ジェイムス・ハーデン、ロケッツの現状に不満爆発「修正は無理だと思う」
ヒューストン・ロケッツのジェイムス・ハーデンが、遠回しなトレード要求とも取られかねない発言をしたことで、物議を醸している。
ロケッツは現地12日、本拠地トヨタセンターで行われたロサンゼルス・レイカーズ戦に100-117で敗北。2試合連続で昨季王者レイカーズに惨敗した。
ハーデンは試合後、「ここ2試合での敗北を振り返って、チームとしてレイカーズのレベルにまで到達するために必要な課題は見えたか?」という記者からの質問に対し、「レイカーズのレベルとは程遠いところにいる」とチームの現状を嘆いた。
「王者のレイカーズどころか、他のエリートチームたちにも及ばない。それは、ここ2試合を見れば分かると思う」
続いて、別の記者が「この試合では1度も接戦に持ち込めていたなかったが、それは予想外だったか?」と質問すると、ハーデンは意気消沈気味に「僕たちは明らかに力不足だよ」と答えた。
「ケミストリーやタレントを含め、すべての面で(レイカーズと戦うには)不十分。この2試合でそれは明らかだ。彼らは試合開始直後からアグレッシブだった。彼らはベテラン揃いのチャンピオンシップチームであり、今のリーグで最強のチームの一つだから」
「僕はヒューストンを愛している。このチームのために、やれることはすべてやってきた。でも今の状況は手に負えない。ここから修正できるとは思えないんだ」
– ジェイムス・ハーデン
ハーデンはそこまで語ると、「ありがとう」と言って突然退席。2つの質問に答えるだけという短さで、試合後の記者会見を終えた。
今季のハーデンは、ロケッツ移籍後でワーストとなる24.8得点を平均。シーズン最初の3試合では37.0得点を記録と絶好調だったが、その後の5試合では17.4得点と大失速している。
最初の3試合で実力を存分にアピールし、それ以降はロケッツへの抗議として本気を出さない、みたいな…。さすがに故意に手を抜いているとは思いたくないが、今回のような発言を聞いた後だと少し勘ぐってしまう。
ウォールが苦言
「ヒューストンを愛している。このチームのために、やれることはすべてやってきた」、この一節を会見の途中で唐突に捻じ込んできたという事実だけで、ハーデンが強く移籍を望んでいるということが窺える。
それから「チームケミストリーやタレント」を否定してしまったこと。そもそもロケッツの“ケミストリー”を乱している張本人がハーデンだ。
特に「タレント不足」というコメントはマズい。こんな発言を記者会見でされたチームメイトたちがどう感じるか。ロケッツのチームケミストリーはさらにズタボロになるだろう。
今回のハーデンの会見を受け、今オフにロケッツに加入したジョン・ウォールは次のようなコメントを残した:
「彼(ハーデン)は自身の意見を言っているだけ。彼がチームについてどう感じているのか、僕には知りようがない。ただチームメイトたちが努力しているのは確か。成長しようと日々ハードワークに臨んでいる。僕自身も、高いレベルで再びプレイするために努力しているんだ」
「このチームには、ハイレベルな場所で戦いたいと考えている選手がたくさんいる。以前からチームメイトたちに言ってきたことだけど、ロスターの15人全員が同じ方向を目指し、自身の役割を理解しながら努力する。そして今の状況を脱するため、つまり勝利するために全員が一丸となれば、すべてが上手くいくはずだ」
「だが、チーム内に同じ方向を向いていない選手がいた場合、チームとして特別な何かを成し遂げるのは難しいだろう」
– ジョン・ウォール
ロケッツとしては、対等もしくはそれ以上の見返りがオファーされない限り、焦ってハーデンをトレードする必要はない。ただ現状を維持しても、チームのケミストリーは悪化の一途をたどるばかりだろう。
参考記事:「ESPN」