NBAの2019-20シーズン中断について
NBAは現地3月11日、選手から新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受け、2019-20シーズンの残りのスケジュールを無期限で延期することを発表した。
「NBAはユタ・ジャズの選手に新型コロナウイルス(COVID-19)の予備検査で陽性反応が出たことを発表。この検査結果は、同日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行われる予定だったジャズ対オクラホマシティ・サンダー戦の試合開始直前に伝えられました。その時点で試合は中止。感染したとされる選手はアリーナに入場していません。NBAでは、今夜以降の試合日程が無期限で延期となります。リーグでは今回の中断期間中に、新型コロナウイルスのパンデミックについてどのように対応すべきか協議する方針です」
衝撃のニュースが飛び出したのは、まさにジャズ対サンダー戦のティップオフ直前。ジャズのルディ・ゴベアに新型コロナウイルスの陽性反応が出たことが明らかとなり、満員だったアリーナではすぐに試合延期がアナウンスされる。
▼シーズン中断を知ったマーク・キューバン(マブスオーナー)
そこからのNBAの対応は迅速だった。
ちょうど同日のNBAでは、ゴベアの感染が発覚する数時間前にも、コロナウイルスへの対応策が協議されていたところで、ESPNによると、チームオーナーたちの間では無観客試合でシーズン続行との意見が大半を占めていた模様。早ければ現地12日にも今後の方針が発表される見込みだったそうだ。
ただ、もし選手から感染者が出た場合の処置については、以前から決まっていたのだろう。
ゴベアのニュースから間もなく、NBAはシーズン停止を発表。その時点ですでに途中だった試合は最後まで行われたが、ティップオフ前だったジャズ対サンダー戦、キングス対ペリカンズ戦は延期となった。
なおゴベアは感染症の症状が今のところほとんど現れていないらしく、もし検査で陰性だった場合は試合に出場する予定だったとのこと。同郷フランス出身のエバン・フォーニエはTwitterを更新し、「たった今ルディ(ゴベア)と電話で話した。彼は大丈夫。だからみんなパニックにならないで欲しい」とツイートした。
シーズン中断は残念で仕方ないが、間違いなく英断だったと思う。現時点では、どこまで感染が広がっているのかまったく分からない。
今後は?
NBAは感染拡大防止の処置として、ジャズおよびジャズと最近対戦したチームの選手や関係者に、各自で外部接触を避けるよう通達。3月に入ってからはキャブス、ニックス、セルティックス、ピストンズ、ラプターズの5球団がジャズと試合をしている。
問題はジャズや上記5チームだけにとどまらない。それぞれのチームがジャズ戦後に対戦した球団の選手、さらにそれらの試合を担当した審判たちも感染している可能性がある。
▼ここ5日間の試合だけで30チームがつながる
シーズン再開の時期については、今のところ完全に未定。最低でも2週間の中断は確実だが、実際はそれよりもかなり長引くことになるだろう。
来季キャップスペースにも影響?
今回のシーズン中断は、2020-21シーズンのキャップスペースにも大きな影響を及ぼすかもしれない。シーズンにおけるリーグ全体のバスケットボール関連収益(BRI)が、次のシーズンのサラリーキャップとラグジュアリータックス設定額に直接関係するからだ。
ESPNによると、もし残りレギュラーシーズンのスケジュールを無観客試合で再開するとなった場合、チケットなどからの収益を得られなくなるため、BRIにして約5億ドルの損失になる見込みだという(プレイオフを含めず)。また通常通り観客を入れて再開できるようになった場合でも、残りシーズンが短縮されるかどうかで違ってくる。
参考記事:「NBA」