【ハイライト】マブスのディンウィディが2試合連続でゲームウイナーに成功
1カ月前の移籍から上々なパフォーマンスを維持している8年目ガードのスペンサー・ディンウィディ。ここ2試合では連続で決勝弾に成功と、ダラス・マーベリックスの救世主となっている。
まず現地3月13日のボストン・セルティックス戦では、同点で迎えた第4Q残り9秒に、ルカ・ドンチッチのキックアウトパスからスリーポイントショットに成功。そのままマブスはディンウィディがもたらした3点リードを最後まで死守し、波に乗っていたセルティックスを95-92で下す。
▼BOS戦のクラッチタイム
さらに現地16日のブルックリン・ネッツ戦では、1点ビハインドだった試合最後のポゼッションで終了のブザーと同時にスリー成功。
セルティックス戦に続いて、この日のゲームウイナーもドンチッチがダブルチームを引き付けてからの一発で、ディンウィディにとってはキャリア初の決勝ブザービーターとなった。
ディンウィディ
マブスは今季トレードデッドラインでクリスタプス・ポルジンギスとドラフト2巡目指名権を放出し、ウィザーズからディンウィディとダービス・ベルタンスの2選手を獲得。
ポルジンギスの来季マックスサラリー(3400万ドル)をディンウィディ(1800万ドル)とベルタンス(1600万ドル)の2選手に分割したわけだが、トレード成立当初は「マブスが譲渡し過ぎ」「もっとましなオファーがあったのでは?」など否定的な意見がファンやメディアの間で殺到。マブスとしても、将来的なキャップスペースのフレキシビリティを手に入れるのがトレードの主な目的だったのは間違いなさそうだが、移籍後のディンウィディが予想を遥かに上回る活躍ぶりを見せている。
▼ディンウィディのスプリット
- トレード前(ウィザーズ):44試合で平均12.6得点、FG成功率37.6%
- トレード後(マブス):12試合で17.9得点、FG成功率50.0%
もう1人のトレードピースだったベルタンスは不発気味(移籍後のスリー成功率29.1%)なものの、マブスはポルジンギスのリム守備を手放す代わりに、以前から必要としていたドンチッチに次ぐ第2~3のボールハンドラー/プレイメイカーを手に入れた。
ディンウィディ加入後も、マブスのオフェンス戦略は基本的に同じ。ドンチッチとビッグマン(主にドワイト・パウエルもしくはマキシ・クレバー)のスクリーンアクションを3人のシューターで囲むスプレッド・ピック&ロールが攻撃の軸。ただ最近は3Pでラインでスポットアップする面子にディンウィディが入ることで、ボールの動きが断然良くなっている気がする。
判断力とプレイメイクに長けたディンウィディは、ドンチッチに集中して手薄となった敵守備のインサイドを的確に攻めることのできる選手。特にドンチッチが3Pラインの外でダブルチームを引き付けた場面などでは、キャッチから素早いドライブでペイントエリアをアタックし、自身もしくはチームメイトのオープンショットを生み出す。
▼こんな感じ
トレード前は、上のプレイのように、ドンチッチへのダブルチームに対して素早くカウンターを放てるアタッカー/ボールハンドラーが圧倒的に不足していたマブス。ポルジンギスとディンウィディを比較した場合、単純にプレイヤー個人の存在感やポテンシャルだけを見るとポルジンギスが上かもしれないが、ドンチッチを絶対的センターとしたチームスタイルを考えると、ディンウィディの方が理想的なフィットと言えるかもしれない。
またディンウィディは、ドンチッチのいないラインアップで司令塔を務められるバックアップPG。ドンチッチが欠場した3月5日のキングス戦では、シーズンハイ36得点の大活躍でチームを勝利に導いた。
今季1月以降は、サンズに次ぐリーグ2位の成績(26勝8敗)を記録と絶好調のマブス。すでにトップ10クラスのスーパースターであるドンチッチを中心としたオフェンスに加え、ジェイソン・キッドHC指揮下で“ディフェンス・ファースト”のアイデンティティを築きつつある。
ただ、ここからマブスが優勝候補へと進化するには、あと1ピース必要。特にリム守備とリバウンドに長けたセンターポジションの有力選手が欲しいところだ。
なお16日のネッツ戦では、ディンウィディが22得点をマークした他、ドンチッチが37得点/9リバウンド/9アシストで大活躍。今季成績をウェスト4位タイの43勝26敗とした。
一方で連勝を4で止められたネッツ(36勝34敗)は、ケビン・デュラントが23得点/10アシストのダブルダブルをマーク。前日の試合で自己ベストの60得連を叩き出したカイリー・アービングは、ニューヨークにおけるコロナウイルス規定のため引き続きホームゲームを欠場した。
ボックススコア:「NBA」