ロペスのプレイオフ自己最多得点でバックスがECファイナル第1戦に勝利
“スプラッシュ・マウンテン”が終盤に大噴火だ。
NBAでは現地15日、2019イースタンカンファレンス・ファイナルが開幕し、1位シードのミルウォーキー・バックスと2位シードのトロント・ラプターズがファイサーブ・フォーラムでシリーズ第1戦を対戦。ホームチームのバックスが最終ピリオドを32-17でアウトスコアして逆転し、108-100でシリーズ先勝をあげた。
1週間の休息を経てラプターズとのイーストファイナル第1戦に臨んだバックスは、センターのブルック・ロペスが35分の出場でプレイオフキャリアハイとなる29得点をマーク。セルティックスとの第2ラウンドシリーズではロングレンジショットが不振だったロペスだが、この日はスリー11本中4本成功と復調し、第4Qには3本のスリーを沈めて試合の流れを大きく変えた。
第3Q終了時点で7点ビハインドを背負っていたバックスは、カワイ・レナードがベンチに下がった第4Q最初の2分間で8-0のランを展開して一気に逆転。そこからカイル・ラウリーの活躍で再びラプターズにリードを奪われるも、2点差で迎えた残り時間3分30秒から10-0で試合をクローズアウトして勝利を手にした。
第1戦でのロペスはディフェンスでも大活躍。リムプロテクターとしてジョエル・エンビード並みの存在感を発揮し、4ブロックを叩き出した。ロペスの影響で、この日のラプターズはペイントエリア内での得点がFG33本中わずか13本成功の26点に終わっている。
なおBasketball Referenceのデータベースによると、プレイオフの試合で20得点/10リバウンド/4ブロック/スリー4本以上を記録した選手は、2004年のダーク・ノビツキー、2010年のコービー・ブライアント、2017年のケビン・デュラントに次いで、ブルック・ロペスが史上4人目となる。
バックスはロペスの他、ヤニス・アデトクンボが24得点/14リバウンド、マルコム・ブログドンが15得点で勝利に貢献。オールスターのクリス・ミドルトンはFG12本中4本の11得点とシューティングに苦戦したが、ディフェンス面ではラプターズのピック&ロールに対してスクリーンをくぐり抜けるのが非常に上手く、チーム一丸となってカワイ・レナード相手に見事な守備を見せた。
試合の大部分で主導権を握りながらも最終ピリオドに競り負けたラプターズは、カイル・ラウリーがスリー9本中7本成功から30得点、レナードがゲームハイの31得点で奮闘。前半はロングレンジが絶好調だったものの、後半からはラウリー以外の選手がまったくスリーを決められなくなり、勝てる試合を落としてしまった。
この日のラプターズは第7戦に及んだカンファレンスセミファイナルからの疲れがまだ抜けきっていなかったのか、終盤はスタミナ切れを起こしていたように見える。3対1の状況でオフェンスリバウンドを奪われるポゼッションが何度かあった他、特に印象的だったのは、残り2分の正念場でダニー・グリーンがオンボールでスティールされた時に、誰も守備に走らなかったところだ。
アデトクンボを封じ込めることに重点を置いた第1戦でのラプターズの守備は上出来だったと思う。問題はオフェンス。
第2戦に臨むにあたり改善すべき点は、まずパスカル・シアカムにもっとミスマッチを攻めさせること(ニコラ・ミロティッチやアーサン・イリヤソバとマッチアップした際)。それからロペスを外に引きずり出すために、マルク・ガソルがもっと積極的にロングレンジを打ち、なおかつ沈める必要がある。そうすればレナードがピック&ロールやポストアップから突破口を切り開きやすくなるはずだ。
バックスとラプターズのシリーズ第2戦は、現地17日に再びファイサーブ・フォーラムで行われる。
ボックススコア:「NBA」