アメリカ代表が東京五輪前のエキシビジョンゲームで連敗、今度はオーストラリアに
現地12日、ラスベガスのミケロブ・ウルトラ・アリーナでFIBAランキング1位のアメリカ代表と3位のオーストラリア代表がオリンピック前の親善試合を対戦。オーストラリアが91-83でアメリカを破り大金星をあげた。
アメリカ代表は、2日前にもナイジェリア代表とのエキシビションマッチに敗れたばかりだ。
この日の試合では、チームUSAが前半の主導権を握り、ハーフタイムで46-37の9点リード。対するオーストラリアは、後半に入ってからオフェンスのリズムを掴み、第3Qを32-18でアウトスコアしてリードを奪う。
▼クリス・ゴールディングのブザービーターで5点リード奪取!
一進一退の攻防となった第4Qは、アメリカが残り時間4分35秒にジェイソン・テイタムの速攻で逆転。
終盤で再びトレイルすることとなったオーストラリアだが、決してペースを乱すことなく、パティ・ミルズ(スパーズ)を中心としたオフェンスと見事なチーム守備ですぐに主導権を奪い返し、試合ラスト4分間を11-1でクローズして勝利をもぎ取った。
代表戦ミルズはスター級
国際試合バージョンのパティ・ミルズが強すぎる。
2日前のアルゼンチン代表との試合では、ブザービーターで決勝弾を決めてチーム最多の17得点をマーク。さらに同日のアメリカ戦では、ゲーム最多の22得点をあげた。
NBAではオフボールでの役割が多いロールプレイヤーのミルズだが、オーストラリア代表チームでは昔からバリバリのオンボール・スコアラー。この日の試合でも、バム・アデバヨやドレイモンド・グリーンといった世界屈指のディフェンダーからアイソレーションで得点を奪い、さらに終盤の勝負所では1on1でケビン・デュラントを翻弄するシーンも見られた。
オーストラリアはミルズの他、ジョー・イングルス(ユタ・ジャズ)が17得点で勝利に貢献。76ersのマティス・サイブルが12得点、3スティール、2ブロックと再び攻守で存在感を示した。
オーストラリアには長く代表として戦ってきたベテランが多く、チームのケミストリーは抜群。また若手のサイブルも、予想以上の成長を見せている。今年のロスターにベン・シモンズがいないのが少し残念だ。
USA大丈夫?
まさかのエキシビションマッチ2連敗を喫したアメリカは、デイミアン・リラードが22得点、ケビン・デュラントが17得点、ブラッドリー・ビールが12得点をマーク。二桁得点に届いたのは、この3選手のみに終わった。
今年のチームUSAは、サイズを犠牲にして、シュートに強い万能なウィング/フォワードを多く集めたロスター構成。タレントレベルだけを見れば確実に世界最強のスター軍団だが、センターとポイントガードのポジションがやや手薄な印象だ。
リムプロテクターと呼べるのはバム・アデバヨとドレイモンド・グリーンくらいで、オフェンス面でも純粋なPGがデイミアン・リラードのみ。この日の試合でも、ペイントエリア得点でオーストラリアに圧倒され、さらに終盤の勝負所ではオフェンスが大失速してしまった。
今後チームUSAには、デビン・ブッカー、ドリュー・ホリデー、クリス・ミドルトンの3選手が加入する予定。戦力アップになるのは間違いないが、3人とも現ロスターの選手たちとスキルセットの面で被る部分が多く、サイズや司令塔不足の穴は埋められない。もしラッセル・ウェストブルックやアンソニー・デイビスがいれば、チームの完成度は跳ね上がっていたはず…。
なんだかんだ言っても、五輪本戦になればアメリカがトーナメントを席巻することになるとは思う。ただオーストラリアやナイジェリアを含め、各国のレベルが追いついてきているのは確実だ。
ボックススコア:「NBA」