ブルックリン・ネッツがハーデン負傷もバックスとのシリーズ第1戦に快勝
NBAでは現地6月5日、2021イースタンカンファレンスセミファイナルが開幕し、バークレイズ・センターで2位シードのブルックリン・ネッツと3位シードのミルウォーキー・バックスがシリーズ第1戦を対戦。
ネッツが序盤からビッグスリーの1人を怪我で失う不運に見舞われながらも、115-107でバックスに快勝し、シリーズの先手を取った。
ハーデン負傷
試合開始からわずか42秒でのこと。バックスがゲーム最初の得点を決めた直後、ネッツのスティーブ・ナッシュHCが突然タイムアウトをコールする。
フロアにいたネッツプレイヤーたちですら困惑の表情を浮かべる中、先発PGのジェイムス・ハーデンが一目散にロッカールームへと下がっていった。どうやら試合最初のプレイで右足を痛めてしまったようだ。
今季のハーデンは、右ハムストリングの負傷によりレギュラーシーズン後半の20試合以上を欠場。5月12日に6週間の長期離脱から復帰したばかりだった。今回、同じ怪我が再発してしまった可能性が高い。
ハーデンはそのまま第1戦を途中離脱し、MRI検査のため病院へと直行。現時点で検査結果や怪我の詳細はわかっていない。
サポーティングキャストが奮闘
初っ端から司令塔を失う大打撃を受けたネッツだが、ケビン・デュラントとカイリー・アービングがオフェンスを牽引しつつ、ロールプレイヤーたちもステップアップして試合の流れを掌握。
特にブレイク・グリフィンが18得点/14リバウンド、ジョー・ハリスが19得点、マイク・ジェームズがベンチから12得点で勝利に大貢献。この3選手だけで22本中11本のスリーを決めている。
デュラントは40分の出場でチームハイの29得点/10リバウンド、アービングは45分の出場で25得点/8アシストをマークした。
ディフェンス面では弱点であるサイズ不足を攻められ、特にヤニス・アデトクンボとブルック・ロペスにはリムで点を取られまくったが、その一方でペリメーターの守備を固め、バックスの3ポイントショット成功をわずか6本に抑えている(30本中)。
▼ネッツハイライト
敗れたバックスは、ヤニス・アデトクンボが34得点/11リバウンド、ブルック・ロペスが19得点、ドリュー・ホリデーが17得点/6アシストを獲得。
ペイントエリア得点で72-48、リバウンド数で58-47と、インサイド争いでは競り勝っていたが、とにかくロングレンジの調子が悪く、チーム全体でスリー成功率20%に終わっている。特に準エースのクリス・ミドルトンがFG23本中6本と精彩を欠いていた。
シューティングに関しては自然と復調するはず。この日のバックスでシュート不振以上に気になったのは、マイク・ブーデンホルザーHCのラインアップローテーション。第1戦では、ネッツのスター2人(KDとアービング)がそれぞれ40分以上プレイしたのに対し、バックスはアデトクンボが35分、ミドルトンとホリデーが36分だった。
ブーデンホルザーHCは、主力のプレイタイムを極力抑えながら“デプス”で勝負するタイプのコーチで、プレイオフになってもそのスタイルはほとんど変わらない。
ブーデンホルザーHCが2018-19シーズンにバックスのヘッドコーチに就任して以降、アデトクンボはポストシーズン29試合に出場。プレイタイムが40分を超えたのは29試合中わずか3試合のみとなっている。なおブーデンホルザーHCがチームに来る前は、2ポストシーズン19試合中11試合で40分以上プレイしていた。
▼ヤニス・アデトクンボの平均出場時間の変化
レギュラーシーズン | プレイオフ | |
---|---|---|
ブーデンホルザー前 (2016~18) | 35.8分(235試合) | 40.2分(13試合) |
ブーデンホルザー後 (2019~21) | 32.1分(196試合) | 33.5分(29試合) |
レギュラーシーズン中になるべくスター選手を温存したいのは分かるが、プレイオフ、しかもカンファレンス準決勝まできて、コンディションに何の問題もないアデトクンボを40分以下に制限するのはなぜなのか?ネッツとのシリーズでは、このあたりを調整する必要があるかもしれない。
ネッツとバックスの第2戦は、現地7日に再びブルックリンで行われる。
KDまさかの珍プレイ
今季プレイオフの『Shaqtin’ a Fool』最有力候補か?
ボックススコア:「NBA」