スターデュオ不発、マブスが4年ぶりのレギュラーシーズン敗退へ
NBAでは現地4月7日、ダラス・マーベリックスが本拠地アメリカン・エアラインズ・センターでのホームゲームでシカゴ・ブルズに115-112で敗北。これにより、去年プレイオフでカンファレンスファイナル出場の快進撃をみせたマブスの今季レギュラーシーズン敗退が確定した。
同時にウェストでは、オクラホマシティ・サンダーの10位シードも確定。サンダーはプレイ・イン・トーナメントで2勝をあげれば、8位シードでのプレイオフ出場権を得られる。
サンダーがポストシーズンまで生き残ったのは、コロナウイルスのパンデミックでバブルPOが開催された2019-20シーズン以来3年ぶり。またマブスがプレイオフ進出を逃すのは、ドンチッチがルーキーだった2018-19シーズン以来4年ぶりだ。
タンキング
シーズン生き残りをかけて試合に臨むはずのこの日のマブスは、カイリー・アービングやティム・ハーダウェイJr.、マキシ・クリーバー、ジョシュ・グリーン、クリスチャン・ウッドら主力メンバーたちがそろって欠場。
加えてエースのルカ・ドンチッチも第1Qのみの出場で交代と、完全に自ら敗北を狙いに行く采配だった。
▼マブス敗退の瞬間
さらにマブスは、前半絶好調だったマーキーフ・モリスも後半ベンチに温存。紙一重でプレイ・インを狙えた状況で、選手たち、特にドンチッチがここまであからさまなタンキングを受け入れたのが少し驚きだ(なおドンチッチは、試合後の会見に応じることなく帰宅)。
ジェイソン・キッドHCによると、大一番でエースやコアメンバーに出場時間制限もしくはDNPを設けたこの日の采配は、「球団フロントオフィスの決断」だったとのこと。現場の選手やコーチ陣、ファンたちは複雑な心境かもしれないが、今回の敗戦により、今夏のドラフト1巡目指名権を保持できる可能性が非常に高くなった。
2023ドラフト指名権
もともとマブスは、4年前にクリスタプス・ポルジンギスを獲得したトレードで、2023年1巡目指名権をニューヨーク・ニックスに譲渡。その詳細はトップ10の保護付きで、2024年に持ち越された場合も上位10の保護付き。2025年まで持ち越されれば、2巡目指名権になるというものだ。
今季マブスは最終的に38勝44敗のリーグ21位でシーズンを終了。今年のドラフトロッタリーで全体10位指名となる確率が最も高く(65.9%)、順当にいけば指名権を保持できる。
ただ、11~14位のいずれかのチームがロッタリーで指名順位トップ4に繰り上がった場合、マブスは今年の指名権を喪失。そうなる可能性は20.2%だ。
マブスにとってのベストシナリオは、2023ドラフトで指名権を保持しつつ、今夏にFAとなるカイリー・アービングと再契約を結ぶこと。全体10位あたりの1巡目指名権は有望な若手選手を獲得できるだけでなく、トレードアセットとしての価値も極めて高い。さらにロッタリーでトップ4を引き当てる幸運に恵まれれば、やや迷走気味だった球団の未来が一気に明るくなる。
▼マブスの2023ドラフトオッズ
- 1位指名権の当選確率:3.0%
- 2位指名権の当選確率:3.3%
- 3位指名権の当選確率:3.6%
- 4位指名権の当選確率:4.0%
- 10位指名権の当選確率:65.9%
- 指名権を保持できる確率:79.8%
- 指名権を失う確率:20.2%
2023年NBAドラフトは、ビクター・ウェンバンヤマやスクート・ヘンダーソンらスーパースターのポテンシャルを秘めた有望選手を獲得できる大きなチャンス。マブスがタンキングに踏み切ったのも納得の豊作クラスと言われている。
▼1位指名間違いなしのウェンバンヤマ
一方で、マブスにとって何としても回避したい最悪のシナリオは、ドラフト指名権とアービングの両方を何の見返りもなしに失うこと。もしそうなった場合、優勝への道が大きく遠のくことになり、近い将来にフランチャイズスターであるドンチッチの去就を真剣に心配せざるを得ない状況に立たされることになるかもしれない。
ボックススコア:「NBA」