ウォリアーズがマーク・ジャクソンHCを解雇
ゴールデンステイト・ウォリアーズが6日、チームで3年間ヘッドコーチを務めたマーク・ジャクソンの解雇を正式に発表した。
ジャクソンがウォリアーズのヘッドコーチに就任したのは2011-12シーズン。それ以来、20年ぶりのシーズン50勝達成や2年連続プレイオフ進出などを達成してチームを大きく躍進させたが、球団のフロントオフィス陣を満足させることはできなかった様子。解雇についてウォリアーズのGMボブ・マイヤーズは次のような声明を出した:
「我々はジャクソンが示してきたチームに対する真摯な姿勢やコミットメント、さらに彼の貢献に深く感謝している。しかしながら、今は球団として方向転換することが最善だと考えた」
– マイヤーズGM
リアクション:
解雇発表後、ジャクソンはTwitterから選手たちにメッセージを共有:
Thanks to my Players! I Love U! We accomplished A lot together! I wish u all Nothing but the Best!! God Bless
— Mark Jackson (@MarkJackson13) 2014, 5月 6
「私のプレーヤーたちに感謝したい!君たちが大好きだ!我々は共に多くのことを達成できた!君たちの幸運を祈っている!!」
– マーク・ジャクソン
プレイオフ1回戦でウォリアーズと死闘を繰り広げたクリッパーズのドック・リバースHCは、ウォリアーズの決断に対してやや批判的なコメントを残している。
「おかしなことだ。マーク・ジャクソンは千年ぶりにチームを連続プレーオフ進出に導き、解雇された」
– ドック・リバース
ウォリアーズのエース、ステファン・カリーはインタビューでジャクソンHCへの感謝の気持ちを述べた。
「3年間ジャクソンコーチは僕にプレーヤーとして、そして人として刺激を与えてくれた。彼の経験や指導は僕たち一人ひとりをこのリーグで成長させてくれたんだ。彼には感謝しきれない」
– ステファン・カリー
カリーは数日前に解雇の噂が上がったときにも、「僕は誰よりもコーチが好きだ。彼がポジションを脅かされるような状況に立たされているのはフェアじゃない」とコメントし、全面的に解雇反対の意志を表していた。
▼カリーとのスリーポイント勝負を楽しむジャクソン
何がダメだった?
ウォリアーズにとって今回の解雇は本当に正しい決断だったのか?よりチームに合ったHCを獲得できる見通しは立っているのだろうか?
確かにジャクソンはNBAで最高のヘッドコーチとはいえない。彼のコーチングにはやや柔軟性を欠いた部分がある。
まず彼のローテーション戦略は、「ゲームの流れに応じて臨機応変に」というものではなく、試合前にいつどの選手を入れ替えるかプランを練って、その通りに実行しているだけような印象を受けた。ある選手が波に乗っている場合でも時間が来れば交代、というような場面を何度も見た気がする。タイムアウトに関しても、ジャクソンHCはたまに相手のランを放置する傾向があり、大量リードがいつの間にか消滅してしまう状況がいくつもあった。
またオフェンス面でもバリエーションが少なく、特にゲーム終盤でリードしている場面ではアイソレーションに頼ることが多い。クロックマネジメントや選手のスタミナをセーブするという目的があるらしいが、あまりに効率の悪いアイソプレーの連発にヤキモキしたファンも結構いるはずだ。
上記のような部分はあるにせよ、ジャクソンHCは決して悪いヘッドコーチではなかった。
まず第1に、オフェンスオンリーだったウォリアーズを、リーグ有数のディフェンスチームにまで育て上げた。ベンチローテーションやタイムアウトに関しても、プレーオフ中はずいぶんと改善した印象だ。
また選手たちからの信頼も非常に厚く、チームのモチベーションを高める能力も素晴らしい。そして何よりも、ジャクソンHCの就任以来、ウォリアーズが正しい方向に進んだのは明らかだ(もちろんすべてがHCの手柄じゃないが…)。
ただ報道によると、解雇の理由はコーチングスキルうんぬんよりも、ジャクソンと経営陣との関係悪化が原因になったとの見方が強い。
ウォリアーズの決断が吉と出るかどうかはまだわからないが、次のヘッドコーチには相当なプレッシャーがかかることだろう。
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ソース:「NBA.com」