力強化のために必要なコストだ。なおナンスJr.はレブロンと同じオハイオ州アクロンの出身でもある。
一方のレイカーズは、契約最終年のトーマスとフライを引き受ける代わりに、2020年まで残っているジョーダン・クラークソンの契約(年俸約1200万~1300万ドル)をダンプすることに成功。2018年FAに向けたキャップスペースを確保すると同時に、ドラフト1巡目指名権まで手に入れた。
ESPNによると、これで今夏のレイカーズはサラリーキャップに約4700万ドルの空きができる見込み。ここから、今夏に制限付きFAとなるジュリアス・ランドルの権利を放棄し、さらにルオル・デンの残りの契約(3700万ドル)をストレッチ(契約をウェイブしてサラリーを5年分割)すれば、キャップスペースが6900万ドルになる。今夏FAで2人のスーパースター(レブロン・ジェイムスとポール・ジョージ)にマックス契約をオファーするのに十分な金額だ。
なお今回のトレードにより、コービーの時代からレイカーズに残っている選手はランドルのみとなった。またルーク・ウォルトンHCとチャニング・フライは、アリゾナ大学時代のチームメイトでもある。
参考記事:「ESPN」