NBAの試合中継スケジュールからみえてくる、チーム間のあからさまな人気格差
先日、NBAが2013‐14シーズンのテレビ放送スケジュールを発表した。来季はABC、ESPN、TNTの全米ネット3チャンネルから、11月~4月の間で計142試合が生中継される予定だ。
10月29日の開幕戦には、王者ヒート対デリック・ローズ復帰のブルズと、レイカーズ対クリッパーズのLA対決をダブルヘッダーを放送。続いて、ウォリアーズ対クリッパーズ、ヒート対新生ネッツなど、開幕早々から誰もが見たくなる好カードが目白押し。
と、放送スケジュールを見ていてふと思ったのだが、チーム間のカバレージ格差があまりにもあからさますぎるのだ。そりゃ、人気のないチーム同士の試合を放送しても視聴率は稼げないわけで、もちろんそんなものを全米区のテレビ局が取り上げるはずはない。それはわかっているのだが、人気チームと弱小チームの扱いがあまりにも違いすぎて、笑いがこみあげてくる。
人気格差
例えば、人気チームのレイカーズ、ヒート、ニックスは、それぞれ25試合が中継される。反対に、ボブキャッツ、シックサーズ、ラプターズの「弱小+不人気チーム」は、全米ネットでの放送がゼロだ。
以下は、各チームの全米ネット放送回数(ローカル局は含まず):
- ロサンゼルス・レイカーズ: 25
- マイアミ・ヒート: 25
- ニューヨーク・ニックス: 25
- シカゴ・ブルズ: 24
- オクラホマ・シティ・サンダー: 24
- ロサンゼルス・クリッパーズ: 21
- ヒューストン・ロケッツ: 20
- ブルックリン・ネッツ: 17
- ゴールデンステイト・ウォリアーズ: 17
- サンアントニオ・スパーズ: 15
- デンバー・ナゲッツ: 13
- インディアナ・ペイサーズ: 10
- ダラス・マーベリックス: 8
- メンフィス・グリズリーズ: 6
- ポートランド・トレイルブレイザーズ: 6
- ミネソタ・ティンバーウルブズ: 5
- クリーブランド・キャバリアーズ: 4
- ニューオリンズ・ペリカンズ: 4
- アトランタ・ホークス: 3
- ボストン・セルティックス: 3
- ユタ・ジャズ: 3
- デトロイト・ピストンズ: 2
- ミルウォーキー・バックス: 1
- オーランド・マジック: 1
- フェニックス・サンズ: 1
- サクラメント・キングス: 1
- ワシントン・ウィザーズ: 1
- シャーロット・ボブキャッツ: 0
- フィラデルフィア・76ers: 0
- トロント・ラプターズ: 0
お気づきかもしれないが、この放送スケジュールは、決してチームの強さに基づいたものではない。なぜなら、昨季準優勝のスパーズと、カンファレンス・ファイナルで王者ヒートを苦しめたペイサーズの放送回数が、比較的に少なすぎるからだ。
「たくさんの人に見てもらいたい。もっと目立ちたい」というのは、人間誰しもの心理である。シーズンを通して1度も全国ネットでの放送がないようなチームと、一体誰が好んで契約を結びたいと考えるのか?
このままだと、人気チームと不人気チーム、ビッグ・マーケットとスモール・マーケットの格差は広がる一方だ…。などと偉そうなことを言ってみたが、筆者自身も「ボブキャッツ対サンズ」の生中継をみたいとはあまり思わない。
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ソース:「Yahoo!Sports」