【SAS-OKC第5戦】サンダーが再び終盤での逆転勝利、シリーズ3勝2敗へ
現地10日にAT&Tセンターで行われたオクラホマシティー・サンダー対サンアントニオ・スパーズのカンファレンス・セミファイナル第5戦は、クラッチタイムの争いを制したサンダーが95-91で勝利。敵地でシリーズを3-2とし、カンファレンスファイナル進出に王手をかけた。
スパーズの粘り強さと安定感は一体どこへ…?レギュラーシーズンでは、サンダーが試合終盤での低調を指摘されていたが、カンファレンス・セミファイナルのシリーズ、特にここ2試合では完全に立場が逆転している。第4戦に続いて、第5戦でも最終ピリオド開始時点でリードしていたスパーズだが、正念場で競り負けるという形に終わった。
この日のスパーズは立ち上がりが悪く、第1Qを22-16でアウトスコアされるも、第2Qに入ってからカワイ・レナードがピリオド15得点の大活躍をみせ、逆転に成功。5点リードで試合を折り返すと、第3Q中盤には点差を13点に広げるが、そこからオフェンスが停滞してフィールドゴールを決められなくなり、サンダーに20-10のランを許してしまい、第4Q開始時点で3点差にまで追い上げられる。
それでも何とかリードを維持し、第4Q残り4分にレナードのダンクで6点差を付けるが、サンダーはラッセル・ウェストブルックやエネス・カンターがステップアップし、10-2のランを展開して、残り時間54秒で2点リードを奪取。対するスパーズは、そこから何度か同点もしくは逆転のチャンスを手にするも成果を出せず、1点ビハインドで迎えた残り6秒には、ウェストブルックにカウントワンスローのレイアップをねじ込まれ、シリーズ崖っぷちに立たされることとなった。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
OKC | 22 | 21 | 26 | 26 | OKC |
SAS | 16 | 32 | 24 | 19 | SAS |
2年ぶりのカンファレンスファイナル進出まであと1勝に迫ったサンダーは、ウェストブルックが35得点、11リバウンド、9アシストを記録。8ターンオーバーとミスも多かったが、正念場ではファインプレーを連発して、チームを勝利に導いた。
他には、ケビン・デュラントが23得点、6リバウンド、5アシストをマーク。さらにスティーブン・アダムスとカンターのビッグマンコンビが合計20得点、24リバウンドで大貢献した。チームのリバウンド数では、54-36でスパーズを大きく上回っている。
後がなくなったスパーズは、レナードが26得点、6リバウンド、4アシスト、5スティールとオールラウンドに活躍。ダニー・グリーンがスリー6本成功で20得点を獲得した他、ラマーカス・オルドリッジは20得点、9リバウンドをあげたが、オープンのミドルレンジをまったく沈めることができず、FG成功率28.6%に終わった。
▼レナード
スパーズのディフェンスは悪くなかった。サンダーをFG44%の95得点に抑えられれば上出来だろう。ただオフェンスの浮き沈みが激しすぎる。
後半には二桁リードを獲得して主導権を握るも、第3Q残り4分から第4Q残り10分にかけての6分間でフィールドゴール成功0本と、スコアが大幅に停滞。サンダーの好守備に加えて、プレッシャーもあったのか、スパーズの選手がシュートを打つのに躊躇しているようにも感じられ、いいポジションでのショットをわざわざ見送ってパスを出し、その結果タフショットに終わってしまう場面が何度もあったように思える。正念場でベストプレーヤーのレナードにボールを回せなかったのも痛い。
それからリバウンドも大きな問題点だ。スパーズが53本のシュートミスから10オフェンスリバウンドを獲得(18.9%)したのに対して、サンダーは44本のシュートミスから15オフェンスリバウンド(34.1%)。サンダーは、シュートミス3回につき1回の割合でセカンドチャンスを手に入れたことになる。特にボリス・ディアウとデビッド・ウェストのラインアップが、若くてアスレチックなサンダーのビッグに圧倒され、リバウンド確保に苦戦した。
レギュラーシーズンではスパーズ最大の武器の一つだったセカンドユニットも存在感が薄く、第5戦ではベンチ合計で11得点/11リバウンドと、ほとんど貢献できず(サンダーベンチは20得点/16リバウンド)。何よりも、ダニー・グリーンが絶好調、なおかつ相手に+12のターンオーバー(スパーズ8、サンダー20)を出させたホームでの試合で勝利できなかったは、非常に厳しい。
▼グリーン、スリー6本
とりあえず、この日の試合がダンカンとジノビリにとって現役最後のホームゲームにならないことを祈りたい。スパーズとサンダーのシリーズ第6戦は、現地12日にオクラホマシティーで行われる。
ボックススコア:「NBA」