サンアントニオ・スパーズ、今世紀初めてプレイオフ逃す
20年以上前から続いていたサンアントニオ・スパーズのプレイオフ出場記録が、ついに終わりを迎えることとなった。
NBAでは現地8月13日、メンフィス・グリズリーズとフェニックス・サンズがシーディングゲーム最終戦にそれぞれ勝利。スパーズは同日に試合を控えていたが、上の2チームが勝った時点でスパーズのウェスト11位が確定した。
グレッグ・ポポビッチHCのいないNBAプレイオフは23年ぶりとなる。
「サンアントニオの未来は明るい」
– デジャンテ・マレー
大記録、途絶える
スパーズが最後にプレイオフ出場を逃したのは1997年。
1996-97シーズンのNBAはシカゴ・ブルズの黄金期後半で、カール・マローンがMVP、アレン・アイバーソンが新人王を受賞し、セルティックスレジェンドのロバート・パリッシュが現役だった頃。バブルでスタメン入りしたロニー・ウォーカーがまだ生まれる前の話だ。
当時のスパーズは常にウェストの上位にくる強豪チームで、1990年から7年連続でプレイオフ進出。だがポストシーズンでは、ずっとカンファレンスを突破できないでいた。
そして1996-97シーズンには、大黒柱のデビッド・ロビンソンが怪我で大部分を欠場し、20勝62敗のボトムチームに転落。この“空白の1年”が、スパーズにとって球団史上最大の転機となる。
シーズンをリーグ下から3番目で終えたスパーズは、1997ドラフトロッタリーで幸運に恵まれ、全体1位指名権を獲得。ティム・ダンカンを指名した。
後に歴代屈指のビッグマンへと成長するダンカンを獲得したスパーズは、翌年からすぐにウェスト強豪チームへと返り咲き、そこから22年連続プレイオフ出場という偉業を達成する。
22年連続でのポストシーズン進出は、1950~70年代のフィラデルフィア・76ersと並ぶ歴代NBA最長記録。スパーズはその間に、トニー・パーカーやマヌ・ジノビリ、カワイ・レナードらロッタリー指名外の選手をスターへと育成しつつ、5回の優勝を成し遂げた。
▼スパーズのプレイオフラン
- 22シーズン連続ポストシーズン
- 優勝5回(ファイナルMVPはダンカン3回、パーカー1回、レナード1回)
- NBAファイナルで5勝1敗
- カンファレンスファイナル進出10回
バブルでのスパーズは5勝3敗。ラマーカス・オルドリッジ不在を考えれば、大健闘したと思う。プレイオフ連続出場記録が途絶えてしまったのは残念すぎるが、再び優勝を目指すのであれば、再建期突入は遅かれ早かれ避けては通れない道だ。
これでスパーズは、今年のドラフトで11位指名以上が確定。ロッタリー指名権を得るのは23年ぶりとなる。
さらにトップ4位に上がる可能性は9.4%で、1位指名の確率は2%。ダンカンを獲得した1997年のように奇跡は起こるかもしれない。
ボックススコア:「NBA」