NBAファイナル2021:ミドルトンの40得点でバックスが第4戦勝利、シリーズ2勝2敗へ
ミルウォーキー・バックスが現地7月14日、ファイサーブ・フォーラムで行われたフェニックス・サンズとのNBAファイナル第4戦に109-103で勝利。シリーズを2勝2敗のイーブンに持ち込んだ。
ファイナル4試合を終えた時点で2勝2敗のタイとなったシリーズは、2015年のウォリアーズ対キャブス以来6年ぶりとなる。
第4戦でのバックスは、オフェンスリバウンド(17本-5本)とターンオーバー(5本-17本)、FGアテンプト数(97本-78本)でそれぞれサンズを大きく上回り、ポゼッションバトルを支配。さらにファストブレイク得点でも15-0で大差をつけたが、それでも試合の大部分でトレイルする形となった。
ミドルトンvsブッカー
52-52の同点で迎えた後半、サンズはデビン・ブッカーが大爆発。ブッカーは第3Qに7本中7本のFG成功からピリオド18得点を獲得し、チームに勢いを与える。
82-76で3クォーターを終えたサンズは、第4Q開始直後にもスリーを決めて9点リードを奪取。主導権を握ったかに見えたが、その直後に5つ目のファウルをコールされたブッカーをベンチに下げることとなり、そこからオフェンスが失速してしまう。
対するバックスは、9点ビハインドから粘り強く追い上げて接戦に持ち込むと、終盤の勝負所でクリス・ミドルトンがゲームをテイクオーバー。ミドルトンは2点差で迎えた第4Q残り2分30秒から10連続得点をあげ、チームを勝利に導いた。
ファイナル第4戦でのミドルトンは、プレイオフ自己最多の40得点、6リバウンド、4アシストをマーク。特にクラッチタイムで見せたヤニス・アデトクンボとのツーマン・ゲームは破壊力抜群だった。
一方のブッカーは、28本中17本のFG成功からゲームハイ42得点で奮闘。NBAによると、ファイナルの試合でそれぞれのチームの選手が40得点以上をマークしたのは史上4回目だという。他の3回は、
- ジョン・ハブリチェックとジェリー・ウェスト(1969年セルティックス対レイカーズ)
- マイケル・ジョーダンとチャールズ・バークレー(1993年ブルズ対サンズ)
- シャキール・オニールとアレン・アイバーソン(2001年レイカーズ対76ers)
なお今季プレイオフでのブッカーが40点ゲームを達成したのは、今回が3度目。キャリア初のポストシーズンにおける記録としては、1960年のウィルト・チェンバレンと並ぶ歴代2位の記録だという。
ヤニスのブロック
バックスはミドルトンの他、ヤニス・アデトクンボが26得点、14リバウンド、8アシスト、3スティールでオールラウンドに大活躍。勝負所の第4Q残り1分15秒には、勝敗を決したプレーと言っても過言ではない値千金のモンスターブロックを決めた。
これ凄すぎじゃない!?完全にデアンドレ・エイトンに後ろを取られていたのに、振り向きざまの片足ジャンプでリカバーしてアリウープを阻止。しかも踏切足は2週間前に膝を痛めたばかりの左足だ。
まさにアデトクンボにしかできないような超人プレイ。レブロン・ジェームズのチェイスダウン・ブロック(2016年第7戦)と並んで、NBAファイナル史を代表するアイコニックなブロックとして語り継がれるだろう。
ミドルトンとアデトクンボの他には、ドリュー・ホリデーがFG20本中4本の13得点とオフェンス面で苦戦しながらも、クリス・ポールのガードを担当したディフェンス面で大活躍した。
ノーコール
この日の試合では、終盤での審判の判定がファンたちの間で大きな物議を醸した。
問題のプレイがあったのは、3点差で迎えた第4Q残り3分40秒。バックスの速攻を阻止しようと、ブッカーがレイアップを打とうとしたホリデーをがっつりハックするが、判定はノーコール。もし審判がちゃんと笛を吹いていたなら、ブッカーは6つ目のファウルで退場となっていた。
NBAとしては、最終的にバックスが勝利して、ほっと胸を撫で下ろしたことだろう。もしブッカーのクラッチショットでバックスが負けるみたいな形になっていたなら、どれだけネットが荒れたことか…。
なお試合後、審判は問題のノーコールについて、「ブッカーの右手がホリデーの腰に接触していたため、ディフェンシブ・ファウルをコールすべきだった」と誤審を認めている。
敗れたサンズはブッカーの他、ジェイ・クロウダーが15得点をマーク。クリス・ポールはとにかく調子が悪く、同点に持ち込むチャンスだった第4Q残り30秒には、ボールハンドルに失敗してターンオーバーを出す痛恨のミスを犯してしまった。
ファイナル第5戦は、現地17日にフェニックスで行われる。
ボックススコア:「NBA」