クレイ・トンプソンが左ひざ前十字靭帯を断裂
ゴールデンステイト・ウォリアーズは現地14日、ガードのクレイ・トンプソンがMRI検査の結果、膝前十字靭帯(ACL)の断裂と診断されたことを発表した。
トンプソンが負傷したのは、現地13日にオラクルアリーナで行われたファイナル第6戦の第3Q終盤。ダンクを狙いに行って着地した際に左ひざを故障したようで、苦痛に顔を歪めながらフロアに倒れ込んだ。
チームメイトに支えられながらロッカールームへと下がろうとしたトンプソンだが、間もなくフリースローを打つため一度コートに復帰。NBAのルール上、シューティングファウルを受けた選手が怪我などを理由にフリースローを打たないまま一時退場した場合、その選手は同試合でフロアに戻れなくなる。
トンプソンがトンネルから姿を現すと、オラクルアリーナからは割れんばかりの大歓声。クレイは2本ともFTを沈め、そのままプレイを続行する気満々の仕草を見せたが、絶対に同じ失敗を繰り返すわけにはいかないウォリアーズはすぐにファウルするように指示を出し、トンプソンを離脱させた。
この時のトンプソンは最高に格好良かった。怪我の深刻さが分かっていなかったとはいえ、前十字靭帯が断裂した状態でフロアに残ろうとしたトンプソンの精神力と情熱は凄まじい。
2019ファイナルでのトンプソンは、5試合で26.0得点、スリー成功率58%を平均。第2戦の終盤に右足のハムストリングを負傷して次の試合を欠場することとなったが、第4~第5戦では怪我の影響を微塵も感じさせない活躍を披露。
第6戦でも膝を故障するまでの32分間でFG12本中8本成功からゲームハイの30得点と、3年前の“クレイ・ゲーム”(OKCとのウェスト決勝第6戦)を彷彿させるパフォーマンスだった。もしトンプソンが怪我をすることなく、ウォリアーズが逆転優勝していたなら、トンプソンはファイナルMVPの最有力候補になっていただろう。
▼怪我の直前はゾーン状態だった
ケビン・デュラントのアキレス腱断裂に続き、トンプソンのACL断裂。ウォリアーズにとって5年目のタイトルランはまるで悪夢のようなシナリオだった。過去5年間のNBAを席巻してきたベイエリア王朝がこれで崩壊してしまう可能性もある。
デュラントとトンプソンは2人とも今夏にFAとなる(デュラントはオプション行使で契約続行の可能性あり)。ウォリアーズは間違いなく2人にマックス契約をオファーするはずだ。ダイナスティを存続させるためには他に選択肢がない。ただ2人との再契約に成功しても、2019-20シーズンは優勝から遠のくことになるだろう。
アキレス腱断裂のデュラントは来季全休との見方が強く、トンプソンの膝前十字靭帯断裂もNBA基準で9カ月から1年のリハビリ期間を必要とする深刻な怪我。最近の例だと、ザック・ラビーンが11カ月、ジャバリ・パーカーが12カ月でACL断裂から戦線復帰したが、2018年2月に負傷したクリスタプス・ポルジンギスは未だに実戦復帰していない。
参考記事:「NBA」