今季ロケッツのディフェンスがかなりひどい
2014-15シーズンはウェスト2位の56勝26敗を記録し、18年ぶりにカンファレンスファイナル進出を果たしたヒューストン・ロケッツ。オフシーズンにタイ・ローソンを獲得し、さらにロスターが強化されているはずだが、今季開幕から11試合で4勝7敗と調子が悪い。特にディフェンスがボロボロだ。
昨季はシーズンの半分でドワイト・ハワードが不在だったにもかかわらず、「100ポゼッションあたりの失点」(DefRtg)でリーグ6番目に優秀な数字を記録する高いディフェンス力を維持(ソース)。それが今季は、ニューオリンズ・ペリカンズに次ぐリーグワースト2位に転落してしまった。
現時点で、対戦相手の得点を100点未満に抑えた試合が1度もないのは、30チーム中ロケッツのみ。特にインサイドの守備が脆く、ゴール下5フィート(1.52m)以内から1試合平均20.6本のフィールドゴール(成功率63.2%)を奪われている(リーグワースト)。
ハワードやドナタス・モティユナス、テレンス・ジョーンズら主力ビッグの欠場が重なったため、スモールラインアップを多用せざるを得ず、リムプロテクションやリバウンドを十分確保できないのが大きな理由の一つだが、それに加えてプレーヤーたちのやる気や集中力にも問題があるのかもしれない。
中でも特に、ジェイムス・ハーデンのディフェンスが2年前のレベルに戻ってしまった、とする声が多くあがっている。現地14日のロケッツ対マブス戦では、そんなシーンが何度も見られた。
▼ハーデンのディフェンスミス
ドライブやバックドア・カットからの簡単なレイアップを何度も許している。ホームの実況解説も呆れ返ってしまう次第だ。なお今季のハーデンは、DFG%(マッチアップした相手のFG成功率)で48.7%を平均している(昨季は42.7%)。
またESPNのZach Lowe記者は、ロケッツの「フロアバランス」の悪さを指摘。オフェンス時に4人のプレーヤーがフリースローラインよりも奥にいる状態でポゼッションを終えてしまうことが頻繁にあるそうだ。
ロケッツのオフェンスでは上の画像のように、ハーデンがレイアップをミスして倒れ込み、ビッグマンがオフェンスリバウンドに飛び込む、というパターンが度々見られる。この時、相手の速攻に対応するため、最低でも2人はすぐにディフェンスに戻れるポジションにいなければならないのだが、ロケッツはそれができていない場合が多いらしい。こういったミスがトランジションでのイージーな失点につながっているという。
今季7敗のうち5試合が二桁点差の完敗で、平均得失点差はリーグワースト4位のマイナス7.7点。開幕前は、ロケッツがここまで苦戦するとは想像できなかった。
ビッグマンたちの健康状態が十分に回復すればディフェンスはマシになるだろうし、3P成功率29%とスランプ中のアウトサイドシューティングも自然と改善していくかもしれない。まだシーズンは始まったばかりなのでパニックに陥る必要はないが、そろそろメンタルスイッチを切り替えないと、後で遅れを取り戻すのが極めて困難になる。
データ:「NBA/Stats」