カリーとクレイのクラッチスリーでウォリアーズがファイナル第5戦勝利
スプラッシュブラザーズが正念場でステップアップし、3連覇の希望をつなげた。
NBAでは現地10日、スコシアバンク・アリーナでゴールデンステイト・ウォリアーズとトロント・ラプターズが2019ファイナル第5戦を対決。大接戦の末、負ければ終わりの崖っぷちで臨んだウォリアーズが106-105で辛勝し、シリーズを2勝3敗とした。
第5戦では、ふくらはぎの怪我で離脱していたケビン・デュラントがついに戦線復帰。やはりデュラントのインパクトは絶大だった。
例え100%のコンディションでなくとも(特にドライブなど縦の動きがぎこちなかった印象)、スポットアップしているだけでウォリアーズのスペーシングは大きく改善。KDがフロアにいればラプターズのベストディフェンダーであるカワイ・レナードを引き付けておけるし、何よりもチームメイトたちの自信につながる。
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ようやくフルメンバーが揃ったこの日のウォリアーズは、ティップオフからドレイモンド・グリーンをセンターに置く最強ラインアップを投入。第1Qだけで11本中7本のスリーを決める絶好調のスタートを切り、序盤の主導権を握った。
対するラプターズは外のシュートが当たらないながらもオフェンスリバウンドやフリースローで点を稼いで食い下がり、試合は最初のピリオドを終えた時点で34-28の6点差。アップテンポなペースでゲームが展開する中、第2Q序盤にウォリアーズにとって最も恐れていたことが現実となってしまう。
▼KDが負傷
怪我の深刻さが分からなかったというのもあるのかもしれないが、デュラントの負傷を喜ぶかのような歓声がアリーナから上がったのは本当に残念(デュラントが退場する頃には「KDコール」に変わっていたが…)。カイル・ラウリーやパスカル・シアカムらがファンたちに「やめてくれ」と訴えかける姿が印象的だった。
デュラントの負傷退場で大打撃を受けたウォリアーズだが、KDと交代でフロアに出たデマーカス・カズンズの7連続得点によりリードを二桁に拡大。その後もラプターズが1~2ゴール差に巻き返す度に、ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンらがスリーを沈め、試合はウォリアーズの6点リードで第3Qを終える。
レナードのテイクオーバー
第1Q以降、試合を通してトレイルする形となったホームチームのラプターズだが、第4Qに入ってからカイル・ラウリーとサージ・イバカの奮闘で追い上げると、ピリオド中盤からエースのカワイ・レナードが覚醒。
最初の3ピリオドでミドル~ロングレンジショットの成功が0本と不調気味だったレナードだが、第4Q中盤にオンボールから10連続得点をあげる圧巻のワンマンランを展開し、残り時間3分でラプターズを6点リードへと押し上げた。
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スプラッシュブラザーズが応戦
レナードのテイクオーバーでラプターズが完全に流れを引き寄せたかと思われたが、そこから今度はウォリアーズが王者の意地を見せて猛反撃。
残り時間3分からラプターズの得点を0に抑える好守備を展開しつつ、カリーとトンプソンのスプラッシュブラザーズが3本連続でスリーポイントショットに成功。残り57秒で3点リードを奪取と、試合を一気にひっくり返す。
▼BANG!!
その後ラプターズはラウリーが残り29秒でレイアップをねじ込んで(カズンズのゴールテンディング)1点差に迫ると、続くポゼッションではウォリアーズのカズンズにイリーガルスクリーンの判定。ラプターズは優勝を決めるチャンスを手にするが、ラウリーが時間ギリギリで放った逆転スリーアテンプトはドレイモンド・グリーンにブロックされ、ウォリアーズが逃げ切る形となった。
ウォリアーズは、カリーが31得点/7アシスト、トンプソンがスリー13本中7本成功から26得点をマーク。ドレイモンド・グリーンが10得点/10リバウンド/10アシストとオールラウンドに活躍した他、デマーカス・カズンズがベンチから14得点で勝利に貢献した。
KDの怪我
試合後、ウォリアーズのボブ・マイヤーズGMは記者会見に応じ、デュラントの怪我について言及。KDはふくらはぎの怪我が悪化したのではなく、アキレス腱の損傷だと涙に声を震わせながら明かした。
デュラントは翌日にMRI検査を予定しているが、このままファイナル離脱となる可能性が高そうだ。
初優勝をギリギリで逃すこととなったラプターズは、レナードが26得点、ラウリーが18得点、ガソルが17得点を記録。2019ファイナル第6戦は現地13日にオラクルアリーナで行われる。
ボックススコア:「NBA」