【ファイナル第4戦】オフェンスリズムを取り戻したウォリアーズが21点差の圧勝、シリーズ2勝2敗に
現地11日に行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズのファイナル第4戦は、ようやく本来の強さを十分に発揮できたウォリアーズが103-82で完全勝利。今季ファイナル4試合目にして、初の二桁得点差決着に終わった。
シリーズ1勝2敗でのアウェイ戦と、勝利へのプレッシャーが重くのしかかる状況で第4戦に臨んだウォリアーズは、これまでのゲームプランに大きく修正を加え、ドレイモンド・グリーンをセンターに置くスモールラインアップでスタートする。
開始直後はキャブスのビッグにリバウンドを立て続けに奪われ苦戦し、わずか2分で7点差をつけられるも、スティーブ・カーHCはパニックに陥ることなく、同じユニットのまま試合を続行。タイムアウト明けの3連続フィールドゴールで勢いに乗り始めると、そこからアップテンポなオフェンスで得意の展開に持ち込み、前半に54得点を挙げて12点リードを奪い、主導権を握った。今季ファイナルで、ウォリアーズがリードしたまま折り返しを迎えたのは、この試合が初めてとなる。
▼第2Qには、レブロンがカメラに頭をぶつけて出血するアクシデントも
後半に入ると、キャブスはリズムを立て直して猛反撃を開始。ディフェンスを引き締めて、ウォリアーズにターンオーバーを誘発させながら、レブロン・ジェイムスやティモフェイ・モズコフらがインサイドから得点を重ね、第3Q残り30秒で3点差にまで迫った。
▼デラベドバからレブロンへアリウープ
しかしここから試合の流れが逆転。ウォリアーズは第4Q序盤にレブロンがベンチに下がった隙をついて、点差を再び二桁台に戻すと、その後も見事なパス回しのチームオフェンスでキャブスを圧倒する。
反対にキャブスはすでにガス欠をおこした様子で、第4Qは何をやっても上手くいかず。残り時間3分で19点ビハインドとなり、この時点で早々とスタメンをベンチに下げて勝利を諦めた。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
GSW | 31 | 23 | 22 | 27 | 103 |
CLE | 24 | 18 | 28 | 12 | 82 |
カリーがプレーオフ得点の球団新記録
ウォリアーズは、ステファン・カリーが4本のスリーを成功させ、チームハイの22得点を獲得。今季プレーオフで通算532得点目をマークしたことになり、1967年のリック・バリーを追い越して、1ポストシーズン通算得点の球団新記録を樹立した。
▼カリー、ファイナル第4戦ハイライト
▼ウォリアーズのプレーオフ得点記録トップ5
プレーヤー | シーズン | 通算得点 |
ステファン・カリー | 2015年 | 532 |
リック・バリー | 1967年 | 521 |
リック・バリー | 1975年 | 479 |
ウィルト・チェンバレン | 1962年 | 420 |
ウィルト・チェンバレン | 1964年 | 416 |
イグダーラがレブロンをアウトプレー
第4戦で今季初のスタメン出場を果たしたアンドレ・イグダーラは、自己シーズン最多となる22得点と8リバウンドをマークした。
ファーストブレイクのダンクやロングレンジシュートを要所で決める一方で、マッチアップしたレブロンに対して好ディフェンスを披露。攻守でウォリアーズの起爆剤となるオールラウンドな大活躍をみせた。
カーHCは試合後、「イグダーラは4試合を通して我々のベストプレーヤーだ」と称賛を送った。
ウォリアーズは他に、ドレイモンド・グリーンが15得点/7リバウンド/6アシストを記録。第3戦とは打って変わって、パスやドライブなどディシジョンメイキングに迷いがなくなり、本来のプレーを取り戻せていた印象だ。ピック&ロールからバスケットをアタックした際に、ファウルをもらえるようになったのも大きい。
前の試合に続き、再びローテーション入りしたデイビッド・リーは、15分の出場時間で9得点と5リバウンドを獲得。ショーン・リビングストンも7得点/8リバウンド/4アシストのオールラウンドゲームで勝利に貢献している。
第4戦のウォリアーズは、試合の大部分でスモールボールを展開したため、アンドリュー・ボーガットはわずか3分程度の出場のみ。役割が激減することとなったが、それについて不満は一切ないという。
「プライドなんて本当にどうでもいい。最後にチャンピョンリングを手にできれば、それがプライドになるから」
– アンドリュー・ボーガット
レブロンがようやく人間に戻った
ファイナル最初の3試合を通して平均41得点、12リバウンド、8.3アシストと、超人的なパフォーマンスを続けていたレブロン・ジェイムスだが、第4戦はやや精彩を欠いた。
特に終盤は疲労もあったのか、自らアイソレーションで積極的に攻める回数が減り、第4Qを0得点に抑えられている。最終的に、フィールドゴール成功数22本中7本の20得点、12リバウンド、8アシストに終わった。十分凄い数字ではあるが…。
これまでレブロンに対して、ほとんどダブルチームに行かなかったウォリアーズだが、この日は注意深く状況を判断しながらウィングやベースラインでトラップを仕掛ける場面が度々見られた。
モズコフはキャリアハイ
キャブスは、ウォリアーズのスモールラインアップに対して、ティモフェイ・モズコフとトリスタン・トンプソンのビッグマンコンビが大奮闘した。
モズゴフは16本中9本のFG成功で、キャリア最多の28得点、10リバウンドのダブルダブルを記録。12本中10本の高確率でフリースローを沈めた他、6本のオフェンスリバウンドを獲得している。
試合後、ウォリアーズのグリーンは、モズコフのパフォーマンスについて、「リーグで最も過小評価されている選手だと思う」と敬意を表すコメントを残している。
ミドル~ロングレンジに大苦戦
キャブスのフロントコート陣が活躍する反面、ガード陣はまったくリズムをつかめなかった。デラベドバ、J.R.スミス、イマン・シャンパートの3選手の合計で、FG成功率が2割(35本中7本)の19得点。ノーマークのオープンショットもことごとく外れる結果となった。
第4戦のキャブスは、チーム全体のフィールドゴール成功率が33%(88本中29本)、3P成功率が14.8%(27本中4本)。ペイントエリア外シュートでは、今季ワーストとなる13.3%(45本中6本)を記録している。
▼キャブス、ファイナル第4戦ショットチャート
J.R.スミスは、ハンドルなしのセグウェイでスタジアム入り。
AP通信の記者によると、カーペットで転びそうになったらしい。
これでシリーズは2勝2敗と、ファンにとって嬉しい展開となった。ファイナル第5戦は、現地14日にウォリアーズの本拠地で行われる。
Screenshot via YouTube/NBA
ボックススコア:「NBA」