76ersが敵地でラプターズを破りシリーズイーブンに
プレイオフの醍醐味の一つといえば、各チームのコーチ陣による“アジャストメント”合戦。レギュラーシーズンとは違い、同じ相手と続けて戦うので、どれだけ柔軟かつ的確にゲームプランを変えられるかが勝敗を分ける。
現地4月29日、フィラデルフィア・76ersがスコシアバンク・アリーナで行われたトロント・ラプターズとのイーストセミファイナル第2戦に94-89で勝利。シリーズを1勝1敗のイーブンに戻し、ホームコートアドバンテージを奪った。
初戦で大敗を喫したシクサーズは、第2戦に臨むにあたってディフェンスを大きくアジャストした。
まず1つ目の主なアジャストメントとして、センターのジョエル・エンビードがパスカル・シアカムをマーク。これはセルティックスの対ヤニス・アデトクンボ戦略と同じだ。パワーとサイズを活かしたドリブルアタックが最大の武器であるシアカムに対してビッグマンが深めに守り、ジャンプショットやフローターを打たせるように仕向ける。
もう一つのアジャストメントは、ベン・シモンズがほぼフルタイムでカワイ・レナードをガード。さらにレナードがドリブルでペイントエリアに侵入しようとすれば、ダブル/トリプルチームで包囲網を敷いた。
この日のシモンズは試合を通してフェイスガードでレナードに張り付きながらボールをディナイ。レナードは最終的にFG24本中13本成功から35得点/6アシストと大活躍だったが、序盤のラプターズオフェンスのリズムを狂わせるには十分で、シクサーズは第1Qを26-17で上回ってペースを握った。
またシモンズがレナードとマッチアップすることで、ジミー・バトラーがオフェンスに集中できる状況を作った。この日のバトラーは30得点/11リバウンドのダブルダブルを記録している。
シクサーズはバトラーの他、ジェイムズ・エニスが13得点、グレッグ・モンローが10得点とベンチ陣が勝利に大貢献。リバウンド53-36でラプターズを圧倒した。
敗れたラプターズはレナードの他、シアカムが21得点、カイル・ラウリーが20得点/5アシストで奮闘。第3戦は現地5月2日にウェルズファーゴ・センターで行われる。
ボックススコア:「NBA」