ブレイザーズが2025ドラフト1巡目指名権と交換でジェレミー・グラント獲得へ
NBAでは現地6月22日、ポートランド・トレイルブレイザーズとデトロイト・ピストンズがトレードに合意。ブレイザーズは2025年1巡目指名権をはじめとした複数のドラフトアセットを放出する見返りに、ピストンズからフォワードのジェレミー・グラントを獲得するという。
ESPNによると、トレードの詳細は以下の通り:
- ブレイザーズ獲得:ジェレミー・グラント
- ピストンズ獲得:2025年ドラフト1巡目、2022年2巡目スワップ、2025年と2026年の2巡目
報道によれば、ピストンズが獲得する2025年ドラフト1巡目指名権は、ミルウォーキー・バックス経由のトップ4保護付き。また2022年の2巡目指名権は36位と46位のスワップで、2026年の2巡目ではブレイザーズとピリカンズの指名権で順位が高い方を獲得する。
ブレイザーズ
昨季のブレイザーズは、CJ・マッカラムやノーマン・パウエル、ロバート・コビントン、ラリー・ナンスJr.らチームのコアメンバーをシーズン中盤に一斉放出。本格的な再建に踏み出したかに見えたが、今回のトレードにより、このままデイミアン・リラードを軸にしたロスターで戦い続けるスタンスを明確にした。
ジェレミー・グラントはハイレベルなツーウェイ・フォワードで、昨年夏にはチームUSAの一員として東京オリンピックで金メダルを獲得。OKC/ナゲッツ在籍時には優秀な3&Dとして活躍し、ピストンズ移籍後の直近2シーズンではチームのエース的存在として20.9得点を平均している。
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ブレイザーズは昨季2月のマッカラム放出により約2100万ドルのトレード・エクセプションを手に入れていたため、今回のトレードではサラリー面でマッチする必要なくグラント獲得に成功。また見返りに放出したバックス経由の2025年1巡目指名権はマッカラムのトレードで得たものであり、ヤニス・アデトクンボが3年後の2024-25シーズンを全休でもしない限り、20位以下の指名に終わる可能性が極めて高い。
有力選手や自軍の1巡目指名権を手放すことなく、最小限のアセットでグラント級のオールラウンダーを獲得できたのは大きい。
なお今夏のブレイザーズは、昨季にブレイクしたガードのアンファニー・サイモンズや、先発センターのユスフ・ヌルキッチがフリーエージェント。さらにグラントは来季が契約最終年で、12月に延長契約の対象選手となる。
ピストンズ
一見、ピストンズが大損したかにも思えてしまう今回のトレード。合計4つのドラフトアセットを得たものの、それほど価値は高くなく、目玉であるバックス経由の2025年1巡目指名権もロッタリー外になる見込み。即戦力を求めるなら、もっと良いオファーを見つけられたはずだが、ピストンズの主な目的は今夏FAに向けたサラリー調整だった。
グラントの来季契約額(2100万ドル)がちょうどブレイザーズのトレード・エクセプションに吸収されるため、ピストンズは同額サラリーの選手を引き受けることなくトレードが成立。これにより、ピストンズは今夏FA用に約4400万ドルの巨額キャップスペースを確保できる。
現地メディアによると、ピストンズが今夏FAで狙っているのは、サンズのデアンドレ・エイトンやホーネッツのマイルズ・ブリッジズ、マブスのジェイレン・ブランソンあたり。ただエイトンとブリッジズは制限付きFAとなるため、ピストンズがどれだけ魅力的なオファーをしても、それぞれの所属チームにマッチされる可能性が高い。
また今オフでは、カイリー・アービングやジェームズ・ハーデン、ブラッドリー・ビールらベテランスターがプレイヤー・オプションを破棄して無制限FAになるかもしれないが、3人とも年齢的にピストンズの再建タイムライン(ケイド・カニングハムが軸)にそぐわない選手。ピストンズが4000万ドル以上の今夏キャップスペースをどう使うのかに注目だ。
参考記事:「ESPN」