リッキー・ルビオの完璧なゲームメイクでスペインが日本に勝利、八村は五輪デビュー戦で20得点
7月26日、東京オリンピック男子バスケットボールの予選ラウンドがさいたまスーパーアリーナで行われ、Cグループの日本が優勝候補一角のスペインと対戦。前半に大量リードを奪ったスペインが88-77で日本を下し、五輪初戦を白星で飾った。
スペインが終始ペースを掌握する展開となったこの日の試合。スペインは第2Qを30-14のダブルスコアで上回って20点リードで前半を終えると、後半も大部分で二桁点差を維持したまま快勝を収めた。
ルビオがゲームを支配
この日のMVPは、大会屈指のポイントガードであるスペインのリッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)。わずか22分の出場で、FG13本中8本成功から20得点、9アシストの大活躍。しかもターンオーバーは0本と、見事なゲームコントロールでチームを勝利に導いた。
スペインはルビオがフロアに立った22分間で+27点を記録している。
ルビオが最も存在感を発揮したのは第2Qの後半だ。
試合は、第1Q序盤での9点ビハインドから日本が巻き返し、第2Q残り5分30秒に八村塁のスリーで26-26の同点。たまらずタイムアウトを取ったスペインは、司令塔のルビオをフロアに戻すと、そこからオフェンスが爆発。ハーフタイムにかけて22-2のランを展開し、一気に主導権を握った。
スペインはルビオの他、ビクトル・クレベールが13得点/9リバウンド、マルク・ガソルが12得点/4アシストで勝利に貢献。スリー28本中8本成功と、外のシュートが不振だったものの、セミトランジションなどからレーンを攻めて、インサイドで効率良く得点をあげた。
日本も確実に成長中
敗れた日本は、八村がゲーム最多タイの20得点、渡邊雄太が19得点/8リバウンドで奮闘。前半で20点ビハインドを背負いながらも、決して諦めることなく最後まで食い下がり、第4Q終盤には連続スリーで一桁点差まで巻き返した。
▼第2Qには八村がこの日一のハイライトプレイ
一度もリードを奪えないまま完敗したものの、強豪スペイン相手に予想以上の善戦。日本は2年前のFIBAワールドカップから確実に成長している。
この日の試合では、スリーポイントショットが高確率で決まり(27本中11本)、ファストブレイク得点でも18-10でスペインを上回った。ただその一方で、ハーフコートオフェンスではペネトレーションやカットを阻止されてスペインのインサイド守備を攻略できなかったため、全体的にタフショットが多かった印象。ペイントエリア得点では48-24で大きく競り負けている。
またディフェンス面では、レーンががら空きになってしまう場面が度々あったものの、第2Qのラスト5分間以外は良く守れており、特にペリメーターでのボールプレッシャーが素晴らしかった。普段はジャンプショットが苦手なルビオにあれだけズバズバ決められると、どうしようもない。
次に日本は、ルカ・ドンチッチ率いるスロベニアと29日に対戦。最大の課題は、言うまでもなくドンチッチをどう守るか。ドンチッチは22歳にしてオールNBAファーストチーム入りした逸材で、同日のアルゼンチン戦でも48得点をマークする大活躍を見せた世界トップクラスのスーパースターだ。
基本的にドンチッチをワンマンで封じ込めるのは不可能。なので、フルコートでプレッシャーをかけつつ、ドンチッチがスクリーンを使おうとする度に徹底してブリッツやダブルチームを仕掛けるといった極端な守備戦略も有効な手段の一つかもしれない。とにかくドンチッチになるべくボールを持たせない、リズムに乗せないことが大事だ。
ボックススコア:「FIBA」