オースティン・リバースの反逆
プロバスケットボーラーにとってコートは戦場。例え肉親であっても、敵であれば全力で潰しにかかるのが掟だ。
現地13日に行われたロサンゼルス・クリッパーズ対ヒューストン・ロケッツ戦の第4Q終盤、クリッパーズのドック・リバースHCがものすごい剣幕で審判に抗議していた時のこと。リバースHCの息子であるロケッツのオースティン・リバースがそのシーンに忍び寄り、両手で「T」のサインを作りながら、父にテクニカルファウルをコールしろと審判に訴えた。
オースティンの望み通り、審判はドック・リバースHCに2つ目のテクニカルファウルをコールして退場を宣言。父リバースHCがコートを後にする中、息子のオースティンは親指と小指を立てながら「あとで電話してね」のジェスチャーで追い打ちをかけた。
オースティンは試合後も強気の姿勢を貫いた。ロッカールームのインタビューでハプニングについて記者から尋ねられると、父親を「ドック」と名前呼びしながら「冷静さを保つべきだ」と戒めた。
「ああなることは分かっていたよ。あの表情はこれまでに何度も見てきた。怒った時にすごい速さで目をまばたきし始めるんだ。それでピンときたよ。だから僕はトニー(ブラザーズ審判)にテクニカルファウルをコールするよう訴えた。ドックはもっと冷静にならなければ」
– オースティン・リバース
ただ、少しやり過ぎたという気持ちもあるのか、この日のオースティン・リバースは5カ月ぶりに自身のTwitterを更新。そこには「うーん…、今年の感謝祭は気まずくなりそう…」と綴られていた。
ドック・リバースHCはケビン・ガーネットやクリス・ポール、ラジョン・ロンドら癖の強いスター選手を何人も指導してきたNBA屈指のヘッドコーチだ。息子のちょっとした反抗に腹を立てたりはしない。
試合後、オースティンのジェスチャーについて尋ねられると、「彼はやるべきことをやった」と笑顔で語った。
Video:「ESPN」