大ベテランPGのゴラン・ドラギッチがブルズと1年ミニマムで契約合意へ
同郷のスーパースターがいるマブスを選ぶものとばかり思っていたが…。
複数の現地メディアの報道によると、FAとなっていたベテランポイントガードのゴラン・ドラギッチが、来季をシカゴ・ブルズでプレイする決断をした模様。ブルズとドラギッチが合意した契約内容は、1年/290万ドルのミニマムだという。
昨季がNBAキャリア14シーズン目だったドラギッチは、21試合の出場で7.5得点、4.1アシストを平均。昨季開幕1か月後の11月末に個人的な事情により所属していたチーム(ラプターズ)を離れたため、シーズンの大部分を欠場することとなったが、2月にスパーズへのトレード&契約バイアウトを経て、ブルックリン・ネッツに加入。プレイオフではネッツのバックアップPGを務め、4試合で平均10.5得点を記録している。
今オフのドラギッチは、スロベニア代表として2023年FIBAワールドカップのヨーロッパ予選に参戦中。ブルズとの契約が報じられた現地7月3日にも、スウェーデンとの試合でルカ・ドンチッチと共にスロベニアを勝利に導いたばかりだった。
▼7月1日のスロベニア対クロアチア、2023FIBA予選
マブスのオフ
今夏のマブスでは、ジェイレン・ブランソンがFAでニューヨーク・ニックスへと移籍することとなったため、オフェンスを指揮できるポイントガードの補充が必須。そんな中、ドンチッチと親しいドラギッチがブルズとのミニマム契約を選択したのは、少しサプライズだった。マブスは残りのロスタースポットが限られているため、ドラギッチにオファーすらしなかったのかもしれない。
今オフのマブスは、2022ドラフトの数日前にロケッツとのトレードでビッグマンのクリスチャン・ウッドを獲得、さらにFA解禁初日の6月30日には、第2のボールハンドラーだったブランソンを見返りなしで失うこととなるも、それから間もなくベテランセンターのジャベール・マギーと3年契約で合意している。
現時点で2022-23マブスのデプスチャートは以下の通り:
- PG:ルカ・ドンチッチ、スペンサー・ディンウィディ、ジェイデン・ハーディー(2022ドラフト37位指名)
- SG:ティム・ハーダウェイJr.、フランク・ニリキナ
- SF:レジー・ブロック、ジョシュ・グリーン
- PF:ドリアン・フィニー・スミス、マキシ・クリーバー、ダービス・ベルターンス
- C:クリスチャン・ウッド、ジャベール・マギー、ドワイト・パウエル
現状だと、プレイメーカーが不足しているのは明らか。その一方で、ウッドとマギーの獲得により、フロントコートのローテーションが渋滞している印象だ。
来季のマブスはどんな先発ラインアップを組んでくるだろう?ドンチッチとティム・ハーダウェイJr.のバックコートに、レジー・ブロック/ドリアン・フィニー・スミス/クリスチャン・ウッドの布陣が最もバランスが良さそうだが、サイズと守備力を重視してジャベール・マギーをスターティングセンターに起用する可能性もある。
ブルズ
一方でシカゴ・ブルズは、FA解禁前からバックコートのデプスが豊富だった。新たに加入する36歳のドラギッチが、来季ロスターでどれだけのプレイタイムを稼げるかは完全に未知数だ。
▼2022-23ブルズのデプスチャート
- PG:ロンゾ・ボール、コービー・ホワイト、ゴラン・ドラギッチ
- SG:ザック・ラビーン、アレックス・カルーソ、アヨ・ドスンム
- SF:デマー・デローザン、ジャボンデ・グリーン
- PF:パトリック・ウィリアムズ、デリック・ジョーンズJr.
- C:ニコラ・ブーチェビッチ、アンドレ・ドラモンド、トリスタン・トンプソン
来季ブルズにおけるドラギッチは5~6番手のガードで、主な仕事は若手のメンター役になりそう。
なお今夏のブルズはドラギッチの他、ザック・ラビーンとの5年マックスでの再契約(2億1520万ドル)に成功。さらにFAでバックアップセンターのアンドレ・ドラモンドと2年660万ドルで契約合意している。
参考記事:「ESPN」