2019-20シーズンGMアンケート調査:クリッパーズが優勝本命
NBAが現地10月17日、来週から開幕する2019-20シーズンの「GM Survey」を公開した。
GM Surveyは、NBA30チームのゼネラルマネージャー(GM)を対象に実施される毎年恒例のアンケート調査。優勝チームやMVP、ルーキー賞の予想から、選手やヘッドコーチたちに対する評価まで、GMたちの投票によるシーズンの展望がまとめられている。
GM Survey2019-20
1.シーズン予想
Q:2020年ファイナルの勝者は?
- ロサンゼルス・クリッパーズ – 46%
- ミルウォーキー・バックス – 36%
- ロサンゼルス・レイカーズ – 11%
※昨季予想:ウォリアーズ – 87%
優勝レース一番人気は、オフシーズンにカワイ・レナードとポール・ジョージのスーパースター2人を獲得したクリッパーズ。昨季に60勝を達成しMVPを輩出したバックスも強い。
上記の3チームの他には、ウォリアーズとブレイザーズが票を獲得。今季はウォリアーズ王朝が崩れたことで、久々に優勝の予想が難しい群雄割拠のシーズンとなるが、個人的にロケッツと76ersに票が入っていないのが意外だ。
ちなみに昨季のアンケートでは、87%のGMがウォリアーズの優勝を予想。だがプレイオフでのケビン・デュラントやクレイ・トンプソンの怪我により、3連覇は実現しなかった。
以下、東西カンファレンスの予想順位(上位4チーム):
▼イースト
チーム | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 |
MIL | 76% | 21% | ||
PHI | 24% | 62% | 7% | 4% |
BOS | 17% | 52% | 18% | |
BKN | 21% | 11% |
▼ウェスト
チーム | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 |
LAC | 66% | 17% | 10% | 4% |
DEN | 3% | 28% | 28% | 25% |
LAL | 14% | 17% | 17% | 25% |
UTA | 21% | 34% | 11% |
※100%にならないのは、各GMが自分のチームに投票できないため
2.アワードとプレイヤー
Q:2019-20シーズンのMVPは?
- ヤニス・アデトクンボ – 52%
- ステフィン・カリー – 10%
アンソニー・デイビス – 10%
カワイ・レナード – 10% - ニコラ・ヨキッチ – 7%
GMの半分がヤニス・アデトクンボの2季連続MVPを予想している。
ヤニスの他に票を獲得したのは、いずれもウェスタンカンファレンスのスターたち(上記の他には、レブロンとハーデン、リラードにそれぞれ1票)。今季のMVPレースは、ウェストの順位表がカギとなりそうだ。
なおGMアンケートでレブロンがMVP最有力候補にならなかったのは2012-13シーズン以来初。昨季に36得点を平均したジェイムス・ハーデンは獲得票数がわずか1票だった。
Q:新たに球団を立ち上げる際、好きな選手を1人選べるとしたら誰?
- ヤニス・アデトクンボ – 52%
- アンソニー・デイビス – 7%
ルカ・ドンチッチ – 7%
※昨季:ヤニス・アデトクンボ – 30%
ここでも半数がヤニス・アデトクンボをピック。またADと並んで、ルーキーシーズンを終えたばかりのルカ・ドンチッチが2位に入っているのも凄い。
Q:各ポジションのベストプレイヤーは?
PG | ステフィン・カリー | 90% |
SG | ジェイムス・ハーデン | 86% |
SF | カワイ・レナード | 62% |
PF | ヤニス・アデトクンボ | 59% |
C | ニコラ・ヨキッチ | 48% |
SFポジションでは、ついにレブロン・ジェイムスが1位から脱落。昨季にラプターズを優勝へと導きファイナルMVPに輝いたカワイ・レナードがトップになった。レブロンが1位から外れるのは、同アンケートが始まってから恐らく初だろう。
Q:今季に大ブレイクしそうな選手は?
- ディアロン・フォックス – 19%
- ジェイソン・テイタム – 11%
ジャレン・ジャクソンJr. – 11% - ジャマール・マレー – 7%
ブランドン・イングラム – 7%
キングスのディアロン・フォックスは、プロ3年目で大ブレイクしたラッセル・ウェストブルックと似たようなキャリア成長曲線を描きそうな予感。
▼フォックスの2018-19ハイライト
Q:NBAのベストディフェンダーは?
- カワイ・レナード:45%
- ルディ・ゴベア:28%
- ドレイモンド・グリーン:10%
- ヤニス・アデトクンボ:7%
ポール・ジョージ:7% - アンソニー・デイビス:3%
もしカワイ・レナードが昨季プレイオフのオフェンスパフォーマンスを維持しつつ、オールディフェンシブチームレベルの守備を発揮すれば、今季のMVP最有力候補になるだろう(ロード・マネジメントが最大の敵)。
Q:最もアスレチックな選手は?
- ザイオン・ウィリアムソン:41%
- ヤニス・アデトクンボ:28%
- アーロン・ゴードン:7%
デリック・ジョーンズJr.:7%
ミッチェル・ロビンソン:7%
ラッセル・ウェストブルック:7% - ザック・ラビーン:3%
ルーキーのザイオン・ウィリアムソンが1位。
Q:NBAのベストシューターは?
- ステフィン・カリー:86%
- クレイ・トンプソン:11%
- JJ・レディック:4%
Q:ベストパサーは?
- レブロン・ジェイムス:57%
- ニコラ・ヨキッチ:32%
- クリス・ポール:7%
- ジェイムス・ハーデン:4%
上位4人中PGポジションがクリス・ポールだけというのが面白い。
Q:最もバスケットボールIQが高い選手は?
- レブロン・ジェイムス:64%
- ニコラ・ヨキッチ:11%
- クリス・ポール:7%
ラジョン・ロンド:7%
上の質問とほぼ同じ回答。
Q:最もオフボール・ムーブに長けた選手は?
- クレイ・トンプソン:43%
- JJ・レディック:25%
- ステフィン・カリー:21%
- カイル・コーバー:7%
- CJ・マッカラム:4%
Q:最もタフな選手は?
- スティーブン・アダムス:32%
- ドレイモンド・グリーン:18%
- PJ・タッカー:14%
- レブロン・ジェイムス:7%
Q:最も万能な選手は?
- ヤニス・アデトクンボ:46%
- レブロン・ジェイムス:39%
- カワイ・レナード:7%
Q:正念場でショットを託したい選手は?
- ステフィン・カリー:44%
- ケビン・デュラント:11%
デイミアン・リラード:11%
クレイ・トンプソン:11% - カイリー・アービング:7%
カワイ・レナード:7%
▼2018-19シーズンのクラッチショット集
3.ルーキー&インターナショナル
Q:2019-20シーズンの新人王は?
- ザイオン・ウィリアムソン:68%
- ジャ・モラント:29%
- ダリウス・ガーランド:4%
※昨季予想:ルカ・ドンチッチ – 43%
1位指名のウィリアムソンと2位指名のモラントが今季新人王レースの1、2番人気。キャブスから全体5位指名を受けたガーランドも票を獲得した。
ルーキー・オブ・ザ・イヤーはチームの勝率よりもスタッツが重視される傾向なので、再建中のウィザーズに入った八村塁のレース参戦にも期待。
Q:NBAインターナショナル勢のベストプレイヤーは誰?
- ヤニス・アデトクンボ:79%
- ニコラ・ヨキッチ:14%
- ルカ・ドンチッチ:7%
同投票でルカ・ドンチッチがジョエル・エンビードやベン・シモンズを上回ったのは驚き。
Q;NBA外で最も優れたインターナショナル・プレイヤーは?
- ニコラ・ミロティッチ(スペイン):55%
- ナンド・デ・コロ(フランス):21%
- セルヒオ・ユル(スペイン):17%
個人的には、2019FIBAワールドカップで大活躍したアルゼンチン代表のファクンド・カンパッソを推したい。
▼カンパッソのFIBAハイライト
4.チーム&ヘッドコーチ
Q:最も優秀なヘッドコーチは?
- グレッグ・ポポビッチ:55%
- エリック・スポールストラ:17%
- マイク・ブーデンホルツァー:10%
- スティーブ・カー:7%
※昨季:ブラッド・スティーブンス – 47%
スパーズのグレッグ・ポポビッチHCが1位に返り咲き。
Q:実戦でのアジャストメントに最も長けたコーチは?
- リック・カーライル:28%
- ブラッド・スティーブンス:17%
- クイン・シュナイダー:14%
- スティーブ・クロフォード:10%
グレッグ・ポポビッチ:10% - ニック・ナース:7%
Q:現役選手の中で優秀なコーチになりそうなのは?
- マイク・コンリー:26%
- クリス・ポール:19%
- マルコム・ブログドン:15%
- ラジョン・ロンド:11%
ブログドンが意外。
Q:最も有望な若手コアを持つチームは?
- ペリカンズ:28%
- ナゲッツ:24%
- ホークス:17%
- キングス:10%
- 76ers:7%
超大型新人のザイオン・ウィリアムソンや2016年と2017年のドラフト2位指名(ブランドン・イングラムとロンゾ・ボール)を有するペリカンズがトップ。ランクインしなかったマブスは、もう1人スター候補の若手が欲しいところか?
▼ザイオン・ウィリアムソンのプレシーズン
Q:2019-20シーズンに最も躍進しそうなチームは?
- レイカーズ:38%
- マブス:21%
- クリッパーズ:10%
- ホークス:7%
ネッツ:7%
ブルズ:7%
ペリカンズ:7% - ニックス:4%
ニックス…?
5.オフシーズンとその他
Q:今オフシーズンの勝者は?
- クリッパーズ:82%
- ペリカンズ:11%
クリッパーズは今季こそ球団史上初のカンファレンスファイナル進出なるか?
Q:今オフ最大のサプライズは?
- ポール・ジョージのLACトレード移籍:52%
- クリス・ポールとラッセル・ウェストブルックのスワップ:28%
- ニコラ・ミロティッチのユーロリーグ移籍:7%
カワイ・レナードのクリッパーズFA加入はまだしも、ポール・ジョージのトレード移籍を予想できたファンは0.01%もいないはず。それほど衝撃的な出来事だった。
Q:もっと評価されるべきオフシーズン人事は?
- ジャズのマイク・コンリー獲得:36%
- ジャズのボヤン・ボグダノビッチ獲得:14%
- ペイサーズのマルコム・ブログドン獲得:11%
ナゲッツのジェレミー・グラント獲得:11% - ブルズのトーマス・サトランスキー獲得:7%
Q:改正が必要なルールは?
- プレイオフのシーディング(東西を混ぜて1位~16位にすべき):18%
- ドラフト(コンバインの改善とメディカル情報の透明化):11%
ドラフトロッタリー:11%
FA(ドラフト前にスタート、モラトリアム期間の廃止):11%
スケジュール(試合数削減、2夜連続試合の排除):11%
この問いでは、GMならではの意見がいい感じに反映されていると思う。
参考記事:「NBA」