レイカーズがアンソニー・デイビス獲得
今夏のメインイベントの一つだったAD争奪戦が思ったよりも早く決着した。むしろようやく終わったと言うべきだろうか…。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると、NBAでは現地15日、ロサンゼルス・レイカーズとニューオリンズ・ペリカンズがアンソニー・デイビスを含む超大型トレードで合意した。
レイカーズはブランドン・イングラム、ロンゾ・ボール、ジョシュ・ハートの若手コア3選手とドラフト1巡目指名権3つを放出し、ペリカンズからスーパースターのデイビスを獲得。
レイカーズがペリカンズに譲渡するドラフト指名権は以下の通り:
- 2019年ドラフト全体4位指名権
- 上位8位保護付きの2021年1巡目指名権(2022年に持ち越された場合は保護なしの1巡目に変わる)
- 2024年1巡目指名権(2025年ドラフトに延期する権利付き)
またESPNによれば、ペリカンズは1巡目3枠の他にも、2023年のドラフト1巡目指名権をスワップする権利を手に入れる模様だ。
今回の大型トレードは、双方のニーズを完璧に満たすウィンウィンな取引だと思う。
レイカーズは優勝狙い
LAでスーパーチームの誕生だ。
言わずと知れた歴代屈指のオールラウンダーであるレブロン・ジェイムスに、怪我さえなければMVPとDPOYの二冠を狙える超逸材ビッグマンのアンソニー・デイビス。この2人のタッグはGSWのカリー/デュラントと並んで恐らく現リーグ最強で、NBA史上でもトップ5に入るレベルのコンビだろう。キャリアPERではレブロンが歴代2位で、デイビスが歴代3位だ(1位はマイケル・ジョーダン)。
レイカーズが今回のトレードのために手放したものは決して少なくない。カイル・クーズマを除く若手コアの総放出に加え、ドラフト1巡目指名権を3つも譲渡。特に2024年の指名権はレブロンの契約終了後のドラフトなので、上位指名権になる可能性も十分にある。ただレブロンとデイビスのタッグを組ませるチャンスがあるのなら、例えリスクが高くても、それを実現しようとしないGMはいないだろう。
1月にデイビスがトレードを要求した際、レイカーズへの移籍を望んでいるという報道が出ていた。レイカーズとしては、アセットを放出することなくデイビスがFAとなる2020年夏まで待つという選択肢もあったが、ポール・ジョージの時と同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。
レイカーズは今回のトレードが正式に成立するタイミング(7月6日以降)により、今夏FAで約2400万ドルから3300万ドルのキャップスペースを手に入れる。レブロンとデイビスに次ぐ“第3のスター”をチームに加えることも可能で、『New York Times』によると、その第1候補はホーネッツのケンバ・ウォーカーだという。もしかするとカイリー・アービングとレブロンのコンビ再結成もあり得るかもしれない。
これでレイカーズは、レブロンが衰えてしまう前に本気で優勝を狙いに行くための基盤を作った。ケビン・デュラントとクレイ・トンプソンの怪我によりウォリアーズ1強体制でなくなる来季が最大のチャンスだ。
なおレブロンが他の年のドラフト1位指名選手とチームメイトになるのはデイビスが7人目となる(他はシャック、アービング、ローズ、ボーガット、グレッグ・オデン、ジョー・スミス)。
ペリカンズは大金持ちに
一方のペリカンズは今回のトレードにより、リーグで最も将来性の高いチームになったと思う。
再建のコアになるのはもちろん2019年のドラフト1位指名(ザイオン・ウィリアムソン)。ウィリアムソンは“デイビス以来の逸材”と言われているビッグマンだ。デイビスの時はチーム作りに失敗したペリカンズだが、今回は年齢が近い将来有望な若手で時期フランチャイズスターの周りを固めることができる。
ブランドン・イングラムは3年目の今季に18.3得点を平均。右腕の血栓症で3月にシーズンを離脱したイングラムだが、順調に全快に向かっており、7月には戦線復帰できる見込みだという。
またグレード3の足首捻挫で2月から欠場していたロンゾ・ボールも、すでにトレーニングを再開している様子。ボールとドリュー・ホリデーのバックコートコンビは守備面でポテンシャルが非常に高い。
さらにペリカンズは今回のトレードで、今週に行われる2019ドラフトの全体4位指名権をゲット。この指名権をドラフト開催までにトレードして、有力な若手選手を獲得する選択肢もある。
参考記事:「ESPN」