カワイ・レナードが右ひざ手術、来年まで戦線離脱の可能性も
ロサンゼルス・クリッパーズは現地7月13日、オールスターのカワイ・レナードが右ひざの手術を受けたことを発表。前十字靭帯の部分断裂を修復するための手術だったようで、今のところ復帰時期は明確になっていない。
レナードが膝を負傷したのは、6月14日に行われたユタ・ジャズとのウェスト準決勝第4戦後半。当初の発表では「右ひざの捻挫」とされ、ポストシーズン中の復帰を目指していると報じられていたが、そのままレナードがチームに戻ることはなく、クリッパーズはウェストファイナルで敗退となった。
今季のレナードは、レギュラーシーズン52試合で24.8得点、6.5リバウンド、5.2アシストを平均し、オールNBAファーストチームに選出。プレイオフでは、負傷離脱するまでの11試合で30.4得点、7.7リバウンド、4.4アシスト、2.1スティール、FG成功率57.3%を平均する大活躍を見せた。
来季全休の可能性も?
前十字靭帯の手術からの復帰時期については、選手によって大きく差がでる。大学時代のカイル・ラウリーは手術からわずか3カ月で復帰したが、そんなケースは極めて稀で、通常は6~12カ月ほど。
昨季12月にレナードと同じ前十字靭帯部分断裂の怪我を負ったネッツのスペンサー・ディンウィディの場合は、バスケットボール活動を再開するまでに6カ月以上を必要とした。レナードのこれまでの怪我歴を考えると、もっと復帰が長引く可能性は高く、2021-22レギュラーシーズンの大部分を欠場することになるかもしれない。
レナードの契約
なおレナードは来季契約がプレイヤーオプション。もしオプションを破棄して今夏にFAとなれば、クリッパーズと最大で4年/1億7620万ドル(他のチームなら4年/1億6920万ドル)のマックス契約を結べる。
レナードは昨季開幕前の12月に「もし健康ならオプションを破棄するのが最善の決断だ」と話していたが、怪我で長期離脱を余儀なくされた今でもその考えは変わっていないだろう。サラリー面で見て、レナードが来季のプレイヤーオプションを行使するメリットはまったくない。
レナードがオプションを行使した場合、2021-22シーズンの年俸は3600万ドル。一方で、オプション破棄から今夏FAになって再契約を結んだ場合は、来季サラリーが3930万ドルになる見込みだ。
大きな怪我で長期離脱中の選手がオプション破棄というのは通常それなりにリスクがあるものだが、レナードクラスのスーパースターにとってはほぼ無関係な話。復帰後に100%のコンディションを取り戻せる確証がないとしても、契約オファーがマックス以下になることは絶対にない。
レナードにとってのベストシナリオは:
- ステップ1:今夏にオプション破棄でFAとなり2年/8180万ドルのマックスサラリー(2年目がプレイヤーオプションの「1+1」契約)でクリッパーズと再契約
- ステップ2:2022年オフに再びオプション破棄でFAとなり、5年/2億3500万ドルのスーパーマックス契約
という流れ。こうすることで、レナードが36歳になる2027年オフシーズンにかけての今後6年間で約2億7400万ドルのサラリーを稼ぐことができる。
もちろん今夏FAで移籍する選択肢もある。ただ、そもそもレナードが優勝チームのラプターズよりもクリッパーズを選んだ理由が、「LAで暮らす家族との時間を増やすため」だったので、今さら他のチームを選ぶ可能性は限りなくゼロに近いと思う。
参考記事:「NBA」