デリック・ジョーンズJr.が2020ダンクコンテスト優勝、ジャッジに批判の嵐
現地15日に行われたオールスターサタデーの「スラムダンクコンテスト2020」は、延長2回に及ぶ激闘の末、マイアミ・ヒートのデリック・ジョーンズJr.が王者に輝いた。
予選ラウンド
リーグ屈指のダンカーであるアーロン・ゴードンや2008年優勝者のドワイト・ハワードら参加したことで、例年以上に注目を集めた今年のダンクコンテスト。予選ラウンドでは4選手がそれぞれ2本ずつのダンクを披露し、合計で100点満点だったゴードンと、96点を獲得したジョーンズが決勝ラウンドに進んだ。
プレイヤー | 1回目 | 2回目 | |
---|---|---|---|
1 | アーロン・ゴードン | 50点 | 50点 |
2 | デリック・ジョーンズJr. | 46点 | 50点 |
3 | パット・コナトン | 45点 | 50点 |
4 | ドワイト・ハワード | 41点 | 49点 |
予選ラウンドでは50点ダンクが4本。最初に満点を叩き出したのはゴードンだ。
▼レッグスルーからツーハンドのリバースダンク
続いて、バックスのパット・コナトンが50点ダンク。ヤニス・アデトクンボを飛び越え、最初にバックボードにボールを当ててからリムに叩き込んだ。
すると次は、ジョーンズが50点で決勝進出確定。レッグスルーからリバース・トルネードダンク。ジョーンズのダンクは難易度だけでなく、パワーやスタイルも素晴らしい。
最後にゴードンが2度目の満点ダンクを決め、予選ラウンドを締め括った。
▼チャンス・ザ・ラッパーを飛び越えながら
決勝ラウンド
決勝ラウンドは、ジョーンズとゴードンが2人とも満点を連発したため決着が付かず、サドンデスに突入。サドンデス1本目でも、それぞれ50点ダンクを決めた。
▼ジョーンズの決勝2本目。人を飛び越えながらバックボードでのアリウープ、もちろんレッグスルー付き。しかも一発で決めた。
▼ゴードンの2本目。バックボードの横を使ったアリウープパスからボールをワンハンドでキャッチして360ダンク。個人的に今年のベストダンクだったと思う。
勝敗が決したのは、サドンデスの2本目(決勝4本目)。ジョーンズはフリースローラインからのウィンドミル・ダンクを決める。スコアは48点。ラインを半歩ほど越えてしまったためか、本人もダンク後に納得のいかないような表情を浮かべていた。
対するゴードンは、身長229cmのタッコ・フォールを飛び越えながらダンク。
観客のリアクション的にも、このゴードンのダンクで勝負ありかと思われたが、ジャッジは5人中3人が9点と評価。この瞬間にジョーンズの優勝が決まる。
すると会場は騒然。観客席からはブーイングがあがり、コンテストを実況していたレジー・ミラーとケニー・スミスは「こんなのは間違っている」と連呼。サイドラインで観戦していたNBA選手たちも困惑した様子だった。
再び2位に終わったゴードンは、コンテスト後の記者会見で「今回で終わり。本来なら僕がトロフィーを2つ持っているべきだと思うよ」と、今後2度とダンクコンテストに参加する気がないことを明言している。
NBA選手たちの反応
今年のダンクコンテストは、ゴードンとザック・ラビーンが激闘を繰り広げた2016年と並んで、歴代トップレベルの名勝負だったと思う。
ただ結果に納得いかない人が多かったようで、各地で批判が殺到。ファンだけでなく、多くのNBAプレイヤーたちもSNSで不満の声をあげていた。
レブロン・ジェイムス
「今夜は2つのトロフィーが授与されるべきだった。間違いないね!正直になれよ。彼らは2人とも最高のショーを披露した。プロのダンカーだ」
ルカ・ドンチッチ
ジャマール・クロフォード
「これほどのレベルのダンクコンテストがこんな形で終わるなんてあり得ないよ…」
ルディ・ゴベア
「伝説的な戦いだった…、でもまたアーロンが不当な扱いを受けたのか」
ドノバン・ミッチェル
「僕が見てきた中で最高のダンクコンテストの一つだったよ。ジョーンズもゴードンもすべてを出し切った!2人が勝者になるべきだったな」
ジョエル・エンビード
「またAG(ゴードン)が被害に遭ったのか」
テレンス・ロス
「ゴードン、俺のトロフィーを持っていってもいいぜ。すごくイライラしているよ」
こんな感じになって一番かわいそうなのは、優勝したジョーンズだ。
NBAはそろそろダンクコンテストの採点方式を見直すべきなのかもしれない。どんなダンクが高得点に相応しいかなんて主観的なものなので、ジャッジするのが難しいのは分かるが、とにかく満点の50点が軽すぎる気がする。
参考記事:「NBA」