ダラス・マーベリックスがジョシュ・リチャードソンをセルティックスにトレード放出
2021NBAドラフトも終わり、すでに各チームはFA交渉解禁となる8月2日に向けて着々と準備を進めている。
The Athleticによると現地7月30日、ダラス・マーベリックスがボストン・セルティックスとトレードで合意。マブスは来季サラリー削減のためにガードのジョシュ・リチャードソンをセルティックスへと放出した。
昨年のオフにセス・カリーとのトレードで76ersからマブスへと移籍したリチャードソンは、59試合で12.1得点、2.6アシストを平均。守備に強いチーム第2のボールハンドラーとしての活躍が期待されたが、ルカ・ドンチッチを中心としたマブスオフェンスでなかなか自身の役割を見出せず、プレイオフの終盤ではメインローテーションから外れることとなった。
▼シーズンハイは27得点
セルティックスは、昨年のゴードン・ヘイワード放出で得たトレード・エクセプションを使ってリチャードソンの来季サラリー(1160万ドル)を丸々吸収できる。サラリーをマッチさせる必要がないので、今回のトレードでは何も手放していない。
マブスはタダでリチャードソンを放出することとなったが、その代わりに今夏FA用のスペースを増やすことに成功。超1流シューターのセス・カリーが1年後に“キャップスペース”に変わったと考えると少し残念だが、このトレードは今のマブスにできる最良の一手だろう。
マブスはリチャードソンのサラリーをダンプしたことで、キャップルームから1160万ドルを削減すると同時に、1090万ドルのトレードエクセプションを獲得。
さらにここから、ウィリー・コーリー・ステインの来季チームオプション、そしてティム・ハーダウェイJr.を含むFAたちのバード権利をすべて放棄すれば、キャップに約3400万ドルのスペースを確保でき、今夏の大物フリーエージェントにマックスサラリーに近いオファーを提示できるようになる。現地メディアによると、今夏マブスがターゲットにしているビッグネームの一人は、ラプターズのカイル・ラウリーだ。
ラウリーはすでに35歳。チームのコア(ルカ&KP)と年齢がかけ離れた大ベテランに3000万ドル超えの大型契約をオファーするのはリスクがあるが、ドンチッチがルーキー契約中に大きな賭けに出るのは全然ありだと思う。
マブスは昨季プレイオフでカワイ・レナード離脱前のクリッパーズをギリギリまで追い詰めるなど、優勝争いに参戦できるまであと一歩のところに来ている。そこにラウリーのようなベテランリーダーシップを加えれば、クリス・ポール加入でファイナルまで進んだフェニックス・サンズのような躍進を遂げられるかもしれない。
ただ問題は、バード権利を破棄した場合、ハーダウェイJr.とサラリーキャップ上限を超えて再契約できなくなってしまうところ。なのでもしラウリーと高額契約を結べたとしても、ハーダウェイJr.と決別しなければならなくなる可能性が非常に高くなる。
一方でハーダウェイJr.との再契約を優先した場合(ラウリー獲得を諦め、ハーダウェイJr.とキャップホールド以下のサラリーで再契約できた場合)、マブスは昨季のコアを維持しつつ、今夏FAで1500~2000万ドルのスペースをロスター補強に使えるようになる。
セルティックスも大忙し
一方で同日のセルティックスは、マブスとのトレードの他にも、アトランタ・ホークス、サクラメント・キングスとの3チームトレードに合意。トリスタン・トンプソンを放出して、クリス・ダンとブルーノ・フェルナンドを獲得した。
以下トレードの詳細:
- セルティックス獲得:クリス・ダン、ブルーノ・フェルナンド、2023年ドラフト2巡目指名権
- ホークス獲得:デロン・ライト
- キングス獲得:トリスタン・トンプソン
参考記事:「ESPN」